こんな夫婦、見たことない!
伝説のアーティスト
篠原有司男、妻・乃り子
ニューヨーク、愛と戦いの
ドラマチック・ドキュメンタリー
「キューティー&ボクサー」は、篠原有司男と彼の妻・乃り子の40年間にわたるニューヨークでの波乱に満ちた結婚生活をありのままに綴る、きわめてパーソナルでありながら、普遍的な、唯一無二のラブ・ストーリーです。そして、愛、犠牲、歓び、痛み、情熱、失望、老いていくこと、これらのテーマは、私たちに向けた人生の物語でもあります。
彼が典型的な反芸術の象徴をして有名になったのは、小説家・大江健三郎によって書かれた“ボクシング・ペインティング”の記事が週刊誌に発表された1961年だった、という。
妻・乃り子は、19歳のときに美術を学びにやってきたニューヨークで有司男と出会い、恋に落ち、結婚。学業の道を捨てた。一男をもうけ、妻であり母であり、アシスタントであることに甘んじていた彼女は、ついに自分を表現する方法を見つけます。それは、夫婦のカオスに満ちた40年の歴史を、自分の分身であるヒロイン“キューティー”に託してドローイングを綴ること。かくして夫婦による二人展が企画されました。
当初、美術作家として名前を知られている有司男に焦点をあてて撮影は始められたが、やがて妻・乃り子のキャラクターにも魅せられた監督は、乃り子にも撮影対象として重きを置くようになります。夫婦の生活に密着した撮影は4年にも及びます。各々の創作活動の現場はもちろんのこと、生活費の工面に頭を悩ませる二人の姿、自分がまるでただ働きのアシスタント、ただ働きのシェフのようだと不満を漏らす乃り子の姿など、夫婦のありのままに日常、そして二人の関係性を映し出します。
以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。
チェック:ニューヨークに在住する81歳の日本人前衛芸術家・篠原有司男と、その妻である篠原乃り子をめぐるドキュメンタリー。故・岡本太郎からも絶賛されたエキセントリックな有司男の芸術活動を見つめ、乃り子との40年間にも及ぶ波乱に満ちた結婚生活を振り返っていく。メガホンを取るのは、ドキュメンタリー中心に活躍している俊英ザカリー・ヘインザーリング。ひたすら芸術の道を突っ走る有司男の年齢を感じさせないエネルギッシュな姿に加え、異国の地で支え合ってきた夫婦の固い絆と愛情に胸が熱くなる。
ストーリー:キャンバスをボクシングのグローブで殴るようにして絵を描くボクシングペインティングで注目を浴びた芸術家、ギュウチャンこと篠原有司男。1969年にアメリカへ渡った彼は、その3年後に美術の勉強にやって来た20歳以上も年下の乃り子と出会って恋に落ち、結婚する。学業を放棄したとして実家からの仕送りを止められる乃り子だったが、妻、アシスタント、母として有司男を支え、息子のアレックス・空海の育児に奔走。59歳となって息子も成長したことから、彼女は夫婦の道のりを題材にしたドローイングの創作に取り掛かる。
別バージョン・チラシ
監督:ザッカリー・ハインザーリング
出演:篠原有司男、篠原乃り子
音楽:清水靖晃
アメリカ映画、カラー
82分、ビスタサイズ
提供:キングレコード、パルコ
配給:サジフィルムズ、パルコ
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