鬼才タル・ベーレ監督の「ニーチェの馬」を観ました。TUTAYAで借りたDVDで観ました。タル・ベーレ監督の作品は、「倫敦から来た男」を観ています。監督の名前の前に「鬼才」と付いていたので、今回もそれにならい「鬼才」と付けておきます。「ニーチェの馬」は、日本では2012年2月に公開されました。公開された後、大きな反響を呼びました。予告編を観て、僕も是非観に行こうと思っていましたが、残念ながら見逃してしまいました。
タル・べーラ:略歴
1955年 、ハンガリー ・ペーチ で生まれる。
1981年 、ブダペスト の映画アカデミーを卒業。
2011年 、監督としての最後の作品と表明している「ニーチェの馬 」で第61回ベルリン国際映画祭 銀熊賞 (審査員グランプリ) 、国際批評家連盟賞(コンペティション部門)を受賞。
タル・ベーラは「ニーチェの馬」を最後の監督作として公言しています。
「ニーチェの馬」
トリノの広場で泣きながら馬の首をかき抱き、そのまま発狂したというニーチェの逸話にインスパイアされて生まれた。しかしニーチェが登場したりすることはなく、全編ニーチェ的なニヒリズムの世界におけるとある親子の生活が描かます。
父親と娘と一頭の馬の、過酷なそして単調な生活を、カメラはただただ追い続けます。その極貧生活は、食事が毎回じゃがいも一個、というのにも現れています。
「チャプター」を下に載せておきます。
1.暴風が唸りを上げて
2.農夫とその娘
3.疲弊しきった馬
4.単調な日々
5.突然の来訪者
6.流れ者
7.夜はいつか終りが来る
8.行くべき場所
9.不吉な風
10.静粛がすべてを呑み込む
以下、「KINENOTE」より
解説
ハンガリーの鬼才タル・ベーラ監督が“最後の監督作”と公言して作り上げた作品。美しいモノクロの長回し映像で捉えた1人の農夫とその娘の過酷な日常生活を通じて、人間の倫理と尊厳を問う。出演は「倫敦から来た男」のボーク・エリカとデルジ・ヤーノシュ。ベルリン国際映画祭で審査員特別グランプリと国際批評家連盟賞を受賞。
あらすじ
初老の男(デルジ・ヤーノシュ)とその娘(ボーク・エリカ)、そして年老いた馬が暮らす、人里離れた荒野の中の一軒家。唯一の収入源は馬と荷馬車だった。父は荷馬車仕事を、娘は家事を行なって日々を過ごす。暮らしぶりは貧しく、毎日は限りなく単調。熟練の動作と季節の変化、一日の時間によってリズムと決まりきった仕事が与えられるが、その重荷が残酷に彼らにのしかかる。日常生活には、時おり訪れる人々がいる以外、これといった事件は起こらない。ついに男は、娘と馬を連れてこの家を出て行くことを決意する。だが、2人と1頭の道のりは、吹きすさぶ強烈な風のために過酷なものとなる……。
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