ポーラ美術館で「モネ、風景をみる眼 19世紀フランス風景画の革新」を観てきました。 国内有数のモネ・コレクションを誇る国立西洋美術館とポーラ美術館の共同企画の展覧会です。美術館の枠を超えてこのような企画が成立するのは画期的なことです。
国立西洋美術館のモネ・コレクションはよく知られていますが、ポーラ美術館のモネの所蔵品がこれほどまでに充実していることは、今回初めて知りました。モネ作品36点を中心に、マネからピカソまで、撰び抜かれた総数約100点の作品が展示されていました。
やはりなんと言ってもモネの作品、「舟遊び」(国立西洋美術館蔵)と「バラ色のボート」(ポーラ美術館蔵)の“そろい踏み”でしょう。展示室の入口を入ると、両作品が並んで展示されています。「日本の二大モネ・コレクション 箱根で夢の共演」と銘打つだけのことはあります。
また、ここでは取り上げませんが、レオナール・フジタの3点の新収蔵作品が展示されていました。フジタの初期の作品「キュビスム風静物」(1914年)、そして「シレーヌ」(1952年)と「グロテスク」(1952年)です。
展覧会の構成は、以下の通りです。
1 現代風景のフレーミング
2 光のマティエール
3 反映と反復
4 空間の深みへ
5 石と水の幻影
1 現代風景のフレーミング
2 光のマティエール
3 反映と反復
4 空間の深みへ
5 石と水の幻影
「モネ、風景をみる眼 19世紀フランス風景画の革新」
モネは眼にすぎない、しかし何と素晴らしき眼なのか。
セザンヌのこの言葉は、生涯、戸外の光の表現を追求し続けた画家モネにもっともふさわしい賛辞ではないでしょうか。しかし彼の眼は、自然の風景から受け取る感覚的で瞬間的な印象を捉えていただけではありません。モネは後年、自らの記憶のなかで純化された、画家の内なるヴィジョンともいうべき、喚起力に満ちた風景を描いていきます。また、彼の絵画には、従来の遠近法とは異なる空間の表現が展開していくことがわかります。印象派を代表するこの画家については、光と色彩、筆触分割、あるいは近代都市の主題といった観点から、これまで何度も取り上げられてきましたが、国内有数のモネ・コレクションを誇る国立西洋美術館とポーラ美術館の共同企画である本展覧会では、絵画空間の構成という観点から、他の作家の作品との比較を通して、風景に注がれたモネの 「眼」 の軌跡をたどります。モネ作品36点を中心に、マネからピカソまで、2つの美術館のコレクションから選び出した同時代の主要作品の数々をあわせ、全5セクション、総数約100点の作品によって、モネがカンヴァスの上に作り上げていった絵画空間の独自性を明らかにします。
「 モネ、風景をみる眼
2013年12月7日~2014年3月9日
国立西洋美術館
「モネ、風景をみる眼
19世紀フランス風景画の革新」
図録(カバー表)
編集:国立西洋美術館
公益財団法人ポーラ美術振興財団
ポーラ美術館
TBSテレビ
発行:TBSテレビ
図録(カバー裏)
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