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キム・ギドク監督の「嘆きのピエタ」を観た!

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キム・ギドク監督の「嘆きのピエタ」を観てきました。韓国映画界の奇才、異端児と言われるキム・ギドク監督、制作上のトラブルから、一時は映画界に背を向けて隠遁生活をしていたようです。その辺りのキム・ギドクの暮らしぶりは、前作のセルフドキュメンタリー「アリラン」で事細かに描かれています。そのキム・ギドクが3年の沈黙を破って発案し脚本化したのは、北と南の不条理な現実を往き来する「プンサンケ(豊山犬)」と呼ばれる男を描いた作品でした。ブンサンケは、北朝鮮製の煙草名でもあります。「ブレス」などで助監督を務めたチョン・ジェホンが、キム・ギドクからの指名で監督を務めました。


キム・ギドク監督の「嘆きのピエタ」、タイトルにある「ピエタ」は、磔刑に処されたのちに十字架から降ろされたイエス・キリストと、その亡骸を腕に抱く聖母マリアをモチーフとする宗教画や彫刻などのことです。ミケランジェロはピエタをモチーフに4体の彫刻をつくっていますが、完成したのはサンピエトロ大聖堂にあるピエタのみです。


この映画で描かれるのは、昔は美しい川が流れていたという「清渓川(チョンゲチョン)」周辺。かつては産業の発展を支えたこの町も、今は高層ビルに囲まれ、時代に取り残された地区です。油の匂いが染みついた迷路のように入り組んだ路地の先にある小さな町工場の数々、響くのは鉄を切り裂く乾いた機械の音だけです。


主人公は、親の顔も知らず天涯孤独に生きてきた男イ・ガンド(イ・ジョンジン)。返済できない債務者に重傷を負わせ、その保険金で借金を返済させる借金取立て屋です。そんなガンドの前に、ある日突然、母親を名乗る謎の中年女(チョ・ミンス)が現れます。ガンドは信じず女を邪険に追い払うが、女は執拗にガンドの後を追い、アパートのドア前に生きたウナギを置いていきます。ウナギの首には名前と携帯電話番号が記された、1枚のカードが付けられていました。ガンドが女に電話をすると子守唄が聴こえてきます。玄関のドアを開けると、そこに涙を浮かべながら歌う女が佇んでいました。


捨てたことをしきりに謝罪し、無償の愛を注いでくれるミソンを、ガンドは徐々に母親として受け入れていきます。そしてミソンはいつの間にか、ガンドにとってかけがえのない存在となっていました。ガンドが取り立て屋から足を洗おうとした矢先、ミソンが突然姿を消します。母の身を案じるガンドに一本の電話がかかってきます。電話から聞こえるのは母の悲鳴と激しい物音。「助けて!」という叫び声で電話は切れます。自分が借金を取り立てた債務者の誰かに母は連れ去られたのだと思い至ったガンドは、債務者の家を一軒一軒回っていきます。そして予想を超えた衝撃のラストに・・・。


以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。


チェック:独創的な作風で世界中から注目を浴びる韓国の鬼才キム・ギドク監督による、第69回ベネチア国際映画祭金獅子賞に輝いた問題作。昔ながらの町工場が並ぶソウルの清渓川周辺を舞台に、天涯孤独に生きてきた借金取りの男の前に突如母親と名乗る女性が現われ、生まれて初めて母の愛を知った男の運命を描き出す。主演はテレビドラマ「愛してる、泣かないで」のイ・ジョンジンと、ベテラン女優チョ・ミンス。二人の気迫に満ちた演技と、観る者の予想を超えたストーリー展開に圧倒される。

ストーリー:身寄りもなく、ずっと一人で生きてきたイ・ガンド(イ・ジョンジン)は、極悪非道な借金取り立て屋として債務者たちから恐れられていた。そんな彼の前に母親だと名乗る女性(チョ・ミンス)が突如現われ、当初は疑念を抱くガンドだったが、女性から注がれる愛情に次第に心を開いていく。生まれて初めて母の愛を知った彼が取り立て屋から足を洗おうとした矢先、女性の行方がわからなくなってしまい……。


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「嘆きのピエタ」公式サイト

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*観たけれども、記事にしていないもの
「ワイルド・アニマル」(1997)
「悪い女~青い門~」(1998)
「リアル・フィクション」(2000)
「受取人不明」(2001)





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