新建築 2013年1月号
表紙の作品:ルーヴル・ランス=妹島和世+西沢立衛/SANAA 他
http://www.japan-architect.co.jp/jp/works/index.php?book_cd=101301&pos=1&from=new
フランスの北部(ノール=パ・ド・カレ地域圏)の町,ランスに建設されたルーヴル美術館の分館.炭坑跡地を敷地とする.2005年に開かれたコンペでSANAAらが設計者に選ばれた.わずかなカーブを持つボリュームの連なりにより構成.ゆるやかな敷地の勾配に沿うように建物が配置される.地上1階,地下2階建て.
ルーブル・ランス
2003年から建設計画が進められていた「ルーヴル美術館」の別館「ルーブル・ランス」が12月4日に開館を迎え、12月12日(現地時間)から一般開放をスタートしました。 「ルーブル・ランス」は、パリから高速鉄道TGVで約1時間15分の仏北部ノール・パ・ド・カレー地方の元炭坑街ランスに誕生。ランスはフランス人でも知る人の少ない小さな町です。1960年以降、未開のまま放置されていたかつての鉱山地帯20haを有効利用し、ルーブル美術館の分館を設置することで、今回認定されたユネスコ世界遺産への登録も狙うなど、ランス市が資金を投入して進めてきた一大都市開発事業です。
設計は日本人の建築ユニット「サナア(SANAA)」とアメリカの「イムレー・カルバート(Imrey-Culbert)」社が担っている。妹島和世氏と西沢立衛氏が組む「SANAA」は、「金沢21世紀美術館」や「ディオール表参道」、ニューヨークの「新現代美術館」など国内外の有名建築物を手がけるユニットです。
エントランススペースはガラス張り、また、130mにもわたる展示スペース「時のギャラリー」は、主にパリのルーヴル美術館で長い間眠っていて一般公開されていなかった250作品(ギリシャ美術、オリエント美術、彫刻など)の企画展示に使用されます。また、「ルーヴル・ランス」は普通の美術館や博物館とは違い、所蔵コレクションを持たない美術館です。しかし、「時のギャラリー」には、パリのルーヴル美術館の傑作が5年間貸し出され、大きな空間に広範囲な時代・地域をカバーするコレクションをコンパクトにまとめ、文字が誕生した紀元前3500年頃から19世紀半ばまで、古代美術70作品、中世美術45作品、近代美術90作品の205点が、大きく3つの時代に分けて展示されます。
ランスはベルギー国境からも50キロという場所に位置する。「ルーヴル・ランス」は、フランスやベルギー以外にも、オランダ、ドイツ、イギリスからの来館者を年間50万人ほど見込んでいるという。
SANAAが設計した「ルーブル・ランス」の写真と図面(designboom)
SANAAが設計したルーブル美術館の分館「ルーブル・ランス」の写真と図面が25枚、designboomに掲載されてます。撮影は鈴木久雄とイワン・バーンです。
http://www.designboom.com/architecture/louvre-lens-by-sanaa-imrey-culbert-now-complete/
「ルーヴル・ランス」のオープニングには、ルーヴル美術館でお馴染みの傑作や巨匠の作品が揃えられる。ボッティチェルリ、ペルジーノ、ラファエロ、グジョン、ル・グレコ、ルーベンス、プッサン、レンブラント、ラ・トゥール、クロード・ロラン、ゴヤ、アングルなどの諸作品が絵画から彫刻まで数百点、そして、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」やレオナルド・ダ・ヴィンチによる「聖アンナと聖母子」がやってくる。
ARCHTECTURAL RECORD
Louvre Lens
SANAA
Lens, Pas-de-Calais, France