パク・チャヌク監督の「渇き」をTSUTAYAから借りたDVDで観ました。「映画もいいけど」の上半期のまとめで、観たけどもブログに書いていない作品として、この「渇き」を載せておきました。観たのは今年の初め頃でしたが、また借りて観てこの項を書いています。韓国は、宗教人口の過半数を、キリスト教信者が占めるといわれています。実際、ソウルの街を歩いてみると、町丁目ごとに教会があり、尖塔があり、十字架が飾ってあります。
つい最近ですが、「韓国とキリスト教いかにして“国家的宗教”になりえたか」という本が中公新書から出ました。買おうか買うまいか、悩んでいるところです。この映画の「渇き」のうたい文句は、「神父と人妻が堕ちていく、血と官能に彩られた罪深き愛の物語」とあります。なにしろ「渇き」のポスターが妙に官能的で、いいですね。主演のソン・ガンホは体重を10キロ減量して、この撮影に望んだという。
なんと、カトリック神父が 吸血鬼になってしまいます。病院に勤める神父サンヒョン(ソン・ガンホ)は、死んでいく患者を看取るしかない自分の無力さに悩み、海外で秘密裏に進められているEV(エマニュエル・ウイルス)のワクチン開発実験に自発的に参加します。サンヒョンは実験途中でウイルスに感染して死に至り、謎の血の輸血を受け、奇跡的に蘇生しましたが、その血はサンヒョンをヴァンパイアにしてしまいます。
一方、無能な夫とヒステリックな義母に抑圧された人生を送ってきた人妻がいます。奇跡的に命を救われたサンヒョンは、彼が奇跡を起こせると信じて祈祷を求める信奉者として、幼い頃の友人ガンウ(シン・ハギュン)と、彼の妻テジュ(キム・オクビン)と再会します。サンヒョンとテジュ、この2人が出会うべくして出会い、愛しあうようになります。サンヒョンがヴァンパイアだと知ったテジュは、一旦は距離をおくが、しかしそれも束の間、サンヒョンの力を利用して夫を殺そうと誘惑します。愛欲に溺れながらもサンヒョンを追い詰めるテジュ。2人の愛の終わりは、一体どうなるのでしょうか?
以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。
チェック:人体実験によってバンパイアになった牧師と人妻との禁断の情事を叙情的かつ暴力的に描くスリラー作品。『オールドボーイ』のパク・チャヌク監督がメガホンを取り、2009年カンヌ国際映画祭の審査員賞を受賞。敬虔(けいけん)な神父から一変、血と欲望のとりこになるバンパイアを『シークレット・サンシャイン』の韓国の演技派俳優ソン・ガンホが演じる。人間の業を鋭くえぐり出しながら、ところどころにユーモアなどを織り交ぜた独特の世界観を楽しみたい。
ストーリー:伝染病の人体実験で奇跡的に助かった神父のサンヒョン(ソン・ガンホ)だったが、そのせいでバンパイアとなった運命に苦しんでいた。そんなある日、サンヒョンは友人ガンウ(シン・ハギュン)に再会し、その妻テジュ(キム・オクビィン)と強く惹(ひ)かれ合うようになる。愛欲におぼれる二人は共謀し、ガンウの殺害を企て……。
「渇き」公式サイト
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