木田元の「哲学散歩」(文春文庫:2017年9月10日第1刷)を読みました。
前半は読むのに苦労しましたが、なぜか後半はすらすらと読めました。とはいえ出てくる哲学者の名前はほとんどわからないままでした。
徹底した皮肉屋ソクラテス、衣装に凝り過ぎてプラトンの眉を顰めさせたアリストテレス、著者が惹かれてやまない性格最悪のハイデガー・・・古代ギリシャの哲学から20世紀現代思想迄の代表的な哲学者の思想とエピソードを、自身の哲学体験を交えながら分かりやすく紹介。インテリジェンスがにじみ出る名エッセイ。解説・保坂和志
目次
はじめに
哲学散歩 第一回 エジプトを旅するプラトン
哲学散歩 第二回 エンペドクレスのサンダル
哲学散歩 第三回 ソクラテスの皮肉
哲学散歩 第四回 忘恩の徒? アリストテレス
哲学散歩 第五回 書物の運命 これもまた?
哲学散歩 第六回 哲学史のなかのアレクサンドロス大王
哲学散歩 第七回 アウグスティヌスをめぐる謎
哲学散歩 第八回 プラトニズムとユダヤ思想
哲学散歩 第九回 「薔薇の名前」遺聞
間奏 悠久の旅(Ⅰ)
間奏 悠久の旅(Ⅱ)
間奏 悠久の旅(Ⅲ 補遺)
哲学散歩 第十回 火焙りにされた最後の哲学者ジョルダノ・ブルーノ
哲学散歩 第十一回 デカルトをめぐる女性たち
哲学散歩 第十二回 私のカント体験記
哲学散歩 第十三回 ライvヴァルたち――シェリングとヘーゲル――
哲学散歩 第十四回 ある師弟――ショーペンハウワーとニーチェ――
哲学散歩 第十五回 哲学者と女性
哲学散歩 第十六回 哲学と心理学の縄張り争い
哲学散歩 第十七回 ある交友――ハイデガーとヤスパース――
哲学散歩 第十八回 マッハを想う
哲学散歩 第十九回 哲学の青春――ニザンとサルトル――
哲学散歩 第二十回 ダヴォスの対決――カッシーラーとハイデガー――
哲学散歩 第二十一回 ある訣別――ハイデガーとレーヴィット――
解説 木田元を木田元たらしめたもの 保坂和志
木田元:
1928年生まれ。東北大学文学部卒業。同大学院特別研究生前期・後期課程修了。中央大学文学部教授を経て、同大学名誉教授。著書に「現象学」「ハイデガーの思想」「反哲学入門」「哲学は人生の役に立つのか」「わたしの哲学入門」「ハイデガー拾い読み」など。2014年8月逝去。