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川上弘美の「明日、晴れますように」を読んだ!

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川上弘美の「明日、晴れますように」(朝日新聞出版:2024年6月30日第1刷発行)を読みました。

 

二人は、何かの秘密を知っているように思える。

大きな物語がなくなったあとの複雑な時代に、新しい出会いや発見、悲しみや葛藤を経験しながら成長する子どもたち、うつろいゆく大切なものもの。それでもなお世代を超えて受け継がれる、かけがいのない日々を描く新たな成長物語。

 

著者の長編ファンタジー「七夜物語」から12年、

次世代を生きる子どもたちの物語。

いまほど世の中の仕組みが複雑ではなかった1970年代。「七夜物語」という不思議な本の世界を冒険した子どもたちがいた。鳴海さよと仄田鷹彦。七つの夜をめぐる冒険は、二人にとって大切な経験となるが、さよも仄田くんも「夜の世界」の出来事を決して思い出すことはなかった。あれかろよそ30年――。さよの息子「絵」と仄田くんの娘「りら」は、両親と同じ小学校でクラスメートになっていた。二人もまた「七夜物語」の世界へと導かれるのか? 2010年の現代を舞台に、10歳から11歳へと成長する二人の変化の兆しと、子どもたちを取り巻く世界を鮮やかの捉えながら、ささやかな人の営みと、そのきらめきを届ける物語は、2011年の「あの日」へと向かっていく。

 

2012年に上梓した、二人の小学生が主人公であるファンタジー、「七夜物語」の続編を書くつもりは、実はまったくなかった。それなのに、「続七夜物語」である本書を、結局は書き上げてしまったのは、第一章の「20」を、ある時、つい、書いてしまったからである。つい、などという適当な書き方で小説を書いているのかと問われれば、はい、そうなんです、いつも小説は、つい、書き始めてしまうのです、あまり後先考えず、と答えるしかない。

「20」は、「りら」という小学生の視点で書かれた小説だったのだが、書きながら、「りら」は誰かを思わせる、と感じていた。それが「七夜物語」の灰田鷹彦だ、と気がついたのは、「20」を途中まで書いたところでだった。そうなると、つい、「七夜物語」のもう一人の主人公である鳴海さよを思わせる「絵」のことも書きたくなり・・・という調子で、ゆっくりと八年かけて書いたのが、この本である。(「あとがき」より)

 

朝日新聞:2024年6月28日

文芸時評:古川日出男

水底に沈んだ情景

真の「人間の悲喜劇」

 

「七夜物語 上」

朝日文庫

2015年5月30日第1刷発行

著者:川上弘美

 

「七夜物語 中」

朝日文庫

2015年5月30日第1刷発行

著者:川上弘美

 

「七夜物語 下」

朝日文庫

2015年5月30日第1刷発行

著者:川上弘美

 

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