難波和彦の「住まいをよむ」(NHK出版:2024年1月1日)を読みました。
戦後日本における住まいの在り方、
人と住まいとの関係性を読み解く。
本テキストでは、主に戦後日本の住まいの在り方に注目し、戦後復興において日本政府が中心に据えた住宅政策や諸制度を概観しながら、住まいにまつわるさまざまな事象(行政・施工法・金融制度・建築業・街づくり等)を、その後のバブル期とその崩壊、人口減少や過疎化に伴う住宅事情の変化までを視野に、時代をおって解説、読み解いていく。
住まいは、建築材料を組み合わせて建設される物理的な空間だが、重要なのは、そこに住むひと・家族の生活が営まれる場所だということ。言い換えれば、住まいとはハードとソフトが渾然一体となった存在なのである。また、住まいには集合住宅やアパートといった形態があり、そこに住む人たちのコミュニティや街づくりにも大きく関係する都市の構成要因でもある。
これらを踏まえ、建築家として第一線で活躍してきた著者が、日本の住まいをめぐる戦後史をたどり、住まいづくりの基本的な考え方、快適な住まい=快適な街づくりのためにできること、すべきことを解説・提言する。
目次
はじめに
第一回 住まいの現在
第二回 家族と住まいの変容
第三回 住まいと住宅政策
第四回 住まいの標準化と工業化
第五回 消費社会の住まい
第六回 住まいのはたらき
第七回 小さな家
第八回 住まいがつくる街
第九回 集まって住む
第十回 エコハウスの条件
第十一回 住まいの儀式
第十二回 建築教育の伝統
第十三回 私の仕事
難波和彦:
1947年、大阪府生まれ。東京大学大学院建築学専攻博士課程修了。現在は、東京大学名誉教授、(株)難波和彦・界工作舎代表。代表作品に、田上町立竹の友幼稚園、EXマシン、なおび幼稚園、アタゴ深谷工場、箱の家シリーズなどがあり、主な著書に「建築の四層構造サスティナブル・デザインをめぐる思考」(LIXIL出版)、「東京大学建築学科難波研究室活動全記録」(角川学芸出版)、「進化する箱」(TOTO出版)、「新・住宅論」(左右社)などがある。
過去の関連記事:
難波和彦の「建築の理・難波和彦における技術と歴史」を読んだ!
難波和彦の「建築の四層構造 サスティナブル・デザインをめぐる思考」が届いた!
難波和彦の手持ちの著作を、下に載せておきます。
「新・住宅論」
2020年7月31日第1刷発行
著者:難波和彦
発行所:左右社
「メタル建築史 もうひとつの近代建築史」
2016年11月25日第1刷発行
著者:難波和彦
発行所:鹿島出版会
「建築家の読書塾」
2015年12月24日発行
編著者:難波和彦
発行所:みすず書房
「新しい住宅の世界」
発行:2013年3月20日
著者:難波和彦
発行所:放送大学教育振興会
「建築の理(ことわり)―難波和彦における技術と歴史」
2010年10月10日第1版発行
編著者:難波和彦、伊藤毅、鈴木博之、佐々木睦朗、石山修武、前真之
発行所:株式会社彰国社
「東京大学建築学科難波研究室活動全記録」
発行日:2010年9月25日初版発行
著者:東京大学建築学科難波研究室
発行所:株式会社角川学芸出版
発売元:株式会社角川グループパブリッシング
「建築の四層構造サスティナブルデザインをめぐる思考」
発行日:2009年3月1日初版発行
著者:難波和彦
発行所:INAX出版
「建築家は住宅で何を考えているのか」
東京大学建築デザイン研究室編
著者:難波和彦・千葉学・山代悟
発行:2008年9月30日第一版第一刷
「箱の家に住みたい」
著者:難波和彦
発行:2000年9月25日初版発行
定価:本体1800円+税
発行所:王国社