ハルノ宵子の「隆明だもの」〈昌文社:2023年12月15日初版、2024年2月5日3刷)を読みました。
戦後思想界の巨人と呼ばれる、父・吉本隆明。
小説家の妹・吉本ばなな。
そして俳人であった母・吉本和子――
いったい4人はどんな家族だったのか。
長女・ハルノ宵子が、父とのエピソードを軸に、
家族のこと、父と関わりのあった人たちのことなどを
思い出すかぎり綴る。
吉本家は、
薄氷を踏むような
”家族”だった。
長女・ハルノ宵子が、
戦後思想界の巨人と呼ばれる
父・吉本隆明のことを綴る。
個人を讃えない、型破りな追悼録。――
ハルノ宵子(長女)と
吉本ばなな(次女)による
「吉本姉妹対談」も収録
父が10年に一度位荒れるのも、外的な要因に加えて、家が緊張と譲歩を強いられ、無条件に癒やしをもたらす場ではなかった。そのダブルパンチをくらい、耐えきれずに噴出したのだと思っている。でもそれは誰のせいでもない。過剰なまでの闇と孤独を抱えているのは、自分自身だからだ。吹きすさぶ氷雪に傷をさらしている時こそが、癒しだったからだ。父は生涯自分の孤独から、逃れられない人だったのだと思う。――本文より
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