静嘉堂文庫は、親子2代によるコレクションで、ホームページには以下のようにあります。
静嘉堂は、岩﨑彌之助(1851~1908 彌太郎の弟、三菱第二代社長)と岩﨑小彌太(1879~1945 三菱第四代社長)の父子二代によって設立され、国宝7点、重要文化財83点を含む、およそ20万冊の古典籍(漢籍12万冊・和書8万冊)と6,500点の東洋古美術品を収蔵しています。静嘉堂の名称は中国の古典『詩経』の大雅、既酔編の「籩豆静嘉」(へんとうせいか)の句から採った彌之助の堂号で、祖先の霊前への供物が美しく整うとの意味です。明治期の西欧文化偏重の世相の中で、軽視されがちであった東洋固有の文化財を愛惜し、その散亡を怖れた岩﨑彌之助により明治25年(1892)頃から本格的に収集が開始され、さらに小彌太によって拡充されました。彌之助の収集が絵画、彫刻、書跡、漆芸、茶道具、刀剣など広い分野にわたるのに対して、小彌太は、特に中国陶磁を系統的に集めている点が特色となっています。
さて、その静嘉堂文庫、創設されて120周年になるという。そして美術館が開館して20周年になるという。それを記念として「受け継がれる東洋の至宝」展が、静嘉堂文庫美術館で開催されています。その内容は、かなり大規模なもので、以下のような3部構成です。
PartⅠ東洋絵画の精華 名品でたどる美の軌跡
PartⅡ岩崎彌之助のまなざし
PartⅢ曜変・油滴天目―茶道具名品展―
今回はPartⅠ「東洋絵画の精華 名品でたどる美の軌跡」で、それは2部に分かれており、前期は「珠玉の日本画コレクション」、そして後期は「至高の中国絵画コレクション」となっている、いわゆる「コレクション展」です。が、しかし、その内容はというと、名品、優品ぞろいで、国宝や重要文化財クラスのものが続々出ています。力が入っているのがよく分かるのは、「リーフレット」を見ればよく分かります。入場者全員に配布されますが、これがなかなか素晴らしいできのものです。図録はないので、これは見学者にとってはありがたい。
それはそれとして、「珠玉の日本画コレクション」、展示されたものは28点ですが、いやはや中身が濃い。なんて書き方ではなんともはや心許ないのは重々分かっていますが、なにしろ観終わった後の充実感が凄い。こんなふうに感じるのは、久し振りです。「絵巻物」「仏画・垂迹画(すいじゃくが)」「室町水墨画」そして「江戸絵画」、観るべきものはバラエティーに富んでいます。
まず目玉は「絵巻物」です。普段は絵巻物は真面目にじっくりとは観たことがないのですが、今回は違いました。たった3巻とはいえ、これがまた凄い。合戦絵巻の傑作「平治物語絵巻信西巻」、継子いじめを描いた「住吉物語絵巻」、「栄華物語」の駒競べの様子を描いた「駒競行幸絵巻」、それぞれ鎌倉期の絵巻の傑作だそうです。さもありなん、観ているとついつい引き込まれていきます。解説がまたいい。ちょっとずつしか観れないのは残念ですが・・・。
今回のピカイチは、当然、「仏画・垂迹画」ですね。「垂迹画」とは、註釈によると、「仏が神の姿をかりて現れる」という本地垂迹説に基づいて描かれた絵画、を言います。「釈迦三尊像」は新出作品ですが、その他が凄い。「普賢菩薩像」「弁財天像」「不動明王二童子像」「春日本迹曼荼羅」「熊野曼荼羅」はすべて重要文化財、「如意輪観音像」は重要美術品、これだけでも凄い。静嘉堂の仏画・垂迹画コレクションは、鎌倉~南北朝の作品が大部分。それらの逸品のなかには、明治初期の廃仏毀釈による損失を辛くも逃れ岩崎家の蔵品になったもの。厳かで華やかな画面が、古の人々の祈りを今に伝えている、と解説にあります。
「室町水墨画」を語る資格がないので、「江戸絵画」。京のにぎわいを描いた「四条河原遊楽図屏風」(二曲一双)と、酒井抱一の銀という素材に独自性を見出した「波図屏風」(六曲一双)、ともに絶品です。鈴木基一の「雨中桜花紅楓図」(二幅)と、尾形光琳の「鵜舟図」もいい。
絵巻―物語絵画の世界
祈りの美―仏画・垂迹画
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静謐なる室町水墨画
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華麗なる江戸絵画
京のにぎわいを描く
江戸絵画の華 琳派
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ふたつの美人画
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中国憧憬―文人画の世界
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静嘉堂文庫創設120周年・美術館開館20周年記念
受け継がれる東洋の至宝 PartⅠ
東洋絵画の精華 名品でたどる美の軌跡
静嘉堂文庫美術館には、岩﨑彌之助・小彌太父子二代によって蒐集された、およそ1,000件の絵画コレクションが所蔵されています。中でも、中国絵画・日本絵画は、時代・ジャンルも多岐にわたり、質量ともに国内有数のコレクションと高く評価されています。 特別展「受け継がれる東洋の至宝」PartⅠにあたる本展では、国宝・伝馬遠「風雨山水図」や重文「平治物語絵巻 信西巻」をはじめ、初公開作品を含む、選りすぐりの中国・日本絵画の名品、約70件を展示いたします。 岩﨑彌之助・小彌太父子による東洋文化財の散逸を防ぐとの高い志のもと、この地で守られ、後世に伝えゆく至宝の数々を、この機会にぜひご覧ください。
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静嘉堂蔵 東洋絵画の精華
①珠玉の日本絵画コレクション
リーフレット
編集・発行:静嘉堂文庫美術館
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