井上章一の「ふんどしニッポン 下着をめぐる魂の風俗史」(朝日新書:2022年5月30日第1刷発行)を読みました。またまた井上章一ですよ。
井上の出世作「つくられた桂離宮神話」は昔読んだのですが、どこを探しても出てこないので、しかたがないので文庫分を購入、再読している最中です。
そして、「パンツが見える。」ですが、押し入れの奥深くありましたよ。確か読んだことがあるので、どこかにあるとは思っていたのですけど。
ズボンの中の和魂洋才
見えないところを
あえて見た
近代日本の急所をつく
画期的な文化論!
これが、日本人か!
三島由紀夫にとっては正装であり
特殊な精神性をまとう和の下着から
文明の秘密に迫るスリリングな文化史
本邦褌写真150点を大公開
名著「パンツが見える。」に続く興奮
男の急所を包む大事な布の話──明治になって服装は西欧化したのにズボンの中は古きニッポンのまま。西洋文明を大和心で咀嚼する和魂洋才は見えないところで深みを増し三島由紀夫に至った。『パンツが見える。』に続き、近代男子下着を多くの図版で明るみに出し、論考する。
目次
まえがき
1 女はあとまわし
2 男が洋服に着がえる時
3 たたかう洋服
4 およぐ時は、またべつで
5 ジェンダーガップの別曲面
6 ベルリンに褌はかがやいて
7 華族の下半身
8 女人退散のいでたちに
9 褌の黄昏
10 褌かサルマタか
11 河をこえて
12 アメリカの影
13 戦争美術の可能性
14 上着と下着
15 下着の転換期
16 見上げれば,屋根屋の褌
17 神事では
18 国粋か造反か
19 女にも褌を
20 海の向こうでは
あとがき
井上章一:
1955年、京都府生まれ。国際日本文化研究センター(日文研)所長。京都大学工学部建築学科卒、同大学院修士課程修了。専門の建築史・意匠論のほか、関西や風俗など広い分野の日本文化についての発言で知られる。著書に「霊柩車の誕生」「つくられた桂離宮神話」「パンツが見える。」「日本に古代はあったのか」「伊勢神宮」「京都ぎらい」「京都ぎらい官能篇」「京都まみれ」など多数。
過去の関連記事:
井上章一の「日本の醜さについて 都市とエゴイズム」を読んだ!
探しましたよ、押し入れの奥まで
で、ついに出てきたのがこれ!
「パンツが見える。羞恥心の現代史」
朝日選書
2002年5月25日第1刷発行
発行所:朝日新聞社
パンツが見える。それを喜ぶのは男性で、見られて恥じらうのは女性。
でも、つい50年ほど昔まで、たかがパンツごときでときめく男はいなかった。なぜなら和服の女性はパンツを穿いていなかったから、ふとしたはずみでチラリと見えてしまうのは、パンツなんかじゃなかった…。「陰部を見られても、場合によっては仕方がない」、それが戦前の女性の感覚だったはず。だから、多くの女店員が裾の乱れを恥じて墜落死したという「白木屋ズロース伝説」は眉唾だ、と説き起こす。「パンツ」をめぐる感性の興亡を考証する著者10年の思索の結実。
そのほか、でてきた井上章一の著作(一部ですが)
「つくられた桂離宮神話」は未だに見つかりません。
「アート・キッチュ・ジャパネスク 大東亜のポストモダン」
1987年8月15日発行
発行所:青土社
「法隆寺への精神史」
平成6年2月15日初版第1刷発行
発行所:弘文社
「戦時下日本の建築家
アート・キッチュ・ジャパネスク」
朝日選書
1995年7月25日第1刷発行
発行所:朝日新聞社