伊藤比呂美の「人生おろおろ 比呂美の万事OK」(光文社文庫:2022年3月20日初版1刷発行)を読みました。新刊が出たので、また買ってしまいました。伊藤比呂美と聞くと、躰が反応してしまいます。悲しいサガです。
どんな本か?
女の50代、悩みとともに生きてます。
浮気、恋愛、DV、セックスレス、舅姑&嫁婿問題、介護、パワハラ上司……などなど、生きている限りつきまとうさまざまな悩み事。著者が回答者を務める「人生相談」に寄せられた中から、お悩み解消への示唆に富んだ問答を選りすぐる。相談者に寄り添い、ときには突き放し、しかしあくまで温かい著者の回答は、悩める人の心に明かりをともす。
目次
テーマソング 万事OKぶし
第1章 家族のこと
第2章 介護のこと
第3章 義理家族のこと
第4章 子どものこと
第5章 仕事のこと
第6章 生老病死のこと
第7章 夫婦のこと
第8章 恋愛のこと
あとがき
「あとがき」から
西日本新聞で人生相談をはじめて24年、東京新聞にも掲載されるようになってから5年です。千人近い人の悩みに答えながらいっしょに生きてきたような気がします。これからもいっしょに生きていきます。同じことをくり返し言ってるところもあるんですが、人の悩みってみんな同じなので、同じことをくり返しくり返し答えるしかないのです。
そんな年頃、50代60代の悩みごとをあつめてみました。この年頃のみなさんは経済感覚がすばらしく、なかなか本を買ってくださいません。安くて小さい文庫ならあるいはと考えたので、このかたちです。
人間の心の中の根本は四苦八苦
生きる苦・老いる苦・病む苦・死ぬ苦の四苦がある。そこにもう四苦。
愛別離苦――愛するものと離れる苦。
怨憎会苦――いやなものに出会う苦。
求不得苦――ほしいものが得られない苦。
五蘊盛苦――なにかに執着する苦。
四苦に四苦を足して八苦。これがかの有名な四苦八苦。
伊藤比呂美:
1955年生まれ。詩人。青山学院大学文学部卒業。80年代の女性詩ブームを牽引する。結婚、出産をへて97年に渡米したのち、2018年に帰国。熊本に在住。主な著書に「良いおっぱい悪いおっぱい」「とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起」「女の絶望」「父の生きる」「読み書き『般若心経』」「閉経記」「ショローの女」「いつか死ぬ、それまで生きる わたしのお経」など多数。
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