練馬区立美術館で「香月秦男展」を観てきました。
香月泰男展
令和4年2月6日(日)~3月27日(日)
練馬区立美術館
太平洋戦争とシベリア抑留の体験を描いたシベリア・シリーズにより、戦後美術史に大きな足跡を残した香月泰男(1911~74)の画業の全容をたどる回顧展を開催いたします。
山口県三隅村(現・長門市)に生まれた香月泰男は、1931年に東京美術学校に入学し、自身のスタイルの模索をはじめました。1942年に応召し、復員した1947年以降は、故郷にとどまって身の回りのありふれたものをモチーフに造形的な挑戦を繰り返しました。1950年代後半に黒色と黄土色の重厚な絵肌に到達した香月は、極限状態で感じた苦痛や郷愁、死者への鎮魂の思いをこめて太平洋戦争とシベリア抑留の体験を描き、「シベリアの画家」として評価を確立しました。
シベリア・シリーズは応召から復員までの主題を時系列にならべて紹介するのが一般的であり、そこではシベリア・シリーズのもつ戦争と抑留の記念碑としての側面が強調されてきたといえるでしょう。しかし、実際の制作の順序は、主題の時系列とはおおきく異なっています。
本展では、シベリア・シリーズを他の作品とあわせて制作順に展示します。この構成は、一人の画家が戦争のもたらした過酷な体験と向き合い、考え、描き続けた道のりを浮かびあがらせるでしょう。戦争が遠い歴史となり、その肌触りが失われつつある今、自身が「一生のど真中」に戦争があり、その体験を個の視点から20年以上にわたって描き続けた、「シベリアの画家」香月泰男の創作の軌跡にあらためて迫ります。
展覧会の構成は、以下の通りです。
Ⅰ 1931-49 逆光のなかのファンタジー
Ⅱ 1950-58 新たな造形をもとめて
Ⅲ 1959-68 シベリア・シリーズの画家
Ⅳ 1969-74 新たな展開の予感
Ⅰ 1931-49 逆光のなかのファンタジー
Ⅱ 1950-58 新たな造形をもとめて
Ⅲ 1959-68 シベリア・シリーズの画家
Ⅳ 1969-74 新たな展開の予感
生誕香月泰男展
図録
編集:
宮城県美術館
神奈川県立近代美術館
新潟市美術館
練馬区立美術館
足利市立美術館
発行:
一般社団法人インデペンデダント