国立近現代建築資料館で「『住まい』の構想 収蔵資料が物語る名作住宅」を観てきました。
1章:木造の伝統とモダニズムの融合
日本の伝統木造の表現に、近現代建築のデザイン要素(骨組み構造、ピロティ、屋上庭園、自由な平面、吹抜け、単純な幾何学形態など)を取り入れるという課題への応答を見る。
前川國男、自邸(大高正人による図面):1942
坂倉準三、龍村邸:1943
丹下健三 自邸:1953
前川國男 NHK富士見ヶ丘クラブ:1954
岸田日出刀 衆議院議長公邸:1961
高橋靗一 高垣邸:1962
2章:量産化と集合化
戦後日本の住宅不足を背景に飛躍的な研鑽が積み重ねられた様々な住まいの形。時代背景が色濃く見える試みの数々。現代における日本の「住宅」の骨格を作り上げた軌跡を探る。
前川國男、上海華興商業銀行綜合社宅:1939
坂倉準三、戦争組立建築:1942
前川國男、プレモス・シリーズ:1948
大高正人 坂出市人工土地:1962
3章:都市化と住空間の創造
1964年の東京オリンピック前に大きく変化した日本の都市、そしてライフスタイル。その急激な変化に対応すべく構想された「住まい」の多様な模索を読み解く。
菊竹清訓 スカイハウス:1958~
菊竹清訓 井上さんの家:1955
吉阪隆正 自邸:1955
坂倉準三 正面のない家(仁木邸):1962
原広司 自邸 :1974
「『住まい』の構想 収蔵資料が物語る名作住宅」
コロナ禍において、在宅勤務の推進、家族生活の変化が生じ、「住まい」に対する考え方自体にも変化の兆しが見られ始めています。私達の住まいの考え方は、戦後復興期から1970年代初めの高度成長期までの住宅に関する様々な試みを土台として形成されました。都市への人口集中、持ち家願望、核家族化の進行、モダンでお洒落な生活空間の希求といった大きな社会状況の変化に応えるべく、様々な「住まい」が構想されました。それらを土台として、「住まい」のデザインは1970年代後半以降に多様性を伴って高度な発展を遂げ、今日では、日本の建築文化を支える重要なフィールドとなっています。
本展覧会では、この「住まい」の構想の土台に焦点を当てます。当資料館の収蔵資料より、戦中および戦後復興期から1970年代半ばまでの住まいの構想資料を取り上げ、日本の住宅の試行と発展をわかりやすく、かつ、生き生きと蘇らせることを目指します。
主 催:文化庁
協 力:公益財団法人東京都公園協会
会 場:文化庁国立近現代建築資料館(東京都文京区湯島4-6-15 湯島地方合同庁舎内)
会 期:2021年 12月 14日(火)~ 2022年3月13日(日)
年末年始休館:2021年12月27日(月)-2022年1月4日(火)休館日:毎週月曜日、および1月11日(火) ただし1月10日(月・祝)は開館
企画:文化庁国立近現代建築資料館
「住まい」の構想 収蔵資料が物語る名作住宅(1940-1975) |
図録(無料)
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