来年ですが、2022年1月14日(金)から4月3日(日)まで、
東京国立博物館で「特別展 ポンペイ」が開催されます。
「ナポリ国立考古学博物館の至宝150点が一挙終結!」
と、チラシにあります。かなり人気のようです。
僕がポンペイに行ったのは、2004年2月27日、17年も前のことです。
「格安ツアー」とある通り、イタリア各地を9日間で巡るというもの。
それとは別に、イタリアへは1988年と1990年の2度行ってます。
1990年は15日間かけてイタリアをくまなく巡りましたが、
なぜかポンペイへは行ってません。
ポンペイのお土産屋さんで、「芸術と歴史の街 ポンペイ(日本語版)」という図録を購入しました。画像が綺麗で、「復元想像図付き」(かなり詳細な)とあります。10.20ユーロでした。
以下、「芸術と歴史の街 ポンペイ(日本語版)」より
売春宿(LUPANARE)
この種の宿はポンペイでは約25件ほど見つかっている。しかし大抵は居酒屋や食堂と同居であるし、通りから直接寝室に入るだけの簡単なものもあり、売春専用に建てられた宿はスタビアーナ浴場の裏にあるこのルパナーレだけである。裏小路の角にあるのは当時の売春宿の常だった。
この売春宿ルパナーレは、1階の5部屋と2階の広めの5部屋からなり、木の階段からバルコニーを通って部屋に入っていった。1階の入口脇には、巨大な陰茎を両手にした性愛と農業の神プリアプスがイチジクの木のそばに立っている壁画がある。各部屋は壁際にベッドがあり、そこにマットレスを敷いた。部屋の扉の上に描かれたエロチックな壁画は、様々な「特技」を客に示すためだったのかもしれない。
ある部屋の漆喰に、.A.D.72年以降鋳造されていた硬貨の跡が残っていることから、宿は大噴火の少し前に修理されたものと見られている。1階の壁の奥にはトイレもある。
宿には無数の落書きが残されており、読めるものだけでも120を数える。客や娼婦自身が書き残したもので、自分の精力旺盛振りを誇るもの、満足感を語るもの、病に罹ったことをこぼすもの、特殊な望みを語る者、卑わいな言葉遊びなど、様々だ。少女たちの名前は「エキゾチックな」娼婦として有名だった、外国、特にギリシャや東洋系が多い。男娼もいたらしい。客層が下層市民や奴隷だったことを反映して売春の値段は大変安く、ワイン2杯と同じだったという。
カリグラ帝は売春に税金をかけ、1日につき客1人の値段と同額を徴収していた。娼婦は法廷での証言を許されず、ドミティアヌス帝期以降は、廃業後も財産の世襲は許されなかった。彼女たちが一人前の人格を認められるのは、結婚した場合のみに限られていた。
「売春宿LUPANARE」
建物外観(左側の建物)
「売春宿LUPANARE」
両側に部屋が並んでいるロビー
以下、「売春宿LUPANARE」
部屋に描かれているエロチックな壁画
「売春宿LUPANARE」
ブリアプス神の壁画
「百年祭の家」
寝室にあるエロチックな壁画
「ヴェッティウスの家」
玄関にある「陰茎を量るブリアプス神」
「ヴェッティウスの家」
エロチックな壁画のある寝室に置かれた噴水用の彫刻
「芸術と歴史の街 ポンペイ」
日本語版
図録
「特別展 ポンペイ」
チラシ
2022年1月14日~4月3日
東京国立博物館
朝日新聞:2022年2月1日