森崎東監督の「生きているうちが花なのよ 死んだらそれまでよ 党宣言」を、TUTAYAで借りて、観たいみたいと思っていた映画、初めて観ました。探しに探して、やっと三軒茶屋のTUTAYAにあることがわかり、DVDを借りて観たというわけです。1985年公開の映画、いまから36年も前の作品です。主演は倍賞美津子、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞しています。
映画評論家・橋本勝は本作について、「原発で働く”原発ジプシー”と、東南アジアから日本への出稼ぎ女性”じゃぱゆきさん”」という「現代日本の底によどむ問題をあぶり出す」「たいへん重要な作品」であり、「浮ついた喜劇ではない、現代日本の闇を果敢に告発している恐怖劇といった趣があります。」と評しています。(「ウィキペディア」による)
俊英・森崎東監督が愛しく見つめる日本の女――。倍賞美津子が第9回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した話題の人間ドラマ。
【解説】 旅回りのヌード・ダンサー、原子力発電所を転々と渡り歩く“原発ジプシー”、娼婦、ヤクザ、そして悪徳刑事にダメ教師――これらのハミダシ人間たちによって巻き起こる面白くも哀しい人間ドラマが、次から次へとエネルギッシュな見せ場を生み出していく。 公開と同時に大反響を呼び、’85年度の邦画ベスト10上位に選出された話題の作品。倍賞美津子が主人公のダンサー役に体当たりし、第9回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ、各映画賞に輝いた。そのほか、原田芳雄、平田満、泉谷しげる、梅宮辰夫といった実力派が脇を固めて重厚な群像ドラマを紡ぎ出している。 監督は、映画「喜劇・女生きてます」「時代屋の女房」などを手掛けた俊英・森崎東。
【公開日】1985年5月公開 【コピーライト】(C)キノシタ映画
CAST
倍賞美津子、原田芳雄、平田満、泉谷しげる、梅宮辰夫、上原由恵
STAFF
監督:森崎東
脚本:近藤昭二、森崎東、大原清秀
スタッフ:製作:木下茂三郎 脚本:近藤昭二、森崎東、大原清秀 撮影:浜田毅 音楽:宇崎竜童 監督:森崎東
以下、KINENOTEによる
解説:
ドサ回りのストリッパーを中心に、不良中学生、原発ジプシー、娼婦などいわゆるはみだし人間たちの生き方を描く。脚本は「ロケーション」の近藤昭二と、同作の森崎東、大原清秀の共同執筆。監督は森崎東、撮影は「いつか誰かが殺される」の浜田毅がそれぞれ担当。
あらすじ:
旅回りのストリッパー、バーバラが名古屋に帰って来た。沖縄集落の中のタケ子が経営する飯み屋の二階が彼女の住居で、内縁の夫・宮里と親友のアイコが待っているはずだった。その日は、バーバラの弟の正とタケ子の娘、タマ枝、和男の不良中学生三人が修学旅行からはずされた腹イセに積立金強奪騒動を起こし、人質の野呂教諭が縛られ、物干し台に転がされていた。宮里は原発を転々と渡り歩く労働者・原発ジプシーでヤクザの仲間入りをしている。バーバラとは沖縄のコザ暴動以来の間柄で、彼女はそろそろ、二人で堅気の仕事に就いて結婚したがっていた。バーバラは宮里の顔を見るや、アイコのことを聞く。アイコは福井の美浜で原発労働者相手の娼婦をさせられていて、宮里の手引きで逃げて来たが、前日、美浜へ帰ってしまっていた。バーバラは、宮里がやくざに寝返ってアイコを帰したと思い込み、学校をクビになった野呂を鞄持ちとして再びドサ回りの旅に出た。そして、美浜に向かう。殺されたと思っていたアイコは元気だった。彼女は好きな男、安次を葬ったところであった。学校を追われた正たちも宮里と共に美浜に来ていた。事故で死んだという安次は、本当は原発で作業中に廃液漏れで被爆し、事故隠しの為にボート小屋に監禁されたのだった。アイコは一計を案じ、安次を死んだことにして埋葬するが、後日、やくざの目を盗んで安次を墓から掘り出し、バーバラと野呂を仲人に墓場で結婚式をあげる。二人は浜を急ぐが、海上の船から銃で撃たれてしまう。バーバラや正たちは、アイコと同じ境遇にあるフィリッピン女性のマリアにもやくざの魔の手が迫っているのを知り、マリアを連れて名古屋にもどる。そして、老船長の船でフィリピンまでマリアを連れて密航しようと考えた。マリアを追ってやって来たやくざの戸張は、宮里にアイコ殺しの代人として自首しろという。宮里は拒否し、戸張を銃で撃つが、暫く後、戸張の子分に撃たれてしまう。よろよろと外に出る宮里をやくざとつながっている鎧刑事が待っていた。そして、瀕死の宮里から銃をもぎ取ったバーバラが刑事めがけて発砲する。