佐藤正午原作、タカハタ秀太監督の「鳩の撃退法」を観てきました。
なんと驚くなかれ、朝日新聞(9月3日夕刊)の全国映画動員ランキング(8月28、29日)で、「鳩の撃退法」は初登場第5位にランクイン。ま、まさかの出来事です。上映館がTOHOシネマズですから、バックががっちりですけど…。
過去に、以下のように書きました。
佐藤正午の「鳩の撃退法(上・下)」(株式会社小学館:2014年11月18日初版第1刷発行)を読みました。もちろん、佐藤正午の作品はなるべく読むようにはしていますが、なんとなんと意表をついて、本の帯には角田光代と江國香織の推薦の言葉が書かれているのを、本屋で見つけました。
「この作者の新作を、ずっとじっと、ひたすら待っていました。待っていたその時間も、一瞬で読む快楽に代わりました。」角田光代
「ノックアウトされました。この妙味、このバランス! 巻擱(お)くを能(あた)わずとはまさにこのこと。おもしろかった―。」江國香織
本の帯には、「睡眠不足必死!著者5年ぶりとなる待望の長編小説」、「名作誕生!佐藤正午ぶっち切の最高到達点」ともあります。小学館、最大級の褒め言葉、これはなんとしても買って読まなくてはと、その場ですぐに購入したのが、昨年の11月終わり頃でした。買ったはいいがその後、なかなか読む時間が取れなくて、なんとかやっと読み終わった、というわけです。上巻476ページ、下巻477ページの分厚い本でしたが、まったく飽きさせずに、まさに「巻擱くを能わず」読むことができました。複雑も複雑、ジャンル分け不能の、しっちゃかめっちゃかの小説です。
ということは、映画もしっちゃかめっちゃか、というわけです。
映画と小説は別物、とはよく言われることですが、この映画、本当に分かりづらい。狂言回しの作家が出てきてかき回すので、ますます分かりづらい。
藤原竜也はあんなもんでしょうが、土屋太鳳、渾身の名演技で、まあ、素晴らしいとしておきましょう。
以下、KINENOTEによる。
解説:
直木賞作家・佐藤正午による同名小説を、藤原竜也主演で映画化。天才小説家の津田伸一は、とあるバーで編集者・鳥飼に執筆途中の新作を読ませる。彼の体験を元に書かれたその小説に鳥飼は心を躍らせるが、話を聞けば聞くほど小説の中だけの話とは思えなかった。共演は「哀愁しんでれら」の土屋太鳳、「エヴェレスト 神々の山嶺(いただき)」の風間俊介。監督は「ホテル ビーナス」のタカハタ秀太。
あらすじ:
直木賞作家の津田伸一(藤原竜也)は、とあるバーで担当編集者・鳥飼なほみ(土屋太鳳)に、執筆途中の新作小説を読ませていた……。富山の小さな街でドライバーとして、その日暮らしを続ける津田伸一は、かつては直木賞も受賞した小説家だった。1年前、津田はいきつけのコーヒーショップで偶然、幸地秀吉(風間俊介)と出会い、今度会ったらピーターパンの本を貸そう、と約束をして別れる。しかしその夜を境に、幸地秀吉は家族と共に突然姿を消してしまう。それから数か月後、津田の元に3000万円を超える現金が転がりこむ。ところが喜びも束の間、それは偽の一万円札であった。その偽札の動向には、裏社会のドン・倉田健次郎(豊川悦司)が目を光らせているという。彼は、1年前に家族3人が失踪した事件をはじめ、この街で起こる騒動に必ず関わっていた。そして、倉田はすでに偽札の行方と共に、津田の居場所を捜し始めていた……。津田の体験を元に書かれたというその新作に心を躍らせる鳥飼。だが話を聞けば聞くほど、どうにも小説の中だけの話とは思えない。そんななか、鳥飼は津田の話を頼りに小説が本当にフィクションかどうかを検証し始めるが、そこには驚愕の真実が待ち受けていた……。
映画『鳩の撃退法』×KIRINJI feat.Awich「爆ぜる心臓」【主題歌予告】8月27日(金)全国公開 - YouTube
過去の関連記事:
佐藤正午の「人参倶楽部」を読んだ!
「彼女について知ることのすべて」を観た!
佐藤正午の「彼女について知ることのすべて」を読んだ!
佐藤正午の「事の次第」を読んだ!
佐藤正午の「身の上話」を読んだ!
佐藤正午の「放蕩記」を読んだ!
佐藤正午の「ジャンプ」を読んだ!
佐藤正午の「ありのすさび」を読む!
佐藤正午の「5」を読んだ!
佐藤正午の「小説の読み書き」を読む!