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井上章一+磯田道史の「歴史のミカタ」を読んだ!

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井上章一+磯田道史の「歴史のミカタ」(祥伝社新書:2021年7月10日初版第1刷発行)を読みました。

 

いやはや、二人の博識には驚くほかない。15歳も歳は違うのだが、縦横無尽に丁丁発止と渡り合う様は、呆気にとられます。この二人が職場で上司・部下の関係にあるというからおもしろい。磯田道史は、以下のように言う。

 

井上章一は、今は私の勤務先(国際日本文化研究センター)の所長だから、所員の私にとって、ありていに言えば「上司」である。しかし、井上さんは上司への忖度はいっさい要らないほど、自由で、歴史の知的な旅の好きな人である。「歴史旅行家」と言うよりも、むしろ、歴史の危険な未踏域に踏み込む「歴史探検家」だと思っている。

 

この見方を知れば、歴史がもっともっと面白くなる。

歴史には二つの時間、「クロノス時間」と「カイロス時間」があります。――磯田

時代ごとに変わる英雄像を考える場合、典型的な人物が源頼朝です――井上

歴史を動かすもう一つの要因「恐怖」から織田信長・豊臣秀吉・徳川家康を読み解いてみましょう――磯田

歴史は繰り返すという思いにとらわれると、歴史のミカtに曇りが生じます――井上

歴史の大波は、そう簡単に避けられないことを史実は証明しています――磯田

日本史とヨーロッパ史は似ています。私たちは「森の民」ならではの歴史を歩んできました――井上

 

内容説明:

な時に動くのか、歴史は繰り返されるか、日本史の特徴は何か…など、歴史の本質に正面から迫る本格対談。職場で上司・部下の関係にある二人は膨大な知識と教養を持ちながらも、それに拘泥することなく、また狭いタコツボに逃げ込むことなく、縦横無尽にユーモアを交えて語り合う。いわく、歴史は物のミカタである。いわく、歴史は神話化する。詳細は本文に譲るが、今に活かす「教訓としての歴史」も、堅苦しさを除外した「楽しめる歴史」も本書にはある。付録として、二人がすすめる書籍を掲載。歴史のおもしろさを味わいながら、豊かなミカタが身につく。

 

目次

第1章 歴史が動く時

  (歴史はどのような時に動くのか;源頼朝が乗った波 ほか)
第2章 歴史は繰り返されるか

  (反復して起こること;予測可能なことと不可能なこと ほか)
第3章 歴史の表と裏

  (秀吉が書いた、浮気の誓約書;秀頼は秀吉の子どもではない!? ほか)
第4章 日本史の特徴

  (日本史とヨーロッパ史は似ている;土地へのこだわり ほか)
第5章 時代で変わる英雄像

  (秀吉は大河ドラマの主人公になれない!?;関東史観と関西史観 ほか)

 

井上章一:
国際日本文化研究センター所長。1955年京都市生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了。国際日本文化研究センター教授などを経て、現職。専門は建築史、意匠論。『つくられた桂離宮神話』でサントリー学芸賞、『南蛮幻想』で芸術選奨文部大臣賞を受賞

磯田道史:
国際日本文化研究センター教授。1970年岡山市生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了、博士(史学)。専門は日本近世史。『武士の家計簿』で新潮ドキュメント賞、『天災から日本史を読みなおす』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞

 

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(まだまだありますが、ブログに書いてません)

 

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