府中市美術館で「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」を観てきました。
府中市美術館で「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」概要篇
ここでは、2章の「名所を描く、名所を伝える」のうち、「2-1 川瀬巴水の新版画」を除いた「2-2 国立公園の絵画」と「2-3 観光グラフィック」を、以下に載せることにします。
2-2 国立公園の絵画
昭和6(1931)年「国立公園法」が制定され、昭和11(1937)年までの間
に12の地域が指定された。法制定に先立つ昭和4(1929)年には、維持
管理と啓発活動を行うことを目的として、国立公園協会が発足する。こ
の啓発活動の一環として、各候補地の景観を描いた絵画の制作が当
時の洋画壇を代表する画家に依頼された。昭和7(1932)年には描か
れた作品による展覧会が開催され、多くの人々の目に触れることとな
った。
2-3 観光グラフィック
大正から昭和初期、時間的・経済的な余裕を得始めていた都市生活
者の間では、交通機関の整備も後押しとなって、「旅行」が新たな娯楽
となっていった。新たな旅行先になったのが、日本八景や国立公園な
どである。旅行客を呼び込むために活用されたのが、景勝地を描いた
ポスターや鉄道絵図などである。一方、この時代には数多くの鉄道図
絵や鳥瞰による名所図会が描かれた。広範囲に渡る地域を、あたかも
飛行機に乗って眺めるように見渡したもので、そのわかりやすさは多く
の人の心を捉えた。
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「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」
展覧会の構成は、以下の通りです。
0章 歌川広重の<名所江戸百景>
1章 新たな視線、受け継がれる表現
1-1 開化絵
1-2 西洋画法と写真
1-3 小林清親の光線画
2章 名所を描く、名所を伝える
2-1 川瀬巴水の新版画
2-2 国立公園の絵画
2-3 観光グラフィック
3章 風景へのまなざし、画家たちのまなざし
3-1 富士と和田英作
3-2 民家と向井潤吉
「府中市美術館」ホームページ
東京都府中市ホームページ (city.fuchu.tokyo.jp)
「映えるNIPPON 江戸~明治 名所を描く」
展覧会図録
発行日:令和3(2021)年5月
発行:府中市美術館
朝日新聞:2021年6月22日
江戸の街の人気スポットを描いた歌川広重の浮世絵に、近代化した街を描いた明治期の開化絵。高橋由一に代表される写実性の高い西洋画法や、小林清親や川瀬巴水の風景版画。テレビもスマートフォンもない時代、名所の姿を広めたのはこうした絵画や版画、新たに登場した写真だった。幕末~昭和の風景画を集めた今展には、同じ場所を描いた複数の作品も登場するが、構図や昼夜の違いなどからは作家の個性が感じ取れる。
(町田市立国際版画館については省略)
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