鹿島茂の「成功する読書日記」(文芸春秋:2002年10月10日第1刷発行)を読みました。
アメーバブログに「日経新聞 上から読むか下から読むか」というブログがあります。僕はこの記事をお気に入りに入れて、いつも読んでいます。
2021年06月13日(日) の記事に、以下のようにあります。
もちろん20年も前の古本ですが、なんと427円(送料は別にして)、こんなに内容があって、こんなに安い本はめったにお目にかかれません。驚きました。
僕がこのに書いておこうと思ったのは、「引用」についてです。
長年ブログをやっていて、年々書くのが面倒になって、書店や識者の書いた文章の引用が多くなってきています。美術館や映画の批評も同様です。その方が僕が書いた下手な文章などよりもよほど分かり易く、僕自身も旨く文章が書けなくて、落ち込むこともなくなってきました。
さて、その「引用」についてです。我が意を得たり。少し長いですが引用を。
鹿島茂は「成功する読書日記」のなかで、「まずは引用」を書いています。
できるだけ簡略に書くと、早い段階で批評や感想を書くよりも、むしろ読んだ文章を引用することを勧めています。文章を書くのが苦手な人は、この習慣を身に付けるのが得策だと思う。本を読んでいて、感動した箇所、同感した部分、あるいは反発を感じたり、怒りを抱いた一節などを抜き書きにして、日記に記載するのです。なぜ、引用が大切か。その理由の一つは、その本についての情報として、引用に勝るものがないこと。百の批評よりも一の引用。引用をすればその作者の文体、癖、思想など、ほとんどのものがわかる。第二は、引用してみると、その作者の文章の上手い下手が露骨に分かります。書き写していくと、どこで作者が息継ぎをするのかが手に取るように感じられます。第三は、引用の習慣を続けていくと、その読書日記が、オリジナルな名句名文選(アンソロジー)になっていくことです。第四は、引用だと、批評や要約に比べて、ただ写せばいいだけなので、プレッシャーがかからないという利点がある。どこを引き写せばいいのか。読み終わって本を閉じ、一番記憶に残っている一節が良いでしょう。本筋とは関係なく、自分にとって妙に気にかかる一節、心に触れる箇所というのがあるはずです。そこを引用すればいいのです。
引用になれたら、次にチャレンジするのは、引用だけからなるレジュメ(要約)ですと、次の段階に入りますが、まだまだありますが、ここでは省略。
読書日記帳(巻末に付録としてついていたもの)
成功する読書日記
2002年10月10日第1刷発行
著者:鹿島茂
発行所:株式会社文藝春秋
目次を以下に、簡単に載せておきます。
目次
成功する読書日記・入門編(一部ですが)
「量」を軽んずるなかれ
まずは引用
レジュメに挑戦
批評という大それた行為
本選びのカン
飛ばし読みO読書日記
等々
成功する読書日記・実践編(一部ですが)
南の島で中島敦の「屈折」を読む
「恐怖の平等」とレズビアン・ネットワーク
オタクたちのビブルとしての「嘔吐」
「悪の技術」をマキャヴェッリに学べ
等々
読書について私が知っているいくつかの具体的方法1
――メガネを買おう
読書について私が知っているいくつかの具体的方法2
――照明を大切に
読書について私が知っているいくつかの具体的方法3
――椅子も大切だ
理想の書斎について――あとがきにかえて
付録 読書日記帳
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