コロナ禍により公開が1年も延びたというが、やっと公開になりました。久しぶりに映画らしい映画を観たという感じで、満足しています。もちろん細かいことを言えばきりがありませんが…。
「芸術表現の神髄とは自由と反骨にあり」
映画評論家のなかざわひでゆきは、以下のように言う。
寛政の改革や天保の改革によって、幕府による学問や芸術への締め付けが厳しくなった江戸時代中~後期の世相を背景に、権力からの抑圧に抗うがごとく一心不乱に筆を振るい続けた浮世絵師・葛飾北斎の生涯を描く。才能に恵まれながらも伸び悩んだ北斎が、身に付いた流派の既成概念を打ち破ることで初めて実力を開花させ、幕府の綱紀粛正も意に介さず心の赴くまま絵筆を握る姿は、表現の自由とは何たるかの象徴であり、きな臭ささの深まる現代日本社会への警鐘でもある。さらに言えば、時代考証や時代劇のスタイルにとらわれない映像表現を志向した本作自体が、北斎の反骨精神そのものを体現していると言えるかもしれない。
サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/
以下、シネマトゥデイによる。
見どころ:
「富嶽三十六景」などで知られる江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の謎多き生涯を、柳楽優弥と田中泯が演じた伝記ドラマ。貧乏絵師が北斎として江戸を席巻し、“画狂人生”をまい進する姿が描かれる。北斎の青年期を柳楽、老年期を田中が演じ、阿部寛、永山瑛太、玉木宏らが共演。メガホンを取るのは『相棒』シリーズや『探偵はBARにいる』シリーズなどの橋本一。
あらすじ:
町人文化全盛の江戸。後の葛飾北斎である貧乏絵師の勝川春朗(柳楽優弥)は、不作法な素行で師匠に破門されたが、喜多川歌麿や東洲斎写楽を世に送り出した版元の蔦屋重三郎(阿部寛)に才能を認められる。北斎は次々と革新的な絵を手掛け、江戸の人気絵師となるが、幕府の反感を買ってしまう。
「HOKUSAI」予告編