松濤美術館で「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる」を観てきました。副題には「リース・ミューズ7番地、アトリエからのドローイング、ドキュメント」とあります。
観に行ったのは、約1か月前、4月21日のことでした。
以下は、神奈川県立近代美術館葉山館での「ベーコン展」から引用します。
(ほぼ同一の展覧会であり、巡回展でもあるため)
神奈川県立近代美術館 葉山 2021 年1月9日(土)– 4月11日(日
フランシス・ベーコン:バリー・ジュール・コレクションによる | 神奈川県立近代美術館 (pref.kanagawa.jp)
企画概要
フランシス・ベーコン(1909-1992)はイギリスを拠点に活動し、唯一無比の具象画を確立してピカソと並び称される、20世紀を代表する画家です。アイルランドのダブリンに生まれ、独学で絵画を学んだのちに、ベラスケスやファン・ゴッホを参照しながら歪んだ身体や咆哮するかのような表情の人物画を描き、独特の三幅対シリーズなどで同時代の美術界に多大な影響を与えました。生前はもちろん死後も多くの展覧会が企画され、世界各地の美術館に作品が収蔵されています。
ベーコンが生前けっして世に出すことのなかった「秘密」 ―― 作らないとされていた素描、参照していたおびただしい印刷物と、そこに描かれた線や図像、そして、そのほとんどを破棄したと言われていた、シュルレアリスムに傾倒した若き日の絵画たち。本展では、死の直前までこの巨匠がひそかに手元に残した初期絵画作品や素描、資料など約130点を日本で初公開します。生前には明らかにされなかったそのインスピレーション源を紐解き、孤高の画家の真の姿に迫ります。
展覧会の見どころ
1. フランシス・ベーコンの貴重な初期作品を展示
初期のベーコン作品の多くは破棄されてしまったと考えられていました。本展では、この画家が20代のはじめにキュビスムやシュルレアリスムの影響を受けて描いた油彩画10点を展示します。
2. フランシス・ベーコンの制作過程を解き明かす作品を日本初公開
ベーコンは、「人」に絶えず関心を持ち続けました。雑誌や新聞上に掲載された著名人の肖像写真に色をつけたり、線を描いたりした作品など、完成された油彩画への展開を知ることができる貴重な資料を日本で初公開します。
バリー・ジュール・コレクションについて
バリー・ジュール氏は、1978年のベーコンとの出会いから画家が亡くなるまで親しく交流し、ベーコンがマドリッドで客死する10日前に、彼が手元に残していた作品や資料など約2,000点を譲り受けました。これらの貴重な「遺産」は、アイルランド国立近代美術館(ダブリン、2000年)やバービカン・センター(ロンドン、2001年)、ピカソ美術館(パリ、2005年)、中国の南京芸術学院美術館(南京、2013-2014年)そして昊美術館(温州、2016年)、イタリアのヴィラ・フィオレンティーノ(ソレント、2018年)などで展示されました。また、2004年にはテート・ギャラリーにそのうちの約1,200点が寄贈されています。
展覧会の構成は、以下の通りです。
・油彩画
・Xアルバム
・画家が生きた世紀の、あらゆる人々の姿
・人間という動物:その筋肉の運動について
・他のアーティストのイメージの複製を利・用する
・書籍等
*ここでは「その1」として、
・油彩画
・Xアルバム
・画家が生きた世紀の、あらゆる人々の姿
のみを載せます。
・油彩画
・Xアルバム
・画家が生きた世紀の、あらゆる人々の姿
以下、その2へ
・人間という動物:その筋肉の運動について
・他のアーティストのイメージの複製を利・用する
・書籍等
「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる」
20世紀を代表するイギリスの巨匠、フランシス・ベーコン(1909-1992)。アトリエの近所に住んでいた縁で、晩年その身の回りの仕事を頼まれていた隣人バリー・ジュール氏は、画家から死の直前に突然千点を超えるドキュメントを渡されていたと、死後4年経って公表しました。そこにはベーコンが描かないと語っていたドローイング、多くの写真や複製画に直接描きこまれたイメージなどが含まれていました。これら画家の生前にはその存在が確認されていなかった、ベーコン自身が創り上げたセルフ・イメージと相反するような資料の出現は話題となり、さまざまな意見が取り交わされてきました。本展では、このバリー・ジュール・コレクションの約130点を日本で初公開します。
「松涛美術館」ホームページ
「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる」
公式図録
発行日:2021年1月9日
編者:
高嶋雄一郎(神奈川県立近代美術館)
三本松倫代(神奈川県立近代美術館)
平泉千枝(神奈川県立近代美術館)
西美弥子(渋谷区立松濤美術館)
発行所:株式会社求龍堂
編集:清水恭子(求龍堂)
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