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Channel: とんとん・にっき
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福永武彦原作、大林信彦監督の「廃市」をDVDで観た!

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福永武彦原作、大林信彦監督の「廃市」を、TUTAYAで借りたDVDで観ました。TUTAYAをぶらぶらしていたら、「廃市」が目に留まりました。「廃市」はもちろん、原作も映画も以前から知ってはいましたが、大林監督が亡くなったこともあり、借りてみようと思いまったのでしょう。大林作品は、尾道三部作など尾道での作品がよく知られていますが、「廃市」は福岡県柳川市で撮影された地方色豊かな作品です。

 

ウィキペディアには、以下のようにあります。

1983年、大林のスタッフ全員が偶然二週間の夏休みが取れ、その期間を使い小さな16mmカメラを柳川に持ち込み、スタッフも小規模の編成で、 大林念願の福永作品を撮影した。撮影は1983年9月10日から9月21日までの12日間。設定は架空の街であるが、撮影は福岡県柳川市でオールロケ。原作の持つ私小説的な雰囲気を出すために16mmカメラで撮影した。大林は「憧れの福永さんの世界、きわめて純度の高い世界を描くには16mmこそが最良の媒体であると思います。35mmがあまりにも最大公約数的な商業主義の技法に定着し、8mmがすっかり同好会的オモチャとなった現在、ちょっと中途半端なサイズだと思われがちだった16mmがプロフェッショナルなエンターテイメントによく似合う、豊かで密やかで趣味的、参加性にも充分に応えられるメディアであるというわけです」などと話した。

 

2012年12月から2013年2月までニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された戦後の日本映画の特集「アートシアターギルドと日本のアンダーグラウンド映画 1960~1984 年」では、大林作品は「転校生」とともに「廃市」が上映されたというから、大林の初期の代表作なのでしょう。

 

それにしても主演の小林聡美、快活ではじけるような若さで素晴らしい。その姉役の根岸季衣も、役にぴったりで見事というほかありません。

 

新潮文庫の「廃市」の案内には、以下のようにあります。

誇り高い姉と、快活な妹。いま、この二人の女性の前に横たわっているのは、一人の青年の棺。美しい姉妹に愛されていながら、彼はなぜ死なねばならなかったのか……? 夏雲砕ける水郷に茜の蜻蛉の舞い立つとき、ひとの心をよぎる孤独と悔恨の影を、清冽な抒情に写した秀作「廃市」。

 

以下、KINENOTEによる

 

解説:
古びた運河の町のある旧家を舞台に、そこを訪れた青年の一夏の出来事を描く。かつて一度も映画になったことのない福永武彦原作の同名小説の映画化で、脚本は「女猫」の内藤誠と同作の桂千穂の共同執筆、監督は「時をかける少女(1983)」の大林宣彦、撮影も同作の阪本善尚がそれぞれ担当。

あらすじ:
江口は大学生の頃、卒論を書くために、一夏をある古びた運河の町で過ごした。そして、月日が流れ、その町が火事で焼けたことを知った彼は回想をはじめる。江口が親戚から紹介された宿泊先、貝原家を訪れると出迎えたのはまだ少女の面影を残す娘・安子だった。その夜、寝つかれぬまま彼は、波の音、櫓の音、そして女のすすり泣きを耳にする。次の日、江口は安子の祖母・志乃に紹介されるが、一緒に暮らしているはずの安子の姉・郁代は姿を見せない。ある日、貝原家から農業学校に通っている青年・三郎の漕ぐ舟で江口は安子と出かけた。町がすっかり気に入ったという彼に、「この町はもう死んでいるのよ」といつも快活な安子が、暗い微笑を浮かべるのだった。その帰り、江口は郁代の夫・直之を紹介された。安子の母の十三回忌が行なわれた。江口はその席で、直之からもこの町が死んでいるという言葉を聞く。その夜、彼は直之と安子がひっそりと話しているのを見た。次の日、母親の墓参りに出かけるという安子に付き合った江口は、その寺で郁代に出会う。安子の話だと、郁代が寺に移ってから直之も他に家を持ち、秀という女と暮らしているとのことだった。何故、郁代が家を出たのかは安子は話したがらない。水神様のお祭りの日、江口は直之からその理由を知った。郁代は直之が他の女を愛していると思って、自分から逃げて行ってしまった。直之は郁代を今でも愛しているという。そして八月の末、ある事件が起こった。直之が秀と心中をはかったのだ。通夜の席で、郁代は直之が愛していたのは安子だったことを知る。二人を幸福にしてやりたいから、尼寺に入るつもりで寺に入ったと告げる。しかし、安子は兄さんは姉さんを愛していたというのだった。郁代は「あんたが好いとったのは誰やった?」と泣きくずれる。夏も終わりに近づき、卒論を仕上げた江口は、安子と三郎に見送られて列車に乗り込んだ。別れ際、三郎の言葉で江口は安子を愛していたことに気づくが、今ではもうおそかった。そして彼は町が崩れていく音を聴いたように思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「廃市」予告編

大林宣彦監督 追悼「廃市」 予告篇 - YouTube


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