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東京国立近代美術館で「あやしい絵展」を観た!その1

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「あやしい絵展」チラシ2種

 

「東京国立近代美術館」案内板

 

東京国立近代美術館で「あやしい絵展」を観てきました。観に行ったのは、3月31日のことでした。

 

なかなか盛りだくさんで、たくさんの人で賑わっていました。作品数が多いので、ブログには「その1」と「その2」に分けて掲載します。

 

東京国立近代美術館主任研究員の中村麗子は、以下のように言います。

3年以上前から温めていた企画。もともと観ていてぎょっとする絵とか、何だろうと不可思議に思える絵がすごく興味があって、自分の感性に訴える、ぐいぐい来るのが甲斐庄楠音という日本画家の作品、その人の作品を紹介したいというところから、この企画が立ち上がった。

(「ぶらぶら美術・博物館」4月6日(火)、BS日テレ)

 

「会場案内版」
画像は甲斐庄楠音「横櫛」

 

展覧会の見どころは、以下の通りです。
1.一度見たら忘れられない名画たち
日本近代の美術における美しさの「陰画(ネガ)」をご紹介。上村松園の《焰》や《花がたみ》、鏑木清方《妖魚》等、「あやしい」魅力にあふれた作品が勢揃いします。
2.ディープな「あやしい」作品が盛りだくさん
甲斐庄楠音《横櫛》、橘小夢《安珍と清姫》、秦テルヲ《血の池》等、脳裏に焼きつくほど美しく強烈な「あやしさ」をそなえた作品が多数出品されます。
3.私たちを捉えて離さない「あやしい」物語
安珍・清姫伝説、「高野聖」等の物語はさまざまな作家を魅了し作品に展開されました。非現実であったり「あやしい」女性が登場したりする物語は、明治、大正期のみならず今の私達にも魅力的に映ることでしょう。
4.西洋美術も!
アルフォンス・ミュシャ、ダンテ・ガブリエル・ロセッティ、オーブリー・ビアズリー、エドワード・バーン=ジョーンズ等、日本の画家達に影響を与えた西洋美術の作品もあわせて紹介します。

 

「会場風景」

 

展覧会の構成は、以下の通りです。

1章 プロローグ

   激動の時代を生き抜くためのパワーをもとめて(幕末~明治)

2章 花開く個性と渦巻く欲望のあらわれ(明治~大正)

   2章-1 愛そして苦悩―心の内をうたう

   2章-2 神話への憧れ

   2章-3 異界との境で 

   2章-4 表面的な「美」への抵抗

   2章-5 一途と狂気

3章 エピローグ

   社会は変われども、人の心は変わらず(大正末~昭和)

 

 

1章 プロローグ

   激動の時代を生き抜くためのパワーをもとめて(幕末~明治)

安本亀八「白瀧姫」
明治28(1895)年頃

 

曽我蕭白「美人図」
江戸時代(18世紀)

 

歌川国芳「源頼光公舘土蜘蛛作妖怪図」天保14(1843)年頃

 

左:月岡芳年「魁題百撰相 鈴木孫市」
慶応4~明治2(1868-69)年
右:月岡芳年「魁題百撰相 鳥井彦右ェ門元忠」
慶応4~明治2(1868-69)年

 

河鍋暁斎「地獄極楽図」明治時代(19世紀)

 

2章 花開く個性と渦巻く欲望のあらわれ(明治~大正)

   2章-1 愛そして苦悩―心の内をうたう

藤島武二「婦人と朝顔」
明治37(1904)年

 

ダンテ・ガブリエル・ロセッティ
「マドンナ・ピエトラ」1874年

 

アルフォンス・ミュシャ
「ジョブ(1898)ポスター」1898年

 

   2章-2 神話への憧れ

青木繁「大穴牟和命」明治38(1905)年

 

左:青木繁「日本武尊」明治39(1906)年
右:青木繁「『わだつみのいろこの宮』下絵」
明治40(1907)年

 

   2章-3 異界との境で

左::月岡芳年「和漢百物語 清姫」慶応元(1865)年
右:月岡芳年「新形三十六怪撰
清姫日高川lに蛇体と成る図」明治23(1890)年

 

村上華岳、重要文化財
「日高河清姫図」大正8(1919)年

 

木村斯光「清姫」大正末期

 

鏑木清方、安田靫彦
「高野聖、想夫憐の絵看板」明治37(1904)年
左:安田靫彦「想夫憐」 右:鏑木清方「高野聖」

 

鏑木清方「妖魚」大正9(1920)年

 

橘小夢「水夢」昭和7(1932)年

 

橘小夢「刺青」
大正12(1923)年/昭和9(1934)年

 

退廃的、妖艶、神秘的、

あるいはグロテスク、エロチック・・・。

一度見ただけなのに忘れられない、そんな絵に出会ったことはありますか?この展覧会ではこうした美しいという言葉だけでは決して表すことができない作品を「あやしい絵」とし、幕末から昭和初期に作られた絵画、版画、雑誌や書籍の挿絵から「あやしい」表現を取り上げます。

「あやしい絵」が生み出されたのには理由があります。例えば作品の美しくも退廃的な雰囲気は西洋の世紀末芸術から、生々しく迫真的な表現は西洋画の写実的な技法からの影響によるものです。

また古くから伝わる説話や浮世絵を着想源としつつ、自由に空想を膨らませて表したり人物の心情をより繊細に描き出したりすることは、個性や内面の表現を重視する当 時の風潮を反映しています。

どれも近代という新時代を背景に成立しているのです。作品を見ぐ側も、社会の構造が矢継ぎ早に変わる激動の時代を生きる中、日々抱える不安やストレスを解消すべく刺激を求めました。「あやしい」表現は新聞や新聞や雑誌の挿絵などを通じて彼らの欲求に応えました。展覧会ではこうした「あやしい絵」の成り立ちも紹介します。

 

東京国立近代美術館ホームページ

東京国立近代美術館 (momat.go.jp)

 

「あやしい絵展」

展覧会図録

2021年3月23日初版第1刷発行

発行:毎日新聞社

 

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朝日新聞:2021年4月6日


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