テレビで放映された園子温監督の「気球クラブ、その後」を、録画しておいたものを観ることができました。端的にいえばイマドキの青春映画、五年ぶりに再会したサークルのメンバーたちが、それぞれの青春を振り返りつつ現在の自分を見つめ直すほろ苦い青春ドラマです。やたら「ケイタイ」が出てくるのもイマドキです。なにしろ会を解散するときに、電話番号とメルアドをけしてください、というのですから。時代は過ぎて、今はスマートホンですが。やたらとカットバックが挟み込まれて、逆にそれが新鮮だったりして・・・。
「いいよね青春ってめんどくさくて」と絶交した女の子が声をかけてくる。「別れたよ」「なんで?」「だるいよ 男なんて」「男子より ダンス!」と踊りだすドコモのCMがありました。
全篇を通して映画の中でみんなで合唱するのが、荒井由美の「翳りゆく部屋」です。ユーミンの歌はキーが低くて低音なので、比較的男でも歌いやすい。僕はエレファントカシマシのバージョンで、ユーチューブで何回も聞き直しました。
翳りゆく部屋
作詞:荒井由美 作曲:荒井由美
窓辺に置いた椅子にもたれ
なげやりな別れの気配を
横顔に漂わせ
二人の言葉はあてもなく
過ぎた日々をさまよう
ふりむけばドアの隙間から
宵闇がしのび込む
どんな運命が愛を遠ざけたの
輝きはもどらない
わたしが今死んでも
ランプを灯せば街は沈み
窓には部屋が映る
冷たい壁に耳をあてて
靴音を追いかけた
どんな運命が愛を遠ざけたの
輝きはもどらない
わたしが今死んでも
どんな運命が愛を遠ざけたの
輝きはもどらない
わたしが今死んでも
会の名前がいい、「気球クラブ、うわの空」。気球クラブの代表だった村上、その恋人だった美津子役の永作博美が、色っぽい、というか、小悪魔ですよね。こんな女の人にちょっといい顔されると、男はついつい・・・、ですよね。ラスト、ずっと待っているけどなかなか気球が降りてこない。降りてきたらすぐに連絡して欲しいの、と、美津子は涙を流しながらみどりに言う。
あらすじ
サークル“気球クラブ・うわの空”には、本当に気球が好きな人、寂しさを紛らわしたい人、恋愛や友情を求める人など、さまざまな想いを抱いた若者たちが集っていた。5年後、ガールフレンドのみどり(川村ゆきえ)と微妙な関係を続けている二郎(深水元基)のもとに、かつての仲間から1本の電話が入る。サークルのリーダーだった村上(長谷川朝晴)が、突然の事故で亡くなったという。このことをきっかけにバラバラになっていたメンバーは再び集まり、村上を偲んで大宴会が行われることになった。これが最後の、一夜限りのバカ騒ぎだということに、彼らは気付いていた。二郎はそこで、村上の恋人だった美津子(永作博美)と再会する。そして美津子の村上への深い想いを知るのだった。
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