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「本でも読んでみっか」、2012年上半期(1月~6月)のまとめ

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「本でも読んでみっか」、2012年上半期(1月~6月)のまとめ


ここ数週間、アクセス解析を見ると、とんでもなく多くの人が訪れている記事があり、驚いています。過去の記事ですが、いわゆる「炎上」というヤツです。「ネタバレ」ウンヌンで議論になってもいるようです。映画の公開にあわせて見に来ているのでしょう。

吉田修一の「さよなら渓谷」を読む!

昨年、世田谷文学館で「知の巨匠加藤周一ウィーク」という連続講演会に参加しました。その関連で海老坂武の「加藤周一―20世紀を問う」 や、清水徹の「ヴァレリー・知性と感性の相剋」 を読みましたが、大江健三郎が「月に一章ずつ読めばいい」と薦めてくれた、加藤周一の「日本文学史序説 上・下」(ちくま学芸文庫)は、今年前半では読むことができませんでした。


今年も同じく、世田谷文学館で「書物の達人 丸谷才一」という連続講演会に参加しました。丸谷才一の本も本棚にたくさんありますが、読み直したくなる本ばかりです。講演会ですが文学にかかわるものなので、「本でも読んでみっか」に入れました。連続5回の講演会ですが、6月末までに4回をブログにアップしました。


知人の山岡さんの「地図をつくった男たち」が刊行され、朝日新聞の書評に取り上げられました。また、以前付き合いのあった延藤安弘先生の「まち再生の術語集」が、満を持して刊行されました。


以前から追っかけていた劇作家でもある本谷有希子の新境地を示す「自分を好きになる方法」を読み、また第7回大江健三郎賞を受賞した「嵐をピクニック」を読み、講談社の本社で開催された 「第7回大江健三郎賞・公開対談」にも参加することができました。大江賞は賞金はなく、受賞作品を翻訳して海外に紹介するというものです。


海外もの、翻訳ものは、思っていた以上に少なかった。イーユン・リーの「黄金の少年、エメラルドの少女」と、ベルンハルト・シュリンクの「夏の嘘」 、その2冊を読んだだけでしたが、共になかなか難しい作品でした。


難波和彦の「新しい住宅の世界」は、NHKBSの放映している放送大学のテキストにあたるものです。現在も放映していますが、毎週楽しみに見ています。全15回の番組が終了したら、何らかの記事を書きたいと思っています。


毎年この欄に書いていますが、相変わらず次々とアマゾンで本を注文、購入し、読み切れなくて、どんどん本が溜まっていきます。この連鎖を何とか断ち切らないと、大変なことになりそうです。


2013年

1月
芳澤勝弘著「白隠―禅画の世界」を読んだ!
読んだ本が映画化やドラマ化された!
芥川賞・直木賞を受賞するのは誰か?
第148回芥川賞・直木賞決定!
「本でも読んでみっか」、2012年(1月~12月)のまとめ!
イーユン・リーの「黄金の少年、エメラルドの少女」を読んだ!


2月
李妍焱の「中国の市民社会―動き出す草の根NGO」を読んだ!
「地図をつくった男たち」の書評が朝日新聞に載った!
鈴木博之の「都市へ」を読んだ!
辛島昇・著、大村次郷・写真「インド・カレー紀行」を読んだ!


3月
興梠一郎の「中国 目覚めた民衆」を読んだ!
延藤安弘の「まち再生の術語集」を読んだ!


4月
山岡光治の「地図をつくった男たち 明治の地図の物語」を読んだ!
難波和彦の「新しい住宅の世界」が届いた!
本谷有希子の「嵐をピクニック」を読んだ!
本谷有希子の「自分を好きになる方法」を読んだ!
須飼秀和・画「私だけのふるさと 作家たちの原風景」を読んだ!


5月
村井康彦の「出雲と大和―古代国家の原像をたずねて」を読んだ!
池上英洋編著「レオナルド・ダ・ヴィンチ」を読んだ!
酒井忠康の「覚書 幕末・明治の美術」を読んだ!
「第7回大江健三郎賞・公開対談」を聞く!
宮下規久朗の「欲望の美術史」を読んだ!
川上弘美の「なめらかで熱くて甘苦しくて」を読んだ!
江國香織の「ちょうちんそで」を読んだ!
芥川龍之介の「南京の基督」を読んだ!
小島剛一の「漂流するトルコ 続『トルコのもう一つの顔』」を読んだ!


6月
海老坂武の「加藤周一―20世紀を問う」を読んだ!
「マウリッツハウスにて フェルメール」を読んだ!
ベルンハルト・シュリンクの「夏の嘘」を読んだ!
連続講座「書物の達人―丸谷才一」、川本三郎「昭和史のなかの丸谷才一」!
連続講座「書物の達人 丸谷才一」、菅野昭正の丸谷才一論!
清水徹の「ヴァレリー・知性と感性の相剋」を読んだ!
吉田修一の「愛に乱暴」を読んだ!
連続講座「書物の達人―丸谷才一」、岡野弘彦「快談・俳諧・花柳」!
連続講座「書物の達人―丸谷才一」、鹿島茂「官僚的なものへの寛容な知識人」!



「ゲージュツ見てある記」、2012年上半期(1月~6月)のまとめ

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「ゲージュツ見てある記」、2012年上半期(1月~6月)のまとめ


今年の前半期は、建築関連の展覧会でよかったものが目立ちました。「坂茂―建築の考え方と作り方」、「中村好文展 小屋のおいでよ!」 、「坂本一成 住宅めぐり」は、それぞれの個性と建築感が出ていて、よかったと思いました。建築家ではないですが、建築写真家二川幸夫の「日本の民家一九五五年」 も、展示方法からして斬新でよかったと思います。また、直接建築ではないのですが、「空想の建築―ピラネージから野又穫―展」も、建築関連の展覧会のなかでは外すことができません。


今年前半期の展覧会でよかったと思われるものは、「クリムト」、「エル・グレコ」、「ルーベンス」、「フランシス・ベーコン」、「アントニオ・ロペス」、「オディロン・ルドン」と、名前を挙げれば次々と出てきます。「エル・グレコ」と「ルーベンス」は評価が定まっていますが、これだけ纏まって観られたのは嬉しいことです。そして、「フランシス・ベーコン」が、NHK日曜美術館のなかで大江健三郎も評価していたことだし、じっくり作品を観て観ると、なかなか一番ミステリアスな画家で、大いに興味が持てました。


日本画関連では、山種美術館や出光美術館、そして府中市美術館や板橋美術館など、いわゆる「江戸絵画」に着目した展覧会を続けていて、大いに勉強になりました。東日本大震災の被災地である仙台の他、岩手、福島を巡回するプライスコレクションの「若冲が来てくれました」は、企画も内容も素晴らしい展覧会でした。おりしも板橋区立美術館の安村敏信による「江戸絵画の非常識 近世絵画の定説をくつがえす」(敬文舎:2013年3月23日第1版第1刷発行)が刊行され、江戸絵画史の常識に一石を投じました。



2013年

1月
東京国立博物館「博物館に初もうで」(その1)
東京国立博物館「博物館に初もうで」(その2)
行ってきました「ブロガーナイト 白隠の魅力に開眼せよ!!」!
日本橋三越本店で「生誕90周年記念 山下清展」を観た!
三井記念美術館で「ゆくとし くるとし―茶道具と円山派の絵画―」展を観た!
東京国立近代美術館で「美術にぶるっ!」を(再び)観た!
世田谷美術館で「生誕100年 松本竣介展」(後期)を観た!
ニューオータニ美術館で「新春展」を観た!
「ゲージュツ見てある記」、2012年(1月~12月)のまとめ
東京駅復元工事完成記念展「始発電車を待ちながら」を観た!
愛知県美術館で「クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」を観た!
京都・細見美術館で「江戸絵画の至宝 琳派と若冲」を観た!
山梨県立美術館で「ミレー館(常設展)」を観た!
山梨県立美術館の屋外彫刻を観た!
トレドで観たエル・グレコ!

2月
大倉集古館で「画の東西~近世近代絵画による美の競演・西から東から~」を観た!
泉屋博古館で「吉祥のかたち」を観た!
京都国立博物館で「国宝十二天像と密教法会の世界」を観た!
出光美術館で「オリエントの美術」を観た!
茶道史料館で「新春展大松コレクション名品選 近代絵画と茶道具」を観た!
樂美術館で「樂歴代 春節会」を観た!
清水三年坂美術館で「鍛鉄の美 鐙、鐔、自在置物」を観た!
静嘉堂文庫美術館で「曜変・油滴天目 茶道具名品展」を観た!
TOTOギャラリー間で「第13回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展日本館帰国展」を観た!
戸栗美術館で「鍋島焼展~孤高の鍋島藩窯~」を観た!
ニューオータニ美術館で「大谷コレクション展」を観た!
たばこと塩の博物館で「館蔵浮世絵に見る さくらいろいろ」を観た!
山種美術館で「琳派から日本画へ―和歌のこころ・絵のこころ―」(前期)を観た!


3月
三井記念美術館で「三井家のおひなさま」を観た!
パナソニック汐留ミュージアムで「日本の民家一九五五年」を観た!
東京国立博物館で「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」を観た!
畠山記念館で「春を祝う―仁清・乾山・光琳―」を観た!
仙台市博物館で「若冲が来てくれました」を観た!
茨城県近代美術館で「二年後。自然と芸術、そしてレクイエム」を観た!
水戸芸術館で「坂茂―建築の考え方と作り方」を観た!
東京都美術館で「エル・グレコ展」を観た!
東京国立博物館で「総合文化展(常設展)」を観た!
松岡美術館で「花・鳥―しあわせの予感 うつわにめでられた花と鳥たち」を観た!
松岡美術館で「花・鳥 しあわせの予感、額装の花鳥画」を観た!
ザ・ミュージアムで「ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」を観た!


4月
新宿区立新宿歴史博物館で「中村彝展 下落合の画室」を観た!
たばこと塩の博物館で「煙に寄せたメッセージ」を観た!
府中市美術館で「かわいい江戸絵画」(前期)を観た!
府中市美術館で「常設展 明治・大正・昭和の洋画 春」を観た!
三菱一号館美術館で「奇跡のクラーク・コレクション」を観た!
泉屋博古館分館で「住友グループ秘蔵名画展―花―」を観た!
町田市立国際版画美術館で「空想の建築―ピラネージから野又穫―展」を観た!
東京藝術大学大学美術館で「藝大コレクション展―春の名品選」を観た!
大倉集古館で「大倉コレクションの精華Ⅰ―中世・近世の絵画―」を観た!
府中市美術館で「かわいい江戸絵画」(後期)を観た!
府中市美術館で「山紫水明の彩墨画家 宮本和郎展」を観た!
ニューオータニ美術館で「ジャパン・ビューティー 描かれた日本美人」を観た!
練馬区立美術館で「牧野邦夫―写実の神髄―展」を観た!

5月
山種美術館で「百花繚乱―花言葉・花図鑑―」(前期)を観た!
国立西洋美術館で「ラファエロ」展を観た!
ブリヂストン美術館で「日本人が描くParis 、パリ、巴里―1900-1945」を観た!
聖徳記念絵画館で「展示壁画」を観た!
TOTOギャラリー・間で「中村好文展 小屋のおいでよ!」を観た!
美術の春「国展87th」を観た!
ニューオータニ美術館で「ジャパン・ビューティー 描かれた日本美人」(後期)を観た!
出光美術館で「源氏絵と伊勢絵―描かれた恋物語」を観た!
東京国立近代美術館で「フランシス・ベーコン展」を観た!
山種美術館で「百花繚乱―花言葉・花図鑑―」(後期)を観た!
八王子夢美術館で「坂本一成 住宅めぐり」を観た!
NHK日曜美術館「恐ろしいのに美しい フランシス・ベーコン」

6月
パナソニック汐留ミュージアム「幸之助と伝統工芸」内覧会に行ってきました!
東京藝術大学大学美術館「夏目漱石の美術世界展」内覧会へ行った!
国立新美術館で「第69回 現展」を観た!
Bunkamuraザ・ミュージアムで「アントニオ・ロペス展」を観た!
三井記念美術館で「河鍋暁斎の能・狂言画」を観た!
損保ジャパン東郷青児美術館で「オディロン・ルドン―夢の起源―」を観た!
ポーラミュージアムアネックスでミヤケマイ「白粉花」を観た!
五島美術館で「近代の日本画展」を観た!
ジャン=ミシェル・オトニエルの「Kin no Kokoro」!
山種美術館で「川合玉堂―日本のふるさと・日本のこころ―」を観た!
河野元昭講演「川合玉堂―伝統と創造―」を聞く!
国立新美術館で「貴婦人と一角獣展」を観た!

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Googleリーダー7月1日終了前に、登録済みフィードの簡単インポートをご紹介!

「古渡章展―空にあそぶ―」を観た!

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朝日新聞の片隅の記事、その大きさはたった5.5cm×5.5cmの小さな記事でした。「古渡章(こわたりあきら)」という名前は、そうそうあるものではありません。僕が中学校の頃の同級生の名前です。目を疑いました。略歴をみると同じ年齢です。とはいえ僕は早生まれなので1年下ですが、これはまず間違いありません。目白まで行ってみるしかありません。というわけで行ってきました、目白の「ギャラリーFUURO」へ。50数年ぶりの突然の再会です。僕が「中学の・・・」と言いかけると、古渡は僕の顔を見るなり「**?」とすぐに分かったようでした。もちろん、髪の毛は白髪で、芸術家らしい口髭も白く、年輪を重ねた顔つきでした。アルバムを見直してみると、中学3年の時は別のクラスだったので、1年か2年のときに同じクラスだったようです。こんなことってあるんですね、驚きました。


古渡の略歴をみると、中国大同省生まれ、とあります。これについては僕は知りませんでした。実は僕も、最近ではあまり聞かなくなりましたが、いわゆる引き揚げ者、僕は北京からでした。古渡は北京より奥地に入ったところだったので、引き揚げるときは大変だったとか。もちろんそれは彼が親から聞いた話ですが。僕は逆に敗戦後、親の職業上、中国への引き渡しのために1年ぐらいは優遇されていたようでした。親が手を離したら、今ごろは中国残留孤児だったよと、二人は顔を見合わせて笑いました。古渡の家に遊びに行ったことを思い出しました。鉄筋コンクリート3階建て?のアパートでした。当時、そのような洒落たアパートに住んでいる友達は彼だけでした。


古渡章の作品は、町田市立国際版画美術館で開催された「空想の建築―ピラネージから野又穫―展」に出されたコイズミアヤや野又穫の作品と、観た印象が重なります。おおよそ20cm角の立体を加工した木質素材のオブジェです。スケールを度外視すれば、かつてバーナード・チュミが、敷地全体を120m間隔のグリッドの交点上に「フォーリー」を配した「ラ・ヴィレット公園」を思い起こしました。


古渡は、多摩美のインテリアデザイン科の出身、一時は建築を志した、と語っていました。高校時代の先生が、彼の進路を決めたと語っていました。古渡の今回の作品は、「用」や「機能」、そして「スケール」は度外視していますが、まさに建築そのものです。大阪花博の時に、花博会場に点々とつくられた「フォーリー」を辿って歩くという方式がとられましたが、その「フォーリー」に古渡の作品のようなものが数多くありました。野又穫の作品も建築的ですが、それに負けず劣らず、古渡章の作品も建築的です。それはたぶんその作品から「空間」が感じられるからではないでしょうか。


古渡章展―空にあそぶ―


7/4-14(7/10休)
会場:fuuro(目白) 12:00-19:00 (最終日17:00まで)
〒171-0031 東京都豊島区目白 3-13-5 tel 03-3950-0775


ギャラリーの空間から受けたインスピレーションを元に制作した新作オブジェ約20点を展示する。木質素材を使用し、「心象風景」をテーマに制作した。一点一点は約20センチと小品ながら、空間で放つ独特の浮遊感が魅力だという


古渡章:略歴
1945年 中国大同省生まれ
1967年 多摩美術大学インテリアデザイン科卒業
<主なグループ展>
1987年 栃木県立美術館 『彫刻動物園』
1987年 目黒区美術館 『素材との触れあい〈木〉』
1991年 水戸芸術館 『箱の世界展』
1996年 北海道立旭川美術館 『木の造形 旭川大賞展』
<パブリック・コレクション>
目黒区美術館、北海道立旭川美術館


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江戸東京博物館で「ファインバーグ・コレクション展 江戸絵画の奇跡」を観た!

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会期終了が間近に迫るなか、江戸東京博物館で「ファインバーグ・コレクション展 江戸絵画の奇跡」を観てきました。「ファインバーグ・コレクション」とは、日本美術蒐集家のファインバーグ夫妻のコレクションを指します。夫妻は、1970年代にニューヨークのメトロポリタン美術館で初めて日本美術に触れ、その後、40年以上にわたって日本美術の研究と蒐集を続けられています。


そのコレクションの中核は、江戸時代の絵画です。コレクションの特徴は、狩野派や土佐派など官画派の保守的な作品がほとんど含まれず、江戸時代の民間画派の、自由で活気に満ちた肉筆画の作品が中心となっていることです。今回の展覧会、その精華である江戸絵画を、「琳派」「文人画」「円山四条派」「奇想派」「浮世絵」の5つのジャンルに分けて展示してあります。このジャンル分けが、たいへん分かり易い構成になっています。


鈴木基一の「群鶴図屏風」は、尾形光琳の作を源泉とする、金地に意匠化した川と鶴の群れを描いた屏風です。師の抱一が亡くなる前後の20代後半から30代前半の意欲作です。谷文晁の「秋夜名月図」、横幅が170cm近い大画面に、円い大きな月が浮かび、右下方から葦が伸び上がっています。すべて水墨で描かれています。「文晁圖書」と刻した巨大な印章が目を引きます。円山応挙の「孔雀牡丹図」、大きな尾を上へ振り上げて後を振り返る一羽の孔雀が描かれています。鮮やかな孔雀の羽と孔雀を取り囲むような大輪の花を咲かせる牡丹、薄青く着色された太湖石によって、装飾的な画面になっています。


森狙仙の「滝に松樹遊猿図」、左幅では画面左下から立ち上がる大きな松の枝先で五頭の猿がさまざまな姿態を見せています。右幅には左幅から伸びる松枝の一部と、背後にうっすらと滝が見えるのみで、猿は一頭も描かれていません。曾我簫白の「宇治川合戦図屏風」、平家物語の一節で、宇治川の先陣争いを描いた作品です。長沢蘆雪の「拾得・一笑・布袋図」、中央に竹と三匹の仔犬、右に布袋、左に拾得が描かれています。中幅の犬に竹が描かれた巣は、「竹」と「犬」の自を組み合わせると「笑」という字になるので、「一笑図」とも呼ばれているという。


展覧会の構成は、以下の通りです。


Ⅰ 日本美のふるさと 琳派

Ⅱ 中国文化へのあこがれ 文人画

Ⅲ 写生と装飾の融合 円山四条派

Ⅳ 大胆な発想と型破りな造形 奇想派

Ⅴ 都市生活の美化、理想化 浮世絵



Ⅰ 日本美のふるさと 琳派




Ⅱ 中国文化へのあこがれ 文人画



Ⅲ 写生と装飾の融合 円山四条派




Ⅳ 大胆な発想と型破りな造形 奇想派




Ⅴ 都市生活の美化、理想化 浮世絵



「ファインバーグ・コレクション展 江戸絵画の奇跡」

米国メリーランド州にあるファインバーグ・コレクションは、米国屈指の日本美術コレクターであるファインバーグ夫妻が一代で蒐集した、江戸絵画を中心とする日本美術のコレクションです。このコレクションの特徴は、狩野派や土佐派など官画派の保守的な作品がほとんど含まれず、江戸時代の民間画派の、自由で活気に満ちた肉筆画の作品が中心となっていることです。尾形光琳、酒井抱一らの琳派、池大雅、与謝蕪村、谷文晁らの文人画、円山応挙、呉春らの円山四条派、伊藤若冲、曽我蕭白らの奇想派、そして菱川師宣、葛飾北斎らの浮世絵など、内容は実に多彩です。また、いずれの作品も質が高く、全体として上品な雰囲気を持っていることも大きな特徴です。本展では、このようなファインバーグ・コレクションを、日本で初めてまとまった形で紹介いたします。コレクションから選び抜かれた優品約90件を通じて、百花繚乱の江戸絵画の世界をお楽しみ下さい。


「江戸東京博物館」ホームページ


とんとん・にっき-edo1 ファインバーグ・コレクション展 

江戸絵画の奇跡

図録

編集:

江戸東京博物館

MIHO MUSEUM

鳥取県立博物館

読売新聞東京本社

発行:

読売新聞社






過去の関連記事:

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鈴木博之の「庭師 小川治兵衞とその時代」を読んだ!

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鈴木博之の「庭師 小川治兵衞とその時代」(東京大学出版会:2013年5月31日初版)を読みました。鈴木の著作は、最近「都市へ」を読みブログにアップしましたが、その他はほとんどブログに書いていません。というか、最近はまったく鈴木の著作は読んでいなかったことに気がつきました。


もちろん、初期の傑作である「建築の世紀末」(晶文社:1977年5月30日初版)や、「建築の七つの力」(鹿島出版会:昭和59年10月30日)、「夢のすむ家」(平凡社:1989年8月10日初版第1刷)、「建築家たちのヴィクトリア朝―ゴシック復興の世紀―」(平凡社:1991年11月20日初版第1刷)、「東京の地霊」(文藝春秋:1990年5月30日第1刷)等々、まだまだありますが、読んではいますが、ずいぶん前の話です。そういえば、東京大学退職を記念した「近代建築論講義」(東京大学出版会:2009年10月22日初版)は、多くの執筆者の協力により出版されたもので、興味の赴くままに拾い読みしていますが・・・。


著者紹介:鈴木博之
1945年、東京都生まれ。1974年、東京大学工学系大学院博士課程修了。工学博士。ロンドン大学コートゥールド美術史研究所留学。東京大学工学部専任講師を経て、1990年より東京大学大学院工学系研究科教授。2009年4月より青山学院大学総合文化政策学部教授。2010年4月より博物館明治村館長併任。

主著:「東京の『地霊』」(文藝春秋、1990年、サントリー学芸賞)。「ヴィクトリアン・ゴシックの崩壊」(中央公論美術出版、1996年、日本建築学会賞)。「都市へ」(中央公論新社、1999年、建築史学会賞)。「都市のかなしみ」(中央公論新社、2003年)。「建築の遺伝子」(王国社、2007年)ほか多数。

「庭師 小川治兵衞とその時代」というタイトルから本の内容を想像すると、まったくのところ肩すかしを食わされます。建築史家の鈴木がどうして「庭師」の話を書くのか、疑問に思っていました。そういえば、ずいぶん昔のことですが、有楽町マリオンができた頃、20年前ぐらいだったと思いますが、その上にある朝日ホールで庭園に関しての鈴木の講演を聞きに行ったことを思い出しました。たぶん、西洋と日本の庭園の違いの話だったように思いますが・・・。鈴木がしきりに「おにわ」と言っていたことが、妙に印象に残っています。


鈴木博之の「都市へ」を読んだときに、以下のように書きました。

「面白かったのは、というか、よく知らなかったことですが、第二部の琵琶湖疎水計画とその展開と、阪神間という土地、でした」。実はこの部分が、「庭師 小川治兵衞とその時代」にもで出くる主要な話なのです。


「序 哲学の道」には、以下のようにあります。

小川治兵衞という庭師は1860(万延元)年4月、京都府に生まれ、1877(明治10)年、京都の庭師・小川家の養嗣子となって家業を継いだ。彼は琵琶湖疎水の水を引き入れた庭園群をつくることによって、近代京都に新しい庭園文化をもたらした。


続けて、

京都に「哲学の道」と名付けられた道がある。南禅寺から銀閣寺の手前にかけてゆったりと流れる琵琶湖疎水の支流の辺に沿った道で、紅葉の頃はとりわけ美しい風情をただよわせる。・・・しばしば京都を千年の都などというが、「哲学の道」から南禅寺にいたるあたりは、・・・それは明治から昭和にかけて生み出されたものなのである。つまり、千年の都の面影ではなく、近代日本の生み出した文化の姿なのである。・・・そこには、山県有朋にはじまり近衛文麿にいたる、近代化を求め続けた日本の支配層が欲した、彼等の私的全体性を支えてくれる表現があったのである。


ということで、「庭師 小川治兵衞とその時代」本は、琵琶湖疎水自体の開発の歴史から始まります。


以下のふたつの書評、内容紹介をみると、この本の概略が見えてきます。


日本経済新聞のこの本の書評、評者は熊倉功夫ですが、以下のようにあります。

壮大な文化創造のドラマ――本書は単なる庭師小川治兵衛の伝記でもなく庭園の分析でもない。日露戦争より太平洋戦争終結に至る、近代日本が歩んだ壮大な文化創造のドラマであり、現代日本に対する問題提議の書物ともなっている。


出版社からの内容紹介は、以下のようにあります。

小会PR誌「UP」の好評連載を加筆・再構成し、待望の書籍化。山県有朋、西園寺公望、近衛文麿……国家の最大限の西欧化を推進しつつ、私的には伝統に縛られない和風の表現を求めた明治から昭和前期の政治家・企業家たち。彼らが愛した植治の庭を通して、日本の近代化のあり方を見つめる。建築に歴史的まなざしを注いできた著者による近代化論。


目次
序 哲学の道
1章 近代化のなかの琵琶湖疏水開発
2章 はじまりとしての山県有朋
3章 庭園におけるブルジョワジーと華冑界
4章 琵琶湖疏水を庭園へ
5章 庭園世界の拡大
6章 数寄者たちの創造のあり方
7章 最後のパトロン

とんとん・にっき-suzu3 「シリーズ日本の近代 都市へ」

2012年10月25日初版発行

著者:鈴木博之

発行所:中央公論新社











過去の関連記事:
鈴木博之の「都市へ」を読んだ!
鈴木博之の「近代建築論講義」が届いた!

酒井充子監督作品「台湾アイデンティティー」を観た!

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ポレポレ東中野で、酒井充子監督の「台湾アイデンティティー」を 観てきました。チラシには「日本が台湾を去ったあと、彼等は時代のうねりに翻弄された。教科書には載らないほんとうの歴史がそこにある」として、以下のようにあります。

東日本大震災の際、台湾から200億円を超える義援金が寄せられたことは記憶に新しい。一方、日本から台湾へは昨年(2012年)、過去最高の約144万人が訪れた。台湾を訪れる日本人の多くが台湾に日本の面影を見るという。なぜなのか?それは台湾の田園風景や各地に残る日本統治時代の遺構によるところが大きいであろうが、何よりも台湾の人々がそうさせるのだ。台湾は1895年(明治28年)から1945年(昭和20年)までの半世紀、日本の統治下にあった。日本語で教育を受けた「日本語世代」といわれる老人たちは、単に日本語を話すだけではなく、その精神性や行動パターンに至るまで全身に「日本」が染みついている。彼らへのインタビューを通して台湾と日本の近現代史をクローズアップさせた『台湾人生』(2009年)から4年、戦後70年という長い年月が過ぎ、日本語世代と呼ばれる人々は少なくなった。それでも、ある種の「日本人性」を包含している彼らは、今も台湾で存在感を失ってはいない。彼らの人生、特に日本が台湾を去ったあとの道のりとはいかなるものだったのか?


監督は2002年から台湾での取材を始め、初監督ドキュメンタリー「台湾人生」(09)で「日本語世代」へのインタビューを通して日本と台湾の解けない関係性を描き出し、劇場ロングラン・ヒットを記録した酒井充子。「台湾人生」の劇場公開を経て得た新たな出会い、発見を糧に脹れ上がった台湾への語り尽くせない想いが本作へとつながった。またひとつ、忘れてはいけない歴史が刻まれた。


高菊花さん 日本名:矢多喜久子 ツオウ族名:パイツ・ヤタウヨガナ

白色テロによって父親を奪われた人

1932年(昭和7年)生まれ。ツオウ族のリーダーだった高一生の長女。日本人と同じ小学校に通い、師範学校に学ぶ。米国留学準備中に父が逮捕、処刑。家族の生活を支えるため歌手になる。
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黄茂己さん 日本名:春田茂正

「本当の民主主義とは何か」子供たちに伝え続けた人

1923年(大正12年)生まれ。台湾少年工の一員として神奈川県の高坐海軍工廠へ。挺身隊員だった妻と知り合い、敗戦直後に日本で結婚。台湾帰国後は小学校教員として定年まで勤めた。

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呉正男さん 日本名:大山正男

シベリア抑留のおかげで死なずに済んだと言う人

1927年(昭和2年)生まれ、横浜市在住。東京の中学に進学し、航空通信士として現在の北朝鮮で敗戦をむかえる。捕虜収容所での強制労働の後、日本へ戻り進学・就職。

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宮原永治さん 台湾名:李柏青 インドネシア名:ウマル・ハルトノ

日本の敗戦で台湾に戻れなかった人

1922年(大正11年)生まれ。戦場を転々とし、戦後にインドネシア国籍を取得した残留日本兵のひとり。オランダからの独立戦争を戦った。日本企業のジャカルタ支社に就職。

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張幹男さん 日本名:高木幹男

青春の8年間を監獄で過ごさねばならなかった人

1930年(昭和5年)、台湾人の父と日本人の鼻の間に生まれる。台湾独立派の日本語の冊子を翻訳しようとして「反乱罪」で逮捕。現在、旅行会社の会長。

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以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。

チェック:第2次世界大戦後の台湾で日本から中華民国へと統治国が移る過程で、波瀾(はらん)万丈な人生を送った6人の台湾の人々を取材したドキュメンタリー。中国国民党による支配の時代が長く続いた台湾で、弾圧に対して蜂起した二二八事件、白色テロを体験した6人がその激動の人生を振り返り、現在の思いを語る。監督は、『台湾人生』で台湾の日本語世代の日本への複雑な感情を取り上げた酒井充子。戦争と国家に翻弄(ほんろう)されながら、なお彼らが見せる台湾人としての誇りある生きざまに心を揺さぶられる。

ストーリー:1895年から大戦終結の1945年まで日本が統治していた台湾。高菊花さんは、戦後父親が処刑され、自身も国民党の尋問を17年間も受け続けた。日本名・宮原永治さんは派兵されたインドネシアに残り、オランダからの独立戦争を戦った。そのほか、黄茂己さん、鄭茂李さん、呉正男さん、張幹男さん、戦前から戦後を生きた6人が、激動の人生を語る。


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日本統治後の台湾を知るための用語解説

二二八事件
1947年2月27日の夜、中国人である国民党の専売局闇タバコ摘発隊が台湾人女性に対し、暴行を加える事件が起きた。これに抗議した群衆に向って摘発隊が発砲し、一人を殺害。これに対し、翌2月28日に台湾人による市庁舎への抗議デモが行われた。しかし、憲兵隊が非武装のデモ隊へ向けて無差別に一斉掃射を行い、多数の市民が死傷。これが発端となって、政府関連の諸施設への抗議行動や、中国人に対する襲撃事件が台湾全島で頻発。台湾人はラジオ放送局を占拠するなど、多くの地域で一時実権を掌握したが、国民党政府は大陸に援軍を要請し、武力によりこれを徹底的に鎮圧した。この際、裁判官・医師・役人をはじめ、日本統治下で高等教育を受けたエリート層の多数が逮捕・投獄・拷問され、その多くは殺害された。この事件によって、約2万数千人の台湾人が殺害・処刑され、彼らの財産や研究成果の多くが接収されたと言われている。1989年に公開されヴェネチア映画祭グランプリを獲得したホウ・シャオシェン監督『悲情城市』はこの事件をテーマにしている。


白色テロ
革命運動や民主化運動などの反体制活動に対する為政者による弾圧行為のこと。強権的警察行為や言論弾圧をさす。台湾では、国民党政府により1949年から1987年まで38年間にわたる戒厳令が敷かれ、この間に数多くの人々が謂れなき罪で逮捕、拘禁、拷問、銃殺された。恐怖の空気が社会全体を覆い、台湾社会の発展に重大な影響を与えた。エドワード・ヤン監督『クーリンチェ少年殺人事件』(91)、ウー・ニェンチェン監督『多桑 父さん』(94)、ホウ・シャオシェン監督『好男好女』(95)など、白色テロをテーマに描いた映画も多く存在する。


高一生
1908年に阿里山に生まれた高一生は、日本植民地時代に台南師範学校に学んだツォウ族の原住民族エリートで、日本名は、矢多一生(やた かずお)。高一生は、戦後になってからの中国名であり、民族名はウォン・ヤタウヨガナ(Uongu Yatauyongana)である。日本統治期に警察官、教員を務め、戦後は呉鳳郷(現・阿里山郷)の郷長となった。原住民の自治を主張していたため国民党から要注意人物とされ、白色テロの中、無実の罪で、1954年4月17日、ツォウ族の湯守仁、方義仲、汪清山、タイヤル族の林瑞昌、高澤照らとともに銃殺された。90年代に入り、高一生は、多数の原住民族の政治受難者とともに名誉回復がなされた。2013年4月に日本公開されたウェイ・ダーション監督『セデック・バレ』(11)に登場する原住民と日本人との間で板ばさみとなり自死を選んだ花岡一郎、二郎は、ほぼ同世代のタイヤル族出身エリートである。


シベリア抑留
第二次大戦終結時にソ連軍に降伏・逮捕された日本軍人その他がシベリアで強制労働に従事させられた。その大部分は関東軍軍人で、これに樺太・千島、北朝鮮で武装解除された部隊が加わり、その数は日本政府推定で57万5000余人とされる。ポツダム宣言第9項は日本軍隊の郷里への帰還を約束したが、ソ連はそれを無視しシベリア(47万2000人)、外蒙古(1万3000人)、中央アジア(6万5000人)、ヨーロッパ・ロシア(2万5000人)など約1200ヵ所の捕虜収容所・監獄に収容して土木建築、鉄道建設、採炭・採鉱などの重労働に従事させた。厳寒環境下で満足な食事や休養も与えられず、苛烈な労働を強要させられたことにより、多くの抑留者が死亡したとされる。2010年6月、生存する元抑留者に対し、抑留期間に応じて一人25万円から150万円を一時金として支給する「シベリア特措法」が施行されたが、日本国籍を有しない者はその対象から除外された。


「台湾アイデンティティー」公式サイト




PR: Jeep(R) Real Fairいよいよ今週末開催

「世界文化賞25周年記念シンポジウム」を聞く!

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企画の意図

世界文化賞の受賞者(1989~2012年)は、24ヶ国の計124人を数えます。受賞者の業績を振り返りながら、アーティストと彼らの文化芸術作品を活動が現代社会にもたらす意義、21世紀における文化芸術の役割について論じ合います。

高松宮殿下記念世界文化賞

高松宮殿下記念世界文化賞は、日本美術協会が前総裁高松宮殿下の「世界の文化芸術の普及向上に広く寄与したい」というご遺志を継ぎ、協会設立100年を記念して創設されました。国際社会の礎となる文化芸術の発展に貢献した芸術家に感謝と敬意を捧げ、その業績を称えるもので、世界の芸術家を対象に毎年、絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像の5部門の受賞者に感謝状、メダル、賞金1500万円をお贈りしています。受賞者の選考は、国際顧問の中曽根康弘(元首相)、ウィリアム・ルアーズ(米・メトロポリタン美術館元理事長)、ランベルト・ディーニ(元伊首相)、クリストファー・パッテン(英・オクスフォード大学総長)、クラウス=ピエール・ラファラン(元仏首相)の各氏が主宰する各専門委員会が、広く世界に目を向けて候補者の推薦にあたります。その推薦リストに基づいて、日本の選考委員会が受賞候補者を選び、日本美術協会理事会で最終決定します。


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高松宮殿下記念世界文化賞25周年記念シンポジウム

「現代社会における文化芸術の役割」 -124人の世界文化賞受賞者から考える-


日時 7月17日(水)16:00~18:00 (開場15:30)

会場 鹿島KIビル 大会議室(東京都港区赤坂6-5-30)

主催 公益財団法人 日本美術協会

後援 文化庁

協力 公益財団法人 鹿島美術財団



出席者

コーディネーター

浅田 彰(京都造形芸術大学 大学院学術研究センター所長)

パネリスト

高階 秀爾(大原美術館館長、世界文化賞絵画/彫刻部門選考委員長)

杉本 博司(アーティスト、2009年世界文化賞絵画部門受賞)

馬場 璋造(建築評論家、世界文化賞建築部門選考委員)

安倍 寧(音楽評論家、世界文化賞音楽部門選考委員)

品田 雄吉(映画評論家、世界文化賞演劇・映像部門選考委員)

(安藤忠雄は都合により欠席、代わりに馬場璋造がパネリストに)



シンポジウム

司会:浅田彰

「現代社会における文化芸術の役割」

124人の世界文化賞受賞者から考える

素晴らしい人たちに賞を与えること。

「評価されるものが、評価される」


受賞者:杉本博司

4年前に突然受賞した。

17世紀、フェルメールは「カメラオブスクラ」を使って絵を描いた。

「シロクマ」、ジオラマの剥製、ニューヨーク近代美術館に持ち込んだ。
作りものだけど、写真に撮ると、生きているように見える。

ホルバインの描いた「ヘンリー8世」、マダムタッソーの蝋人形館

安藤忠雄の「光の教会」、建築はできあがると墓場である。

「カリブ海、ジャマイカ」、海・水平線。

東海道線小田原当たりから海を見た。

古代人が見た景色と、現代人が見た景色、海ぐらいしかない。





以下、後日




「岩尾克治・官野貴写真展 戦う海上保安官!」を観た!

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「岩尾克治・官野貴写真展 戦う海上保安官!」を観てきました。アイデムフォトギャラリー「シリウス」で開催される写真展は、海上保安庁が今回も入れて2回目、もうひとつは福祉関連の写真展がありました。従って、「シリウス」では三度目の写真展ということです。岩尾さんは昔からの友人で、かれこれ20年近い付き合いです。官野さんは、岩尾さんの助手、お弟子さん、といったところでしょうか。


日本の海を守プロフェッショナルたちの最前線

四方を海に囲まれた買いよう国家日本において、わが国の安全と治安を守るため、最前線で活躍する男たちがいる。緊迫した尖閣諸島海域の領海侵犯、先の東日本大震災における救助活動や復興支援活動、行方不明者捜索活動などで、その存在がますます注目されている海上保安庁の実力を写真映像で徹底紹介。日々繰り返される、命をかけた海難救助の戦いと、厳しく激しく訓練に耐える海上警備のプロフェッショナルたちの実像に迫る。





取材協力 海上保安庁


内容紹介

○東日本大震災時の海上保安庁の映像をもとに、

その後の海上保安庁の取り組みを紹介

○海上保安庁潜水士たち

   巡視船「やひこ」(新潟海上保安部)

   巡視船「おきつ」(清水海上保安部)

   巡視船「なつづき」(石垣海上保安部)

   巡視船「いず」(横浜会場保安部)

○特殊救難隊

   海上保安官12000名より選ばれた潜水士たちから、

   わずか36名が特殊救難隊員に任命される。

   かれらの想像を絶する訓練を紹介

     リペリング訓練

     厳冬期氷下訓練

     酸欠区間からの救助訓練

     船舶火災消火訓練

○最新鋭拠点機能強化型巡視船

   緊迫化する尖閣諸島周辺海域、東シナ海の最前線で戦う、

   巡視船・特別警備隊の実力を紹介

   巡視船「くにがみ」(石垣海上保安部)

   巡視船「よなくに」(石垣海上保安部)

   巡視船「こしき」(鹿児島会場保安部)

○砕氷型巡視船「そうや」

   厳冬期の2月、海氷観測支援船として活躍


展示:A1(594×841)サイズ 約50点


お問合わせ先

 有限会社アートファイブ

 〒113-0033 東京都文京区本郷1-15-2-2F

 TEL 03-3818-2842







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左:閲覧式と総合訓練に初参加した特殊警備隊(SST)によるファストロープ
降下。右:海上保安庁観閲式と総合訓練で披露される特殊救難隊の人命
救助は実践そのままだ。海保が誇る大型ヘリ、スーパーピューマのダウン
ウォッシュをものともしない吊り上げは感動的だ。

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「海の守護神 海上保安庁」 
著者:岩尾克治
発売日:2012年7月
出版社:潮書房光人社
ひとたび有事となれば極限状況の現場に急行し、つねに冷静沈着、最良の判断を下してミッションを完遂する逞しき不屈の男たち。“海の警察”“海の消防”に密着取材したフォト・ドキュメント。










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「私たちの喜びは、ともに働き、遊び、生きること―活躍する障害者たち―」写真展を観た!
「岩尾克治写真展」を観る!



横浜美術館で「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」を観た!

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横浜美術館のホームページには、「ご案内」として、以下のようにありました。

この展覧会は当初、2011年4月から12月まで、横浜、名古屋、神戸での開催を予定していましたが、同年3月に起きた東日本大震災と原発事故の影響を受けて急遽中止となりました。その後、主催者間で協議を重ね、当初予定と同じ3会場で開催することとなりました。


横浜美術館で「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」を観てきました。 17世紀の巨匠プッサンから、モネら印象派やゴッホを経て20世紀のピカソやマティスまで、フランスの絵画史を66点の名画でたどる今回の展覧会、そのコレクションは、歴代の皇帝や貴族、大商人らによって集められたもので、世界屈指の質と量を誇る、と言われるだけのことはあります。情熱的な収集の背景には、当時のヨーロッパ先進国、フランスへの強い憧れと、自国の文化を豊かにしようという熱い思いがあった、と言われています。


同じ横浜美術館で2009年に開催された「フランス絵画の19世紀」展も、素晴らしい展覧会で、今回の展覧会と重なるところがあるように思います。19世紀というと印象派を思い浮かべますが、その誕生の礎を築いた「アカデミスム」の画家たちに注目した展覧会で、「保守的なものとして単純に理解されがちなアカデミスムの華やかさとその豊かな成果を確認すると同時に、『保守』と『革新』相互の影響関係こそが、この絵画の黄金期を築き上げていったのだという、時代の真実を浮かびあがらせていきます」、としています。


三浦篤・東京大学教授(西洋近代絵画史)は、プーシキン美術館のフランス絵画の特徴を、以下の三つの言葉を使って整理しています。(朝日新聞の記念号外)

秩序と構成:

17世紀古典主義の画家プッサンは、歴史画を描くとき、多数の人物をピラミッド型の構図のなかにしっかりと収めてみせた。ダイナミックな動きは、均衡のとれた構図に吸収される。19世紀のセザンヌもまた、裸体群像をバランスよく配置している。筆触の律動感は、秩序だった構成のなかでこそ生きることが理解できる。

光と色彩:

17世紀のクロード・ロランが描く風景は、遅い午後のまばゆい、繊細な光のなかに浸されている。この黄金色に輝く神話の世界に入ってみたい、そう思わない人がいるだろうか。印象派のルノワールはセーヌ河畔の行楽地に集う人々を、生き生きとした筆致で表す。明るい自然光と鮮やかな色彩が、優雅に響き合うのが心地よい。19世紀市民社会のレジャーの場面は、近代の「楽園」そのものである。

装飾性:

18世紀ロココの画家ブーシェの作品からは官能性があふれ出す。高い音色が鳴り響くかのように、赤、青、黄の三原色が画面に散らばり、装飾的な効果を発揮する。20世紀のマティスの花の絵は、近代の洗練された造形表現に基づく。ただし、緑を背景に三原色を組み合わせる色彩選択は、ブーシェの絵とまったく同じ。装飾的なデザイン感覚は、ロココから近代へと見事に引き継がれている。


「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」の目玉はというと、チラシやポスターに使われている二つの作品が挙げられます。ひとつは、ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングルの「聖杯の前の生母」、もうひとつは、ピエール=オーギュスト・ルノワールの「ジャンヌ・サマリーの肖像」を挙げることに異論はないでしょう。最大の注目は、ルノワールの印象派時代最高の肖像画として名高い「ジャンヌ・サマリーの肖像」でしょう。下世話に言えば、客寄せパンダ、宣伝効果は抜群でした。


そして展覧会の最後を飾るのは、アンリ・ルソーの「詩人に霊感を与えるミューズ」、なんとも不思議な作品です。このルソーの作品は、基本的には肖像画であり、モデルは彼の友人でありその芸術の擁護者であった詩人アポリネールと、その恋人マリー・ローランサンです。ルソーの作品に描かれたローランサン自身も、今回の展覧会に出品された「女の顔」など、多くの肖像画を描いています。この絵に対して、「ルソーが神話の主題を借りて、友への愛情、そして芸術家への礼賛の意を表した、世俗の神話画であり、聖なる肖像画である」と、松永真太郎(横浜美術館学芸員)は述べています。


個人的な興味で言えば、ユベール・ロベールの作品の前で釘付けになりました。2012年5月、「エルミタージュ美術館」展で「古代ローマの公衆浴場跡」を観ましたが、今回1点だけ「ピラミッドと神殿」という作品が出されていました。西洋美術館の「ユベール・ロベール」展で初めて知った、「古代遺跡をモチーフにした風景画を描く画家で、「廃墟のロベール」の異名をとった画家です。


もうひとつ、ミレーの「薪を集める女たち」です。闇におおわれた山の斜面。農婦がふたりがかりで長い木の枝を運びおろす様子が、スポットライトで浮かび上がるように描出されています。それは神話画を彷彿させる荘厳さ、厳粛さを湛えています。16世紀フランドルの画家ピーテル・ブリューゲル(父)の影響が見てとれる、という。


展覧会の構成は、以下の通りです。


第1章 17-18世紀―古典主義、ロココ

第2章 19世紀前半―新古典主義、ロマン主義、自然主義

第3章 19世紀後半―印象主義、ポスト印象主義

第4章 20世紀―フォーヴィスム、キュビスム、エコール・ド・パリ



第1章 17-18世紀―古典主義、ロココ




第2章 19世紀前半―新古典主義、ロマン主義、自然主義




第3章 19世紀後半―印象主義、ポスト印象主義






第4章 20世紀―フォーヴィスム、キュビスム、エコール・ド・パリ




「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」

知る人ぞ知る、フランス絵画の宝庫ロシア。17世紀古典主義の巨匠プッサンにはじまり、18世紀ロココの代表ブーシェ、19世紀のアングル、ドラクロワ、ミレー、印象派やポスト印象派のモネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、そして20世紀のピカソやマティスまで――。プーシキン美術館のコレクションの中核をなすフランス絵画の質の高さは、フランス本国もうらやむほどのものです。本展では、選りすぐりの66点で、フランス絵画300年の栄光の歴史をたどります。なかでも、ルノワールの印象派時代最高の肖像画と評される≪ジャンヌ・サマリーの肖像≫は、最大の見どころです。「ロシアが憧れたフランス」の粋を、どうぞお楽しみください。


「横浜美術館」ホームページ


とんとん・にっき-pus2 「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」

図録(表面)

編集:

横浜美術館

愛知県美術館

神戸市立美術館

朝日新聞社企画事業本部文化事業部

発行:

朝日新聞社

とんとん・にっき-pus1 「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」

図録(裏面)

編集:

横浜美術館

愛知県美術館

神戸市立美術館

朝日新聞社企画事業本部文化事業部

発行:

朝日新聞社







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東京ミッドタウンで「幻のダイオウイカ」と「風鈴彩祭」を観た!

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東京ミッドタウンで「幻のダイオウイカ」と「風鈴彩祭」を観てきました。ともに夏のイベントですが、 ダイオウイカは思っていた以上に大きく、夜7時頃からプロジェクションマッピング技術を使って360度映像が投影され、幻想的な雰囲気を味わってきました。まさに深海を悠然と泳ぐダイオウイカ、といった感じでした。風鈴は1階、2階、3階とそれぞれ違った雰囲気の展示で、夏らしさを味わってきました。


東京ミッドタウン

深海4Dスクエア -夏の夜に浮かび上がる幻のダイオウイカ-


夏のNHKスペシャル「シリーズ 深海の巨大生物」と、国立科学博物館で実施する特別展「深海」の開催にあわせて、真夏の東京で"深海"を感じるイベントを実施します。昨年夏、深海で生きている姿の撮影に世界で初めて成功し、大きな話題となった深海の巨大イカ「ダイオウイカ」が東京ミッドタウンに出現し、プロジェクションマッピング技術を使って、夜の空間に鮮やかに浮かび上がります。

※4Dとは、大型模型(3D)+気象データ(D)によるプロジェクションマッピングで、ダイオウイカが生息する小笠原諸島海域の気象データを反映した映像を、高さ15mを超えるダイオウイカに360度投影します。


【会場】
キャノピー・スクエア


【開催日時】
2013年7月19日(金)~7月21日(日)
19:00~21:00


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東京ミッドタウン風鈴彩祭2013


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「東京ミッドタウン」ホームページ


とんとん・にっき-ika 「ドキュメント深海の超巨大イカを追え!」

光文社新書

NHKスペシャル深海プロジェクト取材班

+坂元志歩

2013年7月発行

2012年夏、小笠原の海で、10年以上にわたってダイオウイカを追い続けてきた男たちが、奇跡を起こした。誰も成し得なかった撮影を可能にしたのは、いったい何だったのか?空をつかむ日々の連続で、気持ちをつなぎとめたものは何か。意中のものを手にしたとき、人は何を思うのか。プロデューサー、ディレクター、カメラマン、研究者への膨大な取材で明かされる、感動のストーリー!16.8%の視聴率を記録した「NHKスペシャル世界初撮影!深海の超巨大イカ」の公式ドキュメント本。


宮下規久朗の「モチーフで読む美術史」を読んだ!

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宮下規久朗の「モチーフで読む美術史」を読みました。


本のカバーには、以下のようにあります。

たとえばあなたが実際に美術館に出かけて目にした、これまで見たことのない中世の西洋絵画を即座に読み解くにはどうすればいいだろうか。本書は、絵画に描かれた代表的な「モチーフ」を手掛かりに美術を読み解く、画期的な名画鑑賞の入門書である。西洋絵画だけでなく、日本を含む東洋の美術や現代美術にも言及している。人気の新聞連載に加筆し、カラー図版150点を収録した文庫オリジナル。


宮下規久朗:略歴

1963年名古屋生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院修了。美術史家、神戸大学人文学研究科准教授。「カラヴァッジョ 聖性とヴィジョン」(名古屋大学出版会)でサントリー学芸賞などを受賞。ほかに、「食べる西洋美術史」「ウォーホールの芸術」「欲望の美術史」(光文社新書)、「カラヴァッジョへの旅」(角川選書)、「刺青とヌードの美術史」(NHKブックス)、「フェルメールの光とラ・トゥールの焰」(小学館101ビジュアル新書)、「知っておきたい世界の名画」(角川ソフィア文庫)など多数の著作がある。


「モチーフで読む美術史」、本文に入る前に「読書案内」があり、「本書によって、美術のモチーフや主題について更に興味を持たれた方は、以下の本を参考に、ぜひご自分でお調べください」として、11冊の本を紹介しています。これはフェアなやり方だなと、いたく感心しました。以下にその11冊を載せておきます。


ジェイムズ・ホール、高階秀爾監訳「西洋美術解読事典」河出書房新社、1988年。

柳宗玄、中森義宗編「キリスト教美術図典」吉川弘文館、1990年。

大貫隆、名取四郎、宮本久雄、百瀬文晃編「岩波キリスト教辞典」岩波書店、2002年。

ミシェル・フイエ、武藤剛史訳「キリスト教シンボル事典」白水社、2006年。

木村三郎「名画を読み解くアトリビュート」淡交社、2002年。

木村三郎「西洋近代絵画の見方・学び方」左右社、2011年。

宮下規久朗「食べる西洋美術史」光文社新書、2007年。

宮下規久朗「知識ゼロからのルネサンス絵画入門」幻冬舎、2012年。

高橋裕子「西洋美術のことば案内」小学館、2008年。

池上英洋「恋する西洋美術史」光文社新書、2008年。

池上英洋「西洋美術史入門」ちくまプリマー新書、2011年。


この本で取り上げられたモチーフは、犬、豚、猿、鶏、猫、鼠、鳩、兎、羊、から始まり、窓、梯子、橋、分かれ道、髪、心臓、血、裸、裸足と靴、性愛、慈愛、夢、まで、全部で66のモチーフが取り上げられており、それぞれに2ページほどの文章が付いています。つまり、ひとつのモチーフで文章が2ページ、画像が2ページ、計4ページで構成されています。知っている絵もあれば、まったく知らない絵も出てきます。素人ゆえ、一喜一憂して、またそれが楽しい。


例えば、「鏡―よい意味も悪い意味も」、やはり鏡と言ったら皆さんよくご存じの、ベラスケスの「ラス・メニーナス」と「鏡を見るヴィーナス」でしょう。これは僕でも分かりました。


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ところが、「チーズ―身近なご馳走」、ここに出てくる2枚の絵は、画家の名前もそこに描かれた絵も、僕はまったく知りませんでした。イタリアのリコッタチーズは豆腐のように淡泊な味で、美味しいものをなりふり構わず食べている至福が伝わってきます。フローリス・ファン・デイクは、オランダ静物画の先駆者で、同時代の批評家に「あらゆる美食よりも美味な絵だ」と評されたという。中央にはオランダの特産品である大きな丸いゴーダチーズが、林檎や葡萄とともに描かれています。

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個々のモチーフに注目し、その意味を考え、さらに共通するモチーフによって作品を横断的に見ることは、きわめて意味深いことである、と宮下は言います。それは西洋の古典美術に限らず、東洋美術でも現代美術においても、美術は伝統的な寓意や象徴に満ちている、とも。東洋美術、宮下の著作にこんなにも出てくるとは思いもしませんでした。例えば、牧谿の「観音猿鶴図」や伊藤若冲の「仙人掌群鶏図」、そして絵金の「花衣いろは縁起」や長沢芦雪の「虎図」、等々、「カラヴァッジョ」の専門家は東洋美術にも造詣が深い。


この本の成り立ちは、東京新聞および中日新聞に2013年1月4日から4月5日まで連載された「神は細部に宿る モチーフで読み解く美術」をもとに、新たな話をいくつか書き加え、図版をふやして加筆修正したもの、だそうです。毎日連載するということは、なかなかできるものではありません。昨年末に娘さんが病にかかって家族の生活が一変し、入院した病室で断片的に書きつぎ、なんとか書き上げることができた、と言う。しかし懸命な治療と祈祷の甲斐もなく、この本の校正中に、天に召されたという。ご冥福をお祈りします。


過去の関連記事:

宮下規久朗の「欲望の美術史」を読んだ!
宮下規久朗の「知っておきたい 世界の名画」を読んだ!
宮下規久朗の「フェルメールの光とラ・トゥールの焰」を読んだ!
宮下規久朗の「カラヴァッジョ巡礼」を読んだ!
宮下規久朗の「刺青とヌードの美術史 江戸から近代へ」を読む!


ミゲル・ゴメス監督の「熱波」を観た!

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聞き覚えのある曲が流れます。1960年代に流行ったザ・ロネッツの「Be My Baby」という曲です。僕が若い頃、よくラジオから流れていました。いま聞くと、妙にノスタルジックな印象を受けます。モノクロの映像でつくられているこの映画も、過ぎ去った時代を懐かしむことが、大きなテーマのような気がします。日本ではあまり馴染みのないポルトガルの俊英、41歳の監督ミゲル・ゴメスです。映画の創成期を思わせるモノクロの映像表現で、いくつかの時代と異なる場所をつなぎます。がしかし、難解な作品であることは間違いありません。


第1部は、憂鬱な現在のリスボンを描いた「楽園の喪失」。善意に満ちた孤独な女性とその隣人である老女の触れ合いが描かれています。定年退職したピラールは、意義のある生き方を探し求めています。隣人のアウロラは娘に見捨てられ、家政婦ともそりが合いません。妄想にとりつかれた孤独な老女は、死に際にベントゥーラという男を探して欲しいと、ピラールに頼みます。最後の願いを託されたピラールは、その男を探そうとします。


第2部は、ポルトガルによるアフリカ植民地時代を描いた「楽園」。ナレーションだけで、台詞もなく、サイレント映画を思わせます。アウロラは早くに母を亡くし、娘を溺愛した父も亡くなります。若くて美しい彼女は、ドイツ人の男と結婚し、妊娠をして幸せの絶頂にいました。そこへ流れ者のベントゥーラがバンド仲間と連れだって現れます。遊び人の男は、アウロラを愛し、彼女もすべてを捨てて駆け落ちを決意します。


かつて植民地で起こった出来事を、老女は最後まで人に語ろうとはしませんでした。それは彼女にとって「タブー」だったからであり、ある意味今はもう存在しない亡霊の物語のような印象を与えたかった、と監督はいう。第2部は、今や消失し忘れられたものを語っています。それは現代における無声映画を意味した、と語っています。植民地を背景に、かつて熱烈に愛しあったが、別れざるを得なかった恋人たち、そして年老いた老女の現在。マルグリット・デュラスの「愛人 ラマン」を思い浮かべました。


タイトルの熱波とはなんだろうと思ったら、最後の時を迎える老婆が薄れる意識のなかで想う「最後に一目、会いたい人」、時を遡り、胸を焦がす熱波が甦る、とチラシに書かれていました。


以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。


チェック:さまざまな映画祭で賞を受賞した「私たちの好きな八月」のポルトガルの俊英ミゲル・ゴメスが手掛けた、ノスタルジックな愛の物語。現代のリスボンと1960年代の植民地時代のアフリカを舞台に、壮大な喪失のエピソードを2部構成でつづっていく。舞台女優などとして活躍するテレサ・マドゥルガやラウラ・ソヴェラウらが共演を果たし、味わい深い演技を披露。モノクロの映像で激動の過去と共に描かれる、現代のストーリーの見事な調和に心奪われる。

ストーリー:敬虔(けいけん)なクリスチャンであるピラール(テレサ・マドゥルガ)は、退職後はカトリックの社会活動団体に所属し、少しでも世界を良くしようと努力している。リスボンに住む彼女は、80代の隣人アウロラ(ラウラ・ソヴェラウ)のわがままに振り回されていた。そんなある晩、アウロラの体調が急に悪化し、ピラールは彼女にある頼み事をされる。


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「熱波」公式サイト




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海の事故を減らすため、気象・海象情報の入手や出航前点検等のポイントについてご紹介

横浜美術館コレクション展その1

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横浜美術館の収蔵作品には、個人が旧蔵した特徴あるコレクションや、篤志家からの寄付によって収集した作品が、数多く含まれているという。今年度は特に、個人コレクターや支援者の活動の活動の一端を、コレクション展を通して紹介しています。今期の展示は、7つの個人コレクションに着目していますが、ここでは「旧・大光コレクション」を取り上げて、以下に載せておきます。


1983年度から88年度にかけて収集した「旧・大光コレクション」の10点の作品、なかでもポール・デルヴォーの「階段」とルネ・マグリットの「青春の泉」は、シュルレアリスムを核とした横浜美術館の西洋美術コレクションの礎となった作品だったという。ここでは、旧・大光コレクションの作品とともに、横浜美術館が所蔵するシュルレアリスムの作品が、「コレクション展」として展示されていました。


主要な作品は、以前にも観た作品がほとんどですが、展示の仕方が大きく変わっていました。基本的には僕が撮影した画像ですが、ガラスの反射でうまく撮影できなかった作品も数多くありました。







「横浜美術館」ホームページ

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小野田滋の「東京鉄道遺産」を読んだ!

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「東京鉄道遺産を歩く」ということで、いつもの仲間たちと一緒に、今度の土曜日に小野田滋さん(鉄道総合技術研究所)の案内で、御茶ノ水駅西口から中央線・総武線に沿って両国駅まで歩くことが決まりました。さて、どんなところを歩くのか? JR御茶ノ水駅と地下鉄御茶ノ水駅のモダニズム建築、神田川橋梁、御茶ノ水橋梁、万世橋高架橋、万世橋架道橋、御茶ノ水両国間市街線、秋葉原駅の構造、隅田川橋梁、等々がリストに上がっています。


その前に小野田さんの書かれた「東京鉄道遺 『鉄道技術の歴史』をめぐる」(講談社ブルーバックス:2013年5月20日第1刷発行)を読んでおくと、当然のことながら現場での説明がよく分かるようなので、さっそく購入して読んでみました。


どんな内容の本なのか? 本の裏表紙には、以下のようにありました。

東京に蓄積する「鉄道遺産」の数々

日本初の鉄道が開業した東京には、明治以来、数多くの路線が建設されてきた。そのため、あらゆる時代、あらゆる種類の鉄道構造物が集積し、今も鉄道輸送を支え続けている。本書では、東京の鉄道遺産を訪ねながら、その歴史や技術史的な見どころを専門的な視点で紹介。鉄道技術史研究の第一人者が執筆した、本格的な解説書。


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小野田滋:略歴
1957年愛知県生まれ。日本大学文理学部応用地学科卒業。1979年日本国有鉄道入社。東京第二工事局、鉄道技術研究所勤務を経て、分割民営化後は、鉄道総合技術研究所、西日本旅客鉄道(出向)、海外鉄道技術協力協会(出向)などに勤務。現在は鉄道総合技術研究所勤務。NHK「ブラタモリ」にも出演。工学博士(東京大学)。著書に、「高架鉄道と東京駅(上)(下)」(交通新聞社)、「鉄道と煉瓦」 (鹿島出版会)、「鉄道構造物探見」(JTB)など。

まず始めに、この本で紹介される構造物のほとんどは現役なので、「遺産」という言葉に違和感を覚える方がいるかもしれないが、後世に伝えるという意味での「遺産」であって、決して過去の「遺物」という意味ではない、と小野田は述べています。最近では「世界遺産」の影響で「遺産」という言葉もポジティブに解釈されるようになったが、本書の「遺産」も同様の趣旨です。また、「全国」ではなく、「東京」に限定したのは、あらゆる時代、あらゆる種類の構造物が「東京」に集積し、鉄道輸送を支えているからである、と小野田は言う。


この本の構成は、以下の通りです。

Ⅰ 駅をめぐる

Ⅱ 橋梁をめぐる

Ⅲ 高架橋をめぐる

Ⅳ トンネルをめぐる


以下に各章の代表的な項目を載せておきます。


Ⅰ・4 上野駅 ターミナルの風格

    台東区 1932年完成

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Ⅱ・7 晴海橋梁 新技術への挑戦

    中央区/江東区 1957年完成

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Ⅲ・4 東京上野間市街線 進化するラーメン式高架橋

    千代田区/台東区 1925年完成

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Ⅳ・3 道灌山トンネル もうひとつの山手線のトンネル

    北区 1903年完成/1928年廃止

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小野田滋さん(56)タは、モリが東京都内を散策するテレビ番組「ブラタモリ」(NHK)にも度々登場しているようで、僕らの仲間で度々話題になっていました。残年ながら「」ブラタモリ、僕は見たことがないのですが・・・。


この本は、交友社の発行する「鉄道ファン」という雑誌に小野田が連載した「東京鉄道遺産をめぐる」という記事を中心に、いつかの刊行物に掲載した記事を再構成したもの(一部は書き下ろし)、だそうです。どこにどんな構造物があるのか、構造物の形式や特徴は何かといった知識だけではなく、その構造物が技術史のどのような系譜に位置し、それに技術者がどのようにかかわったのか解説することを心がけた、という。


つい先日、万世橋高架橋の商業施設「mAAch ecute(マーチ エキュート)神田万世橋」が2013年9月14日(土)にオープンするとういニュースがありました。2006年4月に交通博物館が大宮に移転するので、旧万世橋遺構の特別公開に行ったことがありました。

「旧万世橋駅遺構特別公開」に行って来ました!

いつもよく行く有楽町のガード下で、先日も友人と明るいうちから飲んできました。煉瓦造のアーチ型天井を見るたびに、近代日本の技術の蓄積を思わずにはいられませんでした、とは表向きの話で、高架橋の上を走る山手線や京浜東北線の心地よい音を聞きながら、冷房もないガード下で飲むビールはまた格別です。


テレビで「シーランチ・コンドミニアム」を観た!

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「世界の建築を巡る! ~人類は何を作ってきたのか~ ♯4癒しの建築」(BS JAPAN:7月21日午前9時から放映)というテレビ番組を、家人が気を利かして録画しておいてくれました。それを観てみると、なんと「シーランチ・コンドミニアム」が取り上げられていました。放映時間は10数分だったでしょうか、なにしろ放映された画像が綺麗なのです。


シーランチについては、過去のもこのブログで取り上げたことがあります。テレビ東京「美の巨人たち」が放映された時と、あと一回、きっかけはなんだったか「再びシーランチ」として、自分がシーランチを訪れたときに撮影した、少し赤茶けた画像を使って記事にしたものでした。


と、ここまで書いて、過去の記事を読み直してみると、特に「再びシーランチ」の方ですが、今回放映されたものと同じ、「世界の建築を巡る! ~人類は何を作ってきたのか~ ♯4癒しの建築」を観たことがきっかけだったことが判明しました。テレビで放映された映像を観て、過去の観ていたとはまったく思いもしませんでした。しかも、それをきっかけに、記事を書いていたなんて・・・。テレビ局も番組の使い回しを平然とするんですね。いや、まいりました。


そんなわけで、詳細は過去の記事を見てもらうとして、ここでは、「世界の建築を巡る! ~人類は何を作ってきたのか~ ♯4癒しの建築」の「シーランチ・コンドミニアム」の画像だけを、以下に載せておきます。全体を理解する必要から、配置図と平面図は、「建築と都市 a+u」のチャールズ・W・ムーア作品集にあったものを載せておきます。


シーランチ・コンドミニアム 設計者

建築家 チャールズ・ムーア

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シーランチ・コンドミニアム 空撮

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シーランチ・コンドミニアム 海からの外観

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シーランチ・コンドミニアム アプローチ

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シーランチ・コンドミニアム 中庭

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シーランチ・コンドミニアム インテリア

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とんとん・にっき-sea1 「建築と都市 a+u」

1978年5月臨時増刊

チャールズ・W・ムーア作品集

企画・編集・発行=

株式会社エー・アンド・ユー

発行者:吉田義男

編集者:中村敏男








過去の関連記事:

再び「シーランチ・コンドミニアム」!
「シーランチ・コンドミニアム」




横浜美術館コレクション展その2

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横浜美術館の収蔵作品には、個人が旧蔵した特徴あるコレクションや、篤志家からの寄付によって収集した作品が、数多く含まれているという。今年度は特に、個人コレクターや支援者の活動の活動の一端を、コレクション展を通して紹介しています。今期の展示は、7つの個人コレクションに着目していますが、ここでは「坂田武雄コレクション」を取り上げて、会場にあった解説文も併せて、以下に載せておきます。


坂田武雄コレクション

東京に生まれた坂田武雄(1888-1984)は、東京帝国大学農学部実科を卒業後、農商務省の海外実業実習生としてアメリカとヨーロッパに留学し、苗木商となるためのノウハウを習得しました。帰国して間もない1913年、横浜に「坂田農園」(現・株式会社サカタのタネ)を創立し、種苗の研究や輸出事業に着手します。以後生涯をかけて、日本の園芸種苗の発展に大きく貢献しました。


坂田氏は、留学中に欧米の文化に接したことに加え、画家であったおじやその画家仲間たちからの影響もあり、昭和の初め頃から、主に西洋近代絵画の収集を行うようになりました。氏が長年愛蔵してきた作品のうち、絵画、彫刻、版画、素描52点が、1983年に横浜美術館の準備室に寄贈されました。


坂田氏のコレクションは、ギュスターヴ゛・クールベやシャルル=エミール・ジャックなどの写実主義的、自然主義的な風景画から、ギュスターヴ・モローなどの幻想的、装飾的な画風を示す象徴主義の作品、さらにモーリス・ド・ヴラマンクをはじjめとするフォーヴィズムの作品などから成り、19世紀半ばから20世紀初頭のフランスを中心とした西洋美術の流れをたどることができるものとなっています。その中には、国立西洋美術館設立の基盤となった「松方コレクション」を収集したことで知られる、実業家の松方幸次郎氏から受け継いだ作品も含まれています。また、フランス印象派の影響を受けながら独自の作風を発展させた、ロシアやアメリカの作家たちも収集の対象としていることも特徴です。これらの作品群からは、坂田氏が広い視野のもとに近代美術の流れを理解し、高い鑑識眼を持って作品を選んでいたことが見てとれるでしょう。






「横浜美術館」ホームページ

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横浜美術館で「コレクション展」を観た!
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