先月半ばにアマゾンに注文していた、難波和彦の「新しい住宅の世界」がやっと届きました。
NHK放送大学「新しい住宅の世界」のテキストとして出版されたものです。4月から毎週月曜日の20:00~20:45に、NHK-BS放送大学「新しい住宅の世界」が始まりました。僕は第1回「住宅の現在」は見ましたが、第2回は録画したつもりが撮れてなくて見逃しました。まあ、再放送もあることですし、この番組を気長に見ていくつもりです。
難波は「まえがき」で、次のように述べています。
2010年に63歳で東京大学大学院建築学専攻を定年退職、研究室ではサスティナブル・デザインをテーマに研究と開発を行い、学外の設計事務所では主として住宅設計の実務に携わってきた。退職後、放送大学から住宅に関する番組制作の相談を受け2011年始めまでに番組のプログラム案を作成した。その直後の2011年3月に、東日本大震災が勃発、建築、とりわけ住宅に関する自分の考え方を再検討する必要性を痛感、番組プログラムを根本的に組み直すことにした。
番組とテキストのプログラムの重視したポイントは以下の通り。
1)日本の住宅の世界を広い視野でとらえること。住宅がどのようにつくられ、どのように住まわれてきたかについての広範な知識を普及させることが、震災復興を含めた、今後の住宅を好くする重要な前提条件だからである。
2)住宅を、サスティナブル・デザインの視点から、総合的にとらえること。そのために戦後住宅の変遷をたどる歴史的な視点と、ハード・ソフトの両面から住宅の生産構造をとらえる技術的な視点の、両面から住宅にアプローチした。
3)日本の住宅が置かれた現在の状況を、多角的に浮かべ上がらせること。そのために、立場や視点の異なる多くの人々、すなわち建築家、デザイナー、部品メーカー、ハウスメーカー、ディベロッパーの意見を聞き、様々な場所の取材を行った。
4)住宅の世界を、建築家の視点からとらえるという視点を明確にすること。番組の最終的な目的は、建築家の社会的な役割を明らかにすること。建築家という職能は、時代を先取りする原型的なデザインを提案する点にもあることを明らかにできた。
放送内容は、以下の通りです。
1.住宅の現在
2.仮設住宅
3.家族の変容
4.集住体
5.街の風景
6.工業化と商品化
7.リノベーション
8.エコハウス
9.住宅のハードウェア
10.住宅の供給
11.小さな家
12.生きられる家
13.住宅の寸法
14.住宅の戦後史
15.建築家の役割
放送授業のスケジュール
放送授業期間
授業番組は毎週1回、全15回放送します。
第1学期 4月1日~7月21日
(4月29日~5月5日を除く15週間)
第2学期 10月1日~1月20日
(12月29日~1月4日を除く15週間)
集中放送授業期間
放送授業期間に放送した授業番組の一部を
8日間又は15日間連続して再放送します。
第1学期 7月22日~9月30日
第2学期 1月21日~3月31日
受信方法
衛星放送
BSデジタル放送
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「建築の理(ことわり)―難波和彦における技術と歴史」
2010年10月10日第1版発行
編著者:難波和彦、伊藤毅、鈴木博之、佐々木睦朗、石山修武、前真之
発行所:株式会社彰国社
「東京大学建築学科難波研究室活動全記録」
発行日:2010年9月25日初版発行
著者:東京大学建築学科難波研究室
発行所:株式会社角川学芸出版
発売元:株式会社角川グループパブリッシング
「建築の四層構造サスティナブルデザインをめぐる思考」
発行日:2009年3月1日初版発行
著者:難波和彦
「建築家は住宅で何を考えているのか」
東京大学建築デザイン研究室編
著者:難波和彦・千葉学・山代悟
発行:2008年9月30日第一版第一刷
定価:本体1400円(税別)
発行所:PHP研究所
「箱の家に住みたい」
著者:難波和彦
発行:2000年9月25日初版発行
定価:本体1800円+税
発行所:王国社
「建築的無意識・テクノロジーと身体感覚」
著者:難波和彦
発行:1991年4月1日第一刷
定価:1860円(本体1806円)
発行所:住まいの図書館出版局
「現代建築の発想―アール・ヌーヴォーからCADまで―」
鈴木博之・難波和彦・源愛日児・長倉威彦 共著
平成元年2月28日発行
発行所:丸善株式会社
「現代建築の発想―アール・ヌーヴォーからCADまで―」
裏表紙
難波和彦:オフィス・マシン