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アン・ホイ監督の「桃さんのしあわせ」を観た!

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アン・ホイ監督の「桃(タオ)さんのしあわせ」を観てきました。久々に心に沁みた映画、いろいろと考えさせられる映画でした。


以前、人から薦められて太宰治の「津軽」を読んだことがありました。延々と続く津軽の紹介記事には、正直言って読み進めるのはうんざりする思いでしたが、最後の最後にクライマックスはありました。第5節「西海岸」の小泊で、幼年時代の乳母であり育ての親の「たけ」と、30年ぶりに再会する場面です。ここまで長々ともっていき、最後に感動させるという、さすがは太宰治だ、と思いました。

「修治だ」私は笑って帽子をとった。「あらあ」それだけだった。笑いもしない。まじめな表情である。・・・平和とは、こんな気持ちの事を言うのであろうか。もしそうなら、私はこのとき、生まれてはじめて心の平和を体験したと言ってもよい。


また、夏目漱石の「坊ちゃん」には、10年来召し使っている清という下女がいました。この下女はもと由緒のあるものだったが零落して、つい奉公までするようになった。清は時々台所で人のいない時に「あなたは真まっ直すぐでよいご気性だ」とほめることが時々あった。清はおれがうちでも持って独立したら、一緒になる気でいた。どうか置いて下さいと何遍も繰くり返して頼んだ。


「桃さんのしあわせ」、チラシには「いつも、あなたがいてくれた・・・。実話から生まれた、ささやかだけど、大きな愛に包まれた物語」とあります。


60年間、同じ家族に仕えてきたメイドの桃さんが、ある日脳卒中で倒れた。日々の暮らしの中で、最低限の言葉しか交わさず、ごく当たり前に身の回りの世話を任せていた雇い主の息子映画プロデューサーとして働くロジャーは、その時始めて、桃さんがかけがいのない人だったことに気づき、多忙な仕事の合間を縫い、介護に奔走することになる。迷惑をかけまいとする、穏やかだが芯の強い桃さん、老人を巡る社会環境の現実を目の当たりにしながらも、献身的に尽くすロジャー、ふたりは、やがて母と息子以上の絆で結ばれていくが・・・。


本作のプロデューサーでもあるロジャー・リーの実体験を元にした感動のストーリーが、実話の持つリアリティと説得力で、単なる美談を超えて、観る者の心に灯りを灯します。


監督は、アジアを代表する女性監督アン・ホイ。普遍的なテーマを、細やかな演出で、時にユーモアを交えながら美しく描きます。ロジャー谷國は、本作の企画に賛同し、共同プロデューサーにも名を連ね、ノーギャラで出演したアジアの大スター、アンディ・ラウ。今春、中国、香港、台湾で公開されて以来、15億円以上の興行収入をあげ、非アクション映画としては異例の大ヒットとなった本作。


そのヒットの要因は、誰にでも訪れる老いの現実を、やさしく、温かく描いたことにある、と言われています。人生の終い仕度の季節を迎えた時、そばに誰かがいてくれることの幸福、いつの世にも変わらない人と人との絆の尊さが、シンプルに、ストレートに、伝わったからに他なりません。


以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。


チェック:『女人、四十。』などで知られるアン・ホイ監督が、老いをテーマにつづる感動の人間ドラマ。いつも空気のようにそばにいた老メイドが病に倒れたことをきっかけに、やがて肉親以上の強い絆で結ばれていく主従の関係を描き切る。『サイクロンZ』などの演技派女優ディニー・イップが昔気質の使用人を演じ、介護に奔走する主人公を、香港の大スターアンディ・ラウが熱演する。ユーモアと優しさを交えて描かれる人生の転機に勇気をもらう。

ストーリー:広東省生まれの桃さん(ディニー・イップ)は、13歳から60年もの間梁家の使用人として4世代の家族の世話をしてきた。今は、生まれたときから面倒を見てきたロジャー(アンディ・ラウ)が彼女の雇い主で、彼は映画プロデューサーとして中国本土と香港を往復する多忙な日々を送っていた。そんなある日、桃さんが脳卒中を起こして倒れ……。


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「桃さんのしあわせ」公式サイト




府中市美術館で「ポール・デルヴォー 夢をめぐる旅」を観た!

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府中市美術館で「ポール・デルヴォー 夢をめぐる旅」を観てきました。観に行ったのは9月30日、もう半月以上前のことです。「夢をめぐる旅」にかけて、キャッチコピーは「夢にデルヴォー。」、府中市美術館、頑張っています。ポール・デルヴォーは、ルネ・マグリット、ジェームズ・アンソールと並んで、ベルギー近代美術の三代画家の一人と呼ばれているようです。ジェームズ・アンソールについては、ちょうどいま損保ジャパン東郷青児美術館で「ジェームズ・アンソール―写実と幻想の系譜―」が開催されていて、僕も観に行ってきました。

ベルギーといえばベルギー・ワッフルや小便小僧が有名ですが、それはさておき「ベルギー王立美術館」、昨年4月に、オランダ・ベルギーを旅して、改修工事中でしたが「ベルギー王立美術館」を観ました。ガイドさんの案内で15、16世紀の絵画はブリューゲル父・子をはじめしっかり観てきましたが、帰りがけに美術館1階の横の倉庫みたいな部屋を覗いてみると、なんと驚くなかれ、そこは20世紀美術のコーナーで、シャガール、マチス、ブラック、ピカソ、クレーなどに混じって、レオン・スピリアート、デルヴォー、マグリット、キリコ、エルンスト、ダリ、等々の作品が、無造作に展示してありました。いま、ベルギー王立美術館の「所蔵作品案内」を見ながら書いていますが、デルヴォーの作品は、「戦火」(1935年)、「ピグマリオン」(1939年)、「夜汽車」(1957年)、「ラ・ヴォア(声、公道、汽車のレーン)・パブリック」(1948年)が載っています。


「所蔵作品案内」にあるデルヴォーの紹介を、(日本語がやや変ですが)以下に載せておきます。

ポール・デルヴォー(1897-1994)は、父は弁護士、母は音楽家、典型的な富豪ブルジョアの家に生まれた。両親は心理的な締め付けを、長期間彼に与えた。従って、19歳時ブリュッセル、アカデミー・デ・ボザール入学は、両親の許可が容易には出なかった。馴染み深い詩情を帯びる傾向、幅広い装飾的絵画に表出する基本的趣向を形成。卒業後は検証とためらいの時期。30歳頃、彩色家繊細な夢想的感覚の才能を発揮した。ラジオ・インタビューに「純粋絵画より大切な、深い感覚表現を実現する超現実主義絵画を探ろう」以降作風は明らかな方向性を見出した。マグリットとデルヴォーは、現代ベルギー画壇2大巨匠となった。1969年東フランダースのヴールヌに引っ越し、画家としてのキャリアは絶頂期。1982年ベルギー沿岸のサン―イデスバルドに、ポール・デルヴォー美術館を開設。1994年7月20日、ヴールヌで97歳の生涯を終えた。



1975年に東京国立近代美術館で、「ポール・デルボー展」を観たことがあります。いまから37年も前のことです。日本での「最初の個展」だったようです。その後、日本での個展は、1983年、1987年、1989年に開催されています。もちろん、その時はポール・デルボーがどんな画家なのか、なにもわからず観に行ったと思います。そのちょうど1年前でしたが、同じ近代美術館で「アンドリュー・ワイエス展」を観ています。なぜかその頃、僕はよく近代美術館に通っていました。下に載せたのは「ポール・デルボー展」の図録とその画像です。


デルボーは1994年に亡くなりましたから、1975年はデルヴォー78歳、まだ存命で、図録にメッセージを寄せています。この時点で後のデルボーの作品の主題とモチーフは、古代神殿、ランプ、汽車、裸婦、骸骨、等々、おおむね出揃っているように見えます。最初に作品を発表した1924年の展覧会から1934年までは、デルボーは様式の面では、比較的従来の画家と同様の作品を描いていました。


1934年、デルボー37歳のときの発見を、後に以下のように説明しています。「私が敢えてローマの凱旋門と、そして地上に火のともったランプを描いたとき、決定的な第一歩が踏み出されたのだ。その時まで私のうちを支配していた理性的な論理に背く自由が私に与えられたのであった」と。


一部ですが、そのときの画像を載せておきます。





たったいま、今日の朝日新聞夕刊を見ていたら、「be evning 美の履歴書」欄に、ポール・デルヴォーの「エペソスの集いⅡ」が大きく載っていました。増田愛子の署名入りの、デルヴォーに関するかなり的確な記事だと思います。少し長いですが、以下に全文、引用しておきます。


月明かりに浮かぶ、女たちの白い顔。ある者は立ったまま眠り、ある者は寝たまま目覚めている。あなたがたはどこにいるのか――。問いかけても、黙劇の途中で時間が止まったかのように、乙女らが振り向くことはない。デルヴォーの絵には、時期によって異なるモチーフが登場する。20年代の汽車。30~40年代は裸婦。50年代には骸骨。そして、複数のモチーフを静寂の中に配置した60年代以降。自身の体験や感情と分かちがたく結びついた存在を、画家は繰り返し描いた。この絵で、その思考は複雑な構図となって現れる。


4人のいる「舞台」の奥は少年時代に夢中になった市電の走るブリュッセルの街路。崩れた壁の向こうに、深い関心を抱いていた古代ギリシャの建造物が建つ都市。はるかに見えるのは、愛読書「オデュッセイア」の主人公が漂白した海だろうか。自分の愛した「世界」を入れ子状に配した景色は、デルヴォーの心の中そのものとも見える。乙女たちはさしずめ、聖なる杜を守る巫女だ。あるいは・・・。同じ顔を持つ彼女らを眺めていると、絵の中で永遠の夢を見続ける、デルヴォー自身の化身にも思えてくる。


展覧会の構成は、以下の通りです。


第1章 写実主義と印象主義の影響

第2章 表現主義の影響

第3章 シュルレアリスムの影響

第4章 ポール・デルヴォーの世界

第5章 旅の終わり


デルヴォーは、1897年9月23日に、ワロン地方リエージュ州のアンテイにある母からの祖母の家で生まれます。彼の生後、一家はブリュッセルの自宅へと戻ります。青年期のデルヴォーは煩雑にワロン地方に帰郷し、初期の作品のインスピレーションを得ます。フランドル地方と北海も、デルヴォーの写実主義的な作品に重要な影響をもたらします。1900年代初頭のヨーロッパでは親が子の職業を決めるのが一般的であり、デルヴォー家の長男であるポールは父親と同じ弁護士になることが運命づけられていました。しかし、デルヴォーは授業中にも絵を描いているような夢見がちな少年でした。デルヴォーの両親はやがてブリュッセルの美術アカデミーで建築を学ぶことを許可するようになります。しかしデルヴォーは結局、数学で落第し、建築学を修めることはなかった。


1919年、ベルギー王室の画家クルテンスが、当時22歳のデルヴォーの水彩画を見てその才能に気がつき、デルヴォーの両親に「息子さんは才能がある、素晴らしい将来が待っている」と説得しました。両親は息子がブリュッセルの美術アカデミーで装飾の教育を受けることを許可しました。初期の作品は、その後60年以上も繰り返し現れることになるいくつかの要素が含まれているという点でも重要です。デルヴォーは幼少期、ワロン地方や北海周辺のフランドル地方などを煩雑に旅しました。これらの旅はデルヴォーの記憶の形成に影響を与えました。当時の蒸気機関車は、魔法のような新技術の到来を告げるものでした。デルヴォーの旅にとって主要な交通手段であった汽車は、作品の中でも重要かつ象徴的な要素として描かれています。画家にとって、汽車は冒険と自由の象徴でした。


デルヴォーの作品に、繰り返し登場する重要な要素。

□汽車、トラム、駅

□建築的要素

□生命の象徴としての骸骨

□欲望の象徴としての女性

□男性の居場所

□フレスコ

□ルーツとしての過去のオブジェ



デルヴォーの「略年譜」を見ていて気がついたこと2点。一つは、シュルレアリスムとの関係です。1935年、デルヴォー38歳のとき、アンソールを訪れるとあり、マグリットの元でシュルレアリストたちを紹介される、とあります。アンドレ・ブルトンを中心とするシュルレアリスムの運動に直接加わったことはありませんが、1930年代後半から1940年代に書けてシュルレアリスムの展覧会に何度か参加しています。デルヴォーの画面がたたえている夢幻的な雰囲気や、幼少時代の記憶に起因する駅や標本室のような特有のモチーフによって、シュルレアリスムの範囲に属するものと見なされています。2011年、国立新美術館で開催された「シュルレアリスム展」には、「アクロポリス」(1966年)が出ていました。デルヴォー69歳のときの作品、月に照らされた夜の街路や、ギリシャ神殿風の建物、もの言わぬ乙女たちの行列など、デルヴォー作品に典型的な要素が描かれていました。



もう一つ、1929年、デルヴォー32歳のとき、アンヌ=マリー・ド・マルトラール(タム)と出会い、結婚を望むが両親に反対される、とあります。いったん関係が途絶え、デルヴォーは40歳でシュザンヌ・ピュルナルと結婚します。なんとデルボー50歳のとき、偶然サンティデスバルトの滞在中のタムと再会します。その後定期的に会い文通を続け、次の年に2人はショワゼルのクロード・スパークの家に身を寄せます。次の年にはボアフォールの友人宅にタムと部屋を借ります。1952年、55歳でタムと結婚。そんなことって、あるんですね。1989年、デルヴォー82歳、すでに寝たきりだったタム夫人が亡くなります。この日を境にデルヴォーは筆を置き、再び制作することはなかったという。


第1章 写実主義と印象主義の影響



第2章 表現主義の影響



第3章 シュルレアリスムの影響



第4章 ポール・デルヴォーの世界







第5章 旅の終わり



「ポール・デルヴォー 夢をめぐる旅」
ポール・デルヴォー(1897-1994)は、ベルギーのシュルレアリスム絵画を代表する画家です。現実を超えた世界を描くシュルレアリスムの画家のなかでも、とりわけ幻想的な作風で知られます。古代神殿の立ち並ぶ風景を電車が走り、うつろな瞳の女性たちがさまよう、静かでどこか冷たい世界。しかし、夢の世界と現実とが一続きになっているような不思議な空間に、見る人は思わず引き込まれます。デルヴォーの作品には、電車、神殿、ランプ、骸骨、女性など同じモティーフが、くり返し描かれます。それは、例えば、駅長になるという夢を持つほど電車好きだった幼い頃、あるいは、教室で骨格標本を見て衝撃を受けたという少年時代の思い出など、画家の個人的な体験や日常生活に結びついています。デルヴォーは、身の回りのありふれた物を糸口にして、超現実世界へとつながる扉を開こうとしたのです。この度の展覧会では、シュルレアリスム時代の代表作をはじめ、これまでほとんど紹介されることのなかった最初期の油彩画やデッサン、制作に用いたモティーフも紹介し、画家の創作の原点を探ります。日本ではおよそ10年ぶりの回顧展となります。出品作、約80点のうちおよそ半数以上が日本初公開の作品で。


「府中市美術館」ホームページ


とんとん・にっき-de2 「ポール・デルヴォー展―夢をめぐる旅―」

図録

執筆:

ジュリー・ヴァン・デューン(ポール・デルヴォー美術館)

村松和明(岡崎市美術博物館)

音ゆみ子(府中市美術館)
編集協力:

鹿児島市立美術館

下関市立美術館

埼玉県立美術館

秋田市立千秋美術館

発行:

「ポール・デルヴォー展―夢をめぐる旅―」

実行委員会 ©2012




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ニューオータニ美術館で「大正・昭和のグラフィックデザイン 小村雪岱展」を観た!

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「小村雪岱展」があると聞いて、さっそく出かけてきました。ところが雪岱展でも、アタマに「大正・昭和のグラフィックデザイン」と付いていました。小村雪岱については埼玉県立近代美術館で開催された「小村雪岱とその時代 粋でモダンで繊細で」展を観ていました。それまで小村雪岱のことは、まったく知りませんでしたし、そもそも「雪岱」なんて僕にはとても読めません。その時ブログに、以下のように書きました。


「小村雪岱とその時代 粋でモダンで繊細で」展、なんと美術館の予想を超える入場者数で、展覧会の図録も予定数は完売だとか、急遽、増刷に入ったようです。「小村雪岱とその時代 粋でモダンで繊細で」展は、小村雪岱(せったい)(1887~1940)は、装丁や小説の挿絵、商業デザイン、舞台美術などで活躍した画家です。雪岱は、東京美術学校で下村観山に学び、卒業後は古画の模写などの仕事をしました。しかし、作風への影響力は、雪岱という画号を授けてくれた小説家、泉鏡花との出会いが決定的でした。


少年時代から鏡花の幻想的な文学世界に魅(ひ)かれていた雪岱は20歳の時、鏡花と出会い、1914年に鏡花の小説「日本橋」の装丁を手がけました。これをきっかけに鏡花に認められ、以後、鏡花文学の装丁や口絵のほとんどを担当しました。鈴木春信の浮世絵に範をとった清楚な女性像が人気を博し、「昭和の春信」と称賛されました。晩年は、名優六代目尾上菊五郎らの信頼を得て、歌舞伎などの舞台美術も数多く手がけました。


このブログを始める前のことですが、うらわ美術館で2002年に「山本容子の美術遊園地」という展覧会に、和紙で作った自動車がメインでしたが、装幀デザインも相当数出ていたように記憶しています。他にブックデザイン、装幀等にに関して思い出すと、以下のようなものがありました。


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展覧会の構成は、以下の通りです。


第1章 泉鏡花との出会い―花開く才能

第2章 舞台とのかかわり―戯曲本と舞台装置原画

第3章 挿絵―共鳴する画文
特集―装幀の妙

資料/その他



第1章 泉鏡花との出会い―花開く才能





第2章 舞台とのかかわり―戯曲本と舞台装置原画




第3章 挿絵―共鳴する画文




「大正・昭和のグラフィックデザイン 小村雪岱展」
小村雪岱(1887-1940)は、大正時代から昭和の戦前にかけて装幀、挿絵、舞台美術や商業広告などの幅広い分野で活躍しました。1914(大正3)年に出版された泉鏡花の「日本橋」で装幀家としてデビュー。以降、多くの装幀を手がけ、その才能を開花させました。その後、舞台美術や新聞・雑誌の連載小説の挿絵の仕事にもたずさわり、人気を博します。本展では、雪岱のデザイン力が遺憾なく発揮された装幀本を中心に、挿絵下図や舞台装置の原画など約200件をご紹介します。各界の著名人たちとの交流の中で生み出された雪岱の作品は、江戸情緒とモダンが共存する印象的なものばかりです。今も清新な輝きを放つ、その魅力をお楽しみください。


「ニューオータニ美術館」ホームページ


とんとん・にっき-setu1 「大正・昭和のグラフィックデザイン 小村雪岱展」

入場券














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三井記念美術館で「琵琶湖をめぐる近江路の神と仏名宝展」を観た!

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三井記念美術館へ観に行ったのは「館蔵品展」、東日本大震災の影響で、「特別展 ホノルル美術館所蔵『北斎展』」がホノルル美術館側の事情により開催が中止され、その代替として開催されたものです。チラシの裏も真っ白で、何も印刷されていません。さすがは三井記念美術館、急遽、「館蔵品展」に差し替えました。中止になった「特別展 ホノルル美術館所蔵『北斎展』」も、その後、平成24年4月14日(土)~6月17日(日)に開催されたようですが、なぜか「館蔵品展」以後は、僕は三井記念美術館に行ってませんでした。


そして今回、「琵琶湖をめぐる近江路の神と仏名宝展」を観てきました。いつ行ったのか調べてみると、なんとなんと、9月12日でした。11月25日までなので、まだ大丈夫だろうと、記事にしないでいるうちに日にちが過ぎてしまいました。「写真パネル展 水と神と仏の近江」は9月23日までで、もう終わっています。


三井記念美術館では、以前「奈良の古寺と仏像」展を開催していました。いや、いま思い出してもすごい展覧会でした。奈良のお寺が20、展示された仏像が46点、仏教工芸品が19点が一堂に展示されるのですから、観に行かない方が無理というものです。しかも、なんと国宝が3点、重要文化財が45点もあるのですから、ビックリ暁天の「仏像展」でした。もちろん、図録も買ってあります。正直言って「仏像」って、よくわからないんですよ、僕は。家人が、仏像ならソウルにある「国立中央博物館」にいいのがたくさんあるよというので、ノコノコとソウルまで観に行ったりもしました。


パナソニック電工・汐留ミュージアムで「ウィリアム・メレル・ヴォーリズ」展が開催されたのが2009年5月。ヴォーリズは、建築家として近江八幡で活動し、近江兄弟社で事業を行い、メンソレータムの販売をしていたなど、近江の地に大いに関係のある人です。以前から近江八幡へはぜひとも行ってみたいと思っていましたが、なかなか行く機会がありません。もしかしていけるかなと思ったのが、「ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展in近江八幡」という、近江八幡のまちを舞台にした展覧会が開かれると聞いたときでしたが、結局は行けませんでした。


また、写真家の今森光彦さんがフィールドにしているのが、琵琶湖周辺の田園地帯です。今森さんのアトリエは大津市内にあります。今森さんはもうひとつの穏やかな自然、いわゆる「里山」を見つめてきました。共通の友人がいて、東京での写真展には必ず足を運んでいます。琵琶湖周辺には、友人たちから誘われて、何度か行くチャンスがあったのですが、なぜか未だに行くことが叶いません。つい先日10月14日のこと、今森光彦さんのフィールドで「里山みらいじゅく2012」が開かれ、午前は今森さんと棚田を歩こう、午後は仰木太鼓会館で、はたこうしろうさん(絵本作家)の講演、はたさんと今森さんの対談があるというので誘われたのですが・・・。


汐留ミュージアムで「ウイリアム・メレル・ヴォーリズ」展を観た!
キャノンギャラリーSで「今森光彦 写真展」を観た!
今森光彦写真展「里山 未来におくる美しい自然」を観た!

以下、三井記念美術館学芸部長清水実さんの、朝日新聞に寄せたコメントです。


「近江国」、すなわち滋賀県は、琵琶湖を中心に、その周囲を鈴鹿、伊吹、比良山系などの山並が連なっていて、古くから日本の東西を結ぶ街道や琵琶湖の水運など交通の要衝の地であり、宗教を基盤とした文化が開け、数多くの仏教・神道美術が残されている宗教美術の宝庫、だといわれています。古代に都が置かれたのは奈良・大阪・京都、そして近江でした。7世紀、天智天皇により大津京が営まれます。8世紀には近江出身の最澄が、比叡山に延暦寺を開いて天台宗の拠点となりました。


延暦寺は京都の寺と思いがちですが、実は大津市にあり、園城寺も大津市にあります。日本の文化に大きな影響を与えてきた天台宗は、湖東三山など滋賀県下に勢力を広げ、近江独特の宗教文化を形成しました。また、比叡山の地主神をまつる日吉大社の八王子山をはじめ、近江富士と呼ばれる三上山、琵琶湖に浮かぶ竹生島など、神仏がまつられた信仰の山がいたるところにあります。

この展覧会は、このような琵琶湖をめぐる近江の古社寺に伝えられた秘仏、名宝を一堂に展示する東京で始めて開催される大展覧会です。延暦寺、園城寺(三井寺)、石山寺など42の古社寺から、仏像、神像、仏画、垂迹(すいじゃく)画、絵巻、経巻、工芸品など、国宝6点、重要文化財56点、滋賀県指定文化財21点を含む約100点の名宝が出品されます。このうち絵画は全作品を3回に分けて展示します。


画像は、後日載せます。


「三井記念美術館」ホームページ


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「琵琶湖をめぐる近江路の神と仏名宝展」

図録

平成24年9月8日発行

編集発行:

公益財団法人三井文庫、三井記念美術館

画像は葛川明王院の重要文化財「千手観音立像」










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山種美術館・栖鳳展

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青い日記帳×山種美術館 ブロガー内覧会
「竹内栖鳳―京都画壇の画家たち」展へ行ってきました。

画像は、栖鳳の傑作「斑猫(重要文化財) 」です。


なお、記事は11月に入ってから書く予定です。

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世田谷アートタウン2012、恒例「三茶de大道芸」!

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三茶に花を咲かせよう!

その昔、世阿弥は風姿花伝で「そもそも花と云うもの、四季折々に咲くのであって、その時を得た珍しさ故に愛でられるもの。申楽においても、人の心に珍しいと感じられる時それがすなわち面白い事である。」と云っております。三茶で季節の花と云えば「三茶de大道芸」。秋の季節に咲き、その年ならでは彩りを見せる。そんな三茶の花を求めて、毎年多くの方が来場されます。


ということで、毎年恒例の「三茶de大道芸」へ行ってきましたよ。実は階段を登っていた時に、ふくらはぎがつってしまい、それが1日経っても治らない。歩くのはソロリソロリ、時間がかかります。カッコ悪い、参りました。そんなわけで、見に行けるのは三軒茶屋の街の半分くらいだけで、いつものように街の中を大道芸を追って駆け回ることができませんでした。いつもの「中国雑伎団」、これは外せません。しっかり見てきました。















「三茶de大道芸」公式サイト


過去の関連記事:

世田谷アートタウン2011 三茶de大道芸

恒例、三茶de大道芸!
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恒例「三茶de大道芸2009」を観た!

世田谷アートタウン2008「三茶de大道芸」を見てきました!
「世田谷アートタウン2007・三茶de大道芸」を観る!
世田谷アートタウン2006「三茶de大道芸」報告!


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「トルコ」へ行ってきます!

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10月21日から30日まで10日間、

ヨーロッパとアジアの接する国「トルコ」を旅してきます。


なんと言っても異文化を体験できるのが楽しみの一つ。

「イスタンブール歴史地区」などの世界遺産を巡ることや、

あの巨岩がそそり立つ「カッパドキア」も、楽しみです。


とはいえ「格安ツアー」ですから、そう多くは望めません。

トルコとシリアの緊迫した情勢も背景にあり、どうなることやら・・・。


なお僕がいない間、このブログががら空きでは申し訳ないので、

10日間、毎日、「アメリカの近代建築10選」をお届けすることにしました。

1972年夏、大学の研究室の先生と研究室の仲間と、

21日間の「アメリカ建築ツアー」に行った時に写した画像が中心です。

僕が紅顔の美少年、40年前のこと、初めての海外旅行でもあります。

スライドのカラーもかなり変色していますがご容赦を。




とんとん・にっき-isu2 「芸術新潮 2012年09月号」

永遠のイスタンブール

東西の美と出会う都

発行:2012年8月25日

出版社:新潮社



とんとん・にっき-isu1 「イスタンブール歴史散歩」

とんぼの本

澁澤幸子・池澤夏樹

発行:1994年05月25日

出版社:新潮社








「アメリカ近代建築10選」:ニューヨーク近代美術館(増築)

「アメリカ近代建築10選」:ホイットニー美術館

「アメリカ近代建築10選」:ハーバード大学・視聴覚教育センター

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ハーバード大学・視聴覚教育センター

(カーペンター・センター)

ケンブリッジ、1961-64年

設計:ル・コルビュジエ

協力者:ホセ・ルイス・セルト


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「アメリカ近代建築10選」:イエール大学建築芸術学部


「アメリカ近代建築10選」:イエール大学・アート・ギャラリー

「アメリカ近代建築10選」:マサチューセッツ工科大学チャペル

「アメリカ近代建築10選」:レイクショア・ドライブ・アパート

「アメリカの近代建築10選」:ジョンソン・ワックス本社

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