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ホ・ジノ監督の「危険な関係」を観た!

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「危険な関係」といえば、原作はフランス人作家のラクロの小説ですが、映画化された「危険な関係」(ロジェ・ヴァディム監督:1960年)を僕が観たのはもうかれこれ50年近く前のことです。実はまだ中学生だったので、観ても内容は全く分かりませんでしたが、どうしてその映画を観ることになったのかといえば・・・。


映画音楽はセロニアス・モンクが担当、テーマ音楽をアートブレーキーとジャズメッセンジャーズがつくりました。たしか映画の中でも演奏していたように思います。アートブレーキーはもちろんドラマーですが、「ナイヤガラ」といわれるドラムの奏法が当時の話題でした。その頃の僕は分かりもしないのにモダンジャズにはまっていて、それもアートブレーキーからモダンジャズに入ったといっても過言ではありません。最初に買ったドーナツ盤がアートブレーキーの「危険な関係のブルース」だったというわけです。ついでに,、次に買ったのはLP盤の「モーニン」、NHKの「美の壺」でテーマ曲として使われている名曲です。前の席で聞いていたヘイゼルという歌手が感動のあまり失神したというので、「モーニン・ウイズ・ヘイゼル」と言われるようになったとか。フランスのクラブ「サンジェルマン」での実況録音盤でした。


検索したら出てきましたよ「危険な関係のブルース」が、アートブレーキーのドラムソロもあるし、いや、懐かしい!

危険な関係のブルース les liaisons dangereuses アートブレイキー


ロジェ・ヴァディムは数々の浮き名を流し、ブリジットバルドーやカトリーヌ・ドヌーブやジェーン・フォンダと一緒になったり子供をもうけたりもしていたようで、私生活もまさに「危険な関係」だったようです。1960年の「危険な関係」は原作が18世紀フランスの貴族社会でしたが、現代の上流社会へと変えています。なにしろ主演はジャンヌ・モローとジェラール・フィリップ、当代の美男美女です。成人映画だったかどうか、なにしろ中学生の僕は観たことは観たのですから。その「あらすじ」は以下の通り。


パリの上流社会でもっとも洗練された2人ともてはやされる外交官のヴァルモン夫妻。2人は互いのことをだれよりも愛していたが、妻のジュリエットは複数の男と関係を持ち、夫ヴァルモンもまた多くの女性と付き合いながら、それぞれ互いの情事について報告しあっていた。ジュリエットは恋人のひとりであるジェリーが若い娘セシルと婚約したことを知り、その復讐にと、ヴァルモンにセシルの純潔を奪わせた後、ジェリーのものにさせることを企む。(「ウィキペディア」による)


リメイクされた「危険な関係」は、スティーヴン・フリアーズ監督による1988年のアメリカ映画。1988年のアカデミー賞で脚色賞、衣裳デザイン賞などを受賞しました。最近、TUTAYAで見かけたので、近々借りてこようかと思っていたところです。そういえばペ・ヨンジュンのデビュー作「スキャンダル」(2003年)も、原作はラクロの「危険な関係」だということのようですが。またまたそういえばペ・ヨンジュンの第2作目は、ホ・ジノが監督の「四月の雪」でした。もう何回も観ましたが、ラブストーリーの名手ですね。なかなかホ・ジノ監督の「危険な関係」の方に行きません、寄り道ばかりで・・・。


今年初めて映画館で観た映画です。今から言っておきますが、作品としても、出来栄えとしても、映画としては今年のトップの映画です。「最初はゲーム感覚でも、最終的には本当の愛に目覚めてしまう」。一作しか観ていないのですが、これは断言できます。最高のラブストーリーだと。中国のチャン・ツィイー、韓国のチャン・ドンゴン、香港のセシリア・チャン、アジアの三大スターの競演です。舞台は1931年の上海、2012年2月の始めに行った上海旅行、歩いた「外灘プロムナード散策」を思い出しました。


裕福なプレイボーイのイーファン(ドンゴン)に女性実業家ジユ(セシリア)は「久し振りにゲームでもしない?」、「あの生娘と寝るとか」と迫ってきます。「でも簡単で面白くない」。貞淑な未亡人フェンユー(ツィイー)を落とせるかどうか。「彼女は無理よ」とジユは言います。しかし「成功したら君が欲しい」とジユに言います。「押しても駄目なら引いてみな」、イーファンはフェンユーを落とします。この辺の駆け引きは見事です。賭けに勝ったとジユに報告に行きます。ジユは、今度はフェンユーと別れたことになるまでは勝ちではないと言います。イーファンは「彼女を愛してなんかいない、俺は負けてはいない」と強がりを言います。


たとえがあってるかどうかはともかく「ミイラ取りがミイラになる」、事実、イーファンはフェンユーを愛してしまったのですから。日本軍の侵攻に反対して街中が騒然としている中、真の愛に気付いたイーファンはフェンユーに会いに行く途中に、かつて落としたことのある生娘の恋人にピストルで撃たれて倒れます。「遅かりし由良の助」でしたが・・・。暇を持て余した富裕層の男女が繰り広げる恋愛ゲーム。中国では妻の不倫は通らないので、最初からフェンユーを未亡人という設定にしたとか。1930年代、東洋のパリと言われた上海。莫大な資産を持つ富裕層がパーティに明け暮れ、享楽的な生活を送っています。豪華絢爛、当時の上海の富裕階級の暮らしぶりが見事に再現されています。


以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。

チェック:『四月の雪』などのホ・ジノが監督を務め、18世紀にピエール・コデルロス・ド・ラクロが発表したフランスの古典小説を映画化した恋愛劇。退廃的な1930年代の上海を舞台に、危うい恋のゲームに深入りする3人の男女の関係をドラマチックに描写する。名うてのプレイボーイをチャン・ドンゴン、彼と同類の女性実業家をセシリア・チャン、貞淑な未亡人をチャン・ツィイーが好演。アジアのトップスター共演のめくるめく体験に酔いしれる。

ストーリー:1931年、女性実業家として成功したジユ(セシリア・チャン)。恋人が小娘との婚約を発表し、プライドを傷つけられる。そこで友人イーファン(チャン・ドンゴン)に残酷な復讐(ふくしゅう)を依頼した彼女に、彼は純潔な寡婦フェンユー(チャン・ツィイー)との情事を成し遂げる賭けを提案するが……。


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「危険な関係」公式サイト


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