ブリヂストン美術館で「カイユボット展―都市の印象派」を観てきました。カイユボットの作品は、2012年3月にブリヂストン美術館で開催された「あなたに見せたい絵があります」で、始めて新収蔵作品として「ピアノを弾く若い男」がお披露目、紹介されました。僕はその時初めて、カイユボットの名前を知りました。と思っていたら、カイユボットの「床削り」(1875年)という作品を、オルセー美術館展?で観ていたようで、その作品から強い印象を受けていました。
「床削り」は、1875年の官展で粗野だということで拒否された作品。カイユボットは自宅の床を描いたようです。今回出されている「ピアノを弾く若い男」(1876年)は、パリで開催された第2回印象派展に、カイユボットが初めて出品した作品のようです。その時彼は弱冠27歳でした。そういえばカイユボットは、印象派展の開催に経済的支援を行っていたという話も聞いていました。オルセー美術館は、カイユボットの作品を5点所蔵しているようです。
今回、あれっと思った作品は、「建物のペンキ塗り」(1877年)でした。裕福な家庭に育ち、食うに困らず、絵を売る必要もないカイユボットが、どうしてペンキ塗りのごときに目を向けたのでしょうか?それにしてもパリ市内で優雅に暮らし、なおかつ別荘も何カ所もあり、自然に戯れた生活を送っていたカイユボットでした。弟マルシャルの撮影による貴重な写真作品も展示されていました。
ブリヂストンの展覧会場第6室に、パリ市内の地図が床面いっぱいにありました。オペラ座からルーブル美術館へ向かった突き当たりに、何度か泊まったことのあるホテル、ルーブル・コンコルドがありました。
展覧会の構成は、以下の通りです。
Ⅰ 自画像
Ⅱ 室内、肖像画
Ⅲ 近代都市パリの風景
Ⅳ イェール、ノルマンディー、プティ・ジュヌヴィィリエ
Ⅴ 静物画
Ⅵ マルシャル・カイユボットの写真
Ⅰ 自画像
Ⅱ 室内、肖像画
Ⅲ 近代都市パリの風景
Ⅳ イェール、ノルマンディー、プティ・ジュヌヴィィリエ
Ⅴ 静物画
「カイユボット展―都市の印象派」
ギュスターヴ・カイユボット(1848-1894)はモネやルノワールとともに印象派を代表する画家です。1876年の第2回印象派展以降主たる印象派展に参加し、一方で仲間の作品を購入することによって経済的に彼らを支え、印象派展の開催の継続にも尽力しました。しかし近年では画家としての活動に関心が集まり、近代都市パリの新しい風俗や都市風景を光溢れる繊細な筆致で描いた作品に関心が高まっています。世界各地から集められた画家の代表作が集結する本展は、いまだ知られざる画家、カイユボットの全貌を日本、そしてアジアで初めて紹介するものです。
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