三井記念美術館で「国宝『卯花墻』と桃山の名陶」を観てきました。
三井記念美術館から家に戻り、夕刊(朝日新聞:2013年9月10日夕刊)を見たら、以下のようにありました。なんと今日が初日だったようです。
日本橋で桃山の名陶展
特別展「国宝『卯花墻(うのはながき)』と桃山の名陶」(朝日新聞社など主催)が10日、東京・日本橋の三井記念美術館で始まった。桃山時代後期に作られた国宝の志野茶碗「卯花墻」を始め、同時代の岐阜県美濃地方で焼かれた黄瀬戸や瀬戸黒、織部の茶わんや水指、香合など名品約100件を展示している。11月24日まで。会期中展示替えあり。一般1200円など。
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今秋、茶陶に関連する展覧会が、三つの美術館で開催されています。
・三井記念美術館
特別展「国宝」『卯花墻』と桃山の名陶
―志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部―」
9月10日~11月24日
・五島美術館
特別展「光悦―桃山の古典(クラシック)―」
10月26日~12月1日
・根津美術館
特別展「井戸茶碗―戦国武将が憧れたうつわ―」
11月2日~12月15日
今回の目玉、国宝「志野茶碗 銘卯花墻」は、展示室2に、ただ1点だけ、ガラスのケースに入って展示してありました。「卯花墻」については、矢部良明の「すぐわかる名品茶碗の見かた」にかなり詳細に出ているので、以前このブログで紹介した記憶があるのですが・・・。(調べてみます)
志野:
美濃地方独特の白土に長石釉が掛けられた志野。釉の状態によって釉下の文様や赤みが濃く、淡く現れる。また鼠志野は素地全面に施した化粧を箆(へら)で掻き落として文様をあらわす。いずれも当意即妙の表現が魅力である。
黄瀬戸・瀬戸黒:
美濃地方で焼造された志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部は、当時瀬戸焼と呼ばれていた。黄瀬戸は鮮やかな黄釉の掛かった瀬戸焼、瀬戸黒は黒い瀬戸茶碗という意味である。いずれも桃山時代に登場した新しい器である。
織部:
慶長年間後期、時代の風潮を反映した楽しい器が量産される。白と黒、白と緑、赤と緑など、釉と土を使い分けた色彩豊かな織部である。また型による成形法が用いられたことによって、食器の形が多様となった。
「特別展 国宝『卯花墻』と桃山の名陶―志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部―」
桃山陶の多様な造形、豊かな色彩と装飾は、現代のわたしたちをも魅了する。
桃山時代後期、日本の文化が大きく変貌する時期に、新しい焼き物が誕生します。岐阜県の美濃地方で焼かれた志野、黄瀬戸、瀬戸黒、織部です。白い釉膚に文様が映える志野。黄釉に緑の胆礬釉が滲む黄瀬戸。黒釉が掛けられた重厚な作行きの瀬戸黒。黒釉、透明釉、緑釉、そして赤土、白土が駆使された多彩な織部。いずれも日本で初めて焼かれた装飾的なやきものです。焼造された時期は種類によって若干異なりますが、慶長年間(1596-1614)初頭から元和年間(1615-1623)頃までわずか20~30年の間と考えられています。なかでも志野と織部に示された多様な造形と装飾は当時の人々を魅了し、京都を始め畿内一体で大流行したようですが、現代もまたこれらのやきものが好まれる時代のようで、桃山陶といえばまず話題に上がるのは志野や織部の作品です。この特別展では茶碗や水指、香合、そして懐石道具など、各種の優品を紹介いたします。展示されている作品から桃山時代の創造力のすばらしさを感じとっていただけると思います。
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