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池上英洋の「神のごときミケランジェロ」を読んだ!

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ミケランジェロに関する纏まった本を読んだのは、羽仁五郎の岩波新書の「ミケルアンヂェ口」でした。最初に「ミケルアンヂェ口は、いま、生きている。うたがうひとは、"ダヴィデ"を見よ」と書かれていました。かなり力の入った本なので、その頃は僕にはこの本はやや難しく、何度も挫折しながら読み進みました。当時、羽仁五郎の「都市のの論理」は超ベストセラーで、こちらの方は比較的やさしく書かれていて、読みやすかったのを覚えています。


そして丹下健三の「ミケランジェロ論」です。先日、以下のように書きました。

「MICHELANGELO頌」は「日本建築宣言文集」(彰国社:昭和48年11月10日第1刷発行)に入っていたので読みました。・・・対談に出てくる丹下の「イタリア紀行」、ローマのカンピドリオ広場、パラッツオ・ファルネーゼ、パンテオンは観に行きましたが、フィレンツェのラウレンツィアーナ図書館は修理中では入れませんでした。丹下も実際に見ていたかどうか、磯崎は留保しています。

芸術新潮で「磯崎新が読み解く知られざる丹下健三」を読んだ!


すぐ近くまで行って、見られなかったもの。まあ、今までいろいろとトンチンカンなことをしてきましたが、ミケランジェロに関しても幾つかあります。上に書いたフィレンツェにあるラウレンツィアーナ図書館に入れなかったこと。その前にサン・ロレンツォ聖堂のメディチ家礼拝堂のミケランジェロが設計した「新聖具室」は見たのですが、すぐ隣にあるブルネッレスキの「旧聖具室」と、ミケランジェロのラウレンツィアーナ図書館を見逃していたので、次にフィレンツェへ行った時に見に行きました。「旧聖具室」は見られたのですが、ラウレンツィアーナ図書館が修理中だった、というわけです。


そうそう、ミケランジェロの傑作中の傑作、ダヴィデ像、ヴェッキオ宮殿の前にあるのは見たのですが、今あるのは忠実なレプリカで、本物はアカデミア美術館にあり、そちらは見ていません。すぐ近くまで行っていたのですが・・・。もう一つ、ミラノには3回行ってますが、スフォルツァの城にある「ロンダニーニのピエタ」、一度は見逃し、二度目も見逃し、三度目に壁一つそばまで行ったのですが、なぜか引き返して来ちゃいました。返す返すも残念でたまりません。


キャロル・リード監督の「華麗なる激情」(1964年)という映画を観たことを思い出しました。主役のミケランジェロを演じるのはチャールトン・ヘストン、システィーナ礼拝堂天井画を題材にしたミケランジェロと教皇ユリウス二世の人間ドラマでした。


システィーナ礼拝堂と言えば、システィーナ礼拝堂の修復ドキュメントをわかりやすい読み物として出された「修復視とミケランジェロとシスティーナの闇」(青木昭:2001年4月20日初版発行)という本を、以前読みました。日本テレビが13年、24億円をかけた修復事業をやっていたので、その関連の本でした。写真が多く、しかも綺麗で、こと細かく書かれており、読みやすい本でした。




本のカバーには、以下のようにあります。


これほど巨大な彼のことを、私たちはまだ十分に知らない。(「はじめに」より)

《ダヴィデ》《最後の審判》《サン・ピエトロ大聖堂クーポラ》

── 彫刻、絵画、建築のすべてで空前絶後の作品群を創りだし、

同時代人ヴァザーリに「神のごとき」と称された、

西洋美術史上最大の巨人ミケランジェロ(1475-1564)。

ルネサンスを代表する芸術家でありながら、

マニエリスムやバロックなど後代の様式の先駆者でもありました。

その並外れた業績は芸術にとどまらず、

ぶっbが九や軍事などの幅広い分野におよびます。

教皇や領主、レオナルドやラファエッロらと渡りあった

89年の波瀾の生涯と、変化と深化を続けた作品の背景をていねいに解説。

最新の知見をもとに全容をひもとく、待望の入門書。


目次

はじめに

私たちは彼のことをまだ知らない

彫刻―マニエリスムの創始者

絵画―絵画嫌いの大画家

建築―バロックの先駆者

生涯と作品

1 父の反対を押し切って―『ケンタウロスの戦い』

2 逃げる―『燭台の天使』他/

3 詐欺とデビュー―『サン・ピエトロのピエタ』

4 共和国のシンボル―『ダヴィデ』

5 レオナルドとの因縁―『カッシーナの戦い』のための習作

6 教皇の気まぐれ―『ユリウス2世廟』

7 孤独な苦行―『システィーナ礼拝堂天井画』

8 空間プロデューサーとして―『メディチ家礼拝堂』

9 革命軍の軍事技師になる―『要塞建築計画』

10 愛と悪評―『最後の審判』

11 偉大な建築家―『サン・ピエトロ大聖堂クーボラ』

12 ミケランジェロとは何者か―『ロンダニーニのピエタ』

年譜 ミケランジェロの生涯

地図 ミケランジェロ散歩

池上英洋:略歴

美術史家。東京造形大学准教授。イタリアを中心に西洋美術史、文化史を研究。1967年広島県生れ。東京藝術大学卒業、同大学院修士課程修了。海外での研究活動の後、恵泉女学園大学准教授、國學院大学准教授を経て現職。著書に「Due Volti dell'Anamorfosi」(Clueb,ITALIA)、『西洋絵画の巨匠8 レオナルド・ダ・ヴィンチ」(小学館)、『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界』(東京堂出版)、『もっと知りたいラファエッロ 生涯と作品』(東京美術)、『恋する西洋美術史』『イタリア 24の都市の物語』『ルネサンス 歴史と芸術の物語』(いずれも光文社新書)、『西洋美術史入門』(ちくまプリマ一新書)など。



ミケランジェロに関する手持ちの本

とんとん・にっき-mi3 「イタリア ルネサンスの旅」
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、

ラファエッロ 美術三国志

著者:田中穣

発行:1996年12月1日初版発行

発行所:JTB日本交通公社出版事業局







とんとん・にっき-mi2 建築巡礼5「ミケランジェロのローマ」

昭和63年8月30日発行

著者:長尾重武

発行所:丸善株式会社




とんとん・にっき-mi1 「ミケランジェロの建築」

著者:ジェームズ・S・アッカーマン

翻訳者:中森義宗

発行:昭和51年8月10日第1版発行

発行所:株式会社彰国社








過去の関連記事:池上英洋

<池上英洋編著「レオナルド・ダ・ヴィンチ」を読んだ!
池上英洋の「西洋美術史入門」を読んだ!
池上英洋の「血みどろの西洋史 狂気の1000年」を読んだ!


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