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イサベル・コイシェ監督の「あなたになら言える秘密のこと」を観た!

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7月13日(土)NHKBSプレミアムで放映されたものを、内容も知らずに録画していたものです。スペイン生まれの女性監督イザベル・コイシュ、調べてみたら、大学教授とその教え子、歳の差は30歳、生まれも育ちも社会的な立場も違う2人が恋の落ちるという、ペネロペ・クルス主演の「エレジー」を観ていたことが判明しました。


さて、「あなたになら言える秘密のこと」、タイトルから想像して軽い恋愛ものかと思っていたら、まったく外れました。かなり奥が深くそして重い作品でした。工場で働くハンナ(サラ・ポリー)は、働き者ではあるが誰とも口を利かず、孤独な毎日を送っていました。まったく休みを取らないハンナを見た上司から、ある日強制的に休暇を取るように命じられます。職場と自宅を往復するだけの生活を送た彼女は、意を決して旅に出ます。滞在先の食堂で食事をしていると、至急看護婦が欲しいと携帯電話で話している男を見かけ、自分は看護婦だと告げます。


海底油田掘削所で火傷を負った従業員ジョセフ(ティム・ロビンズ)の看護を引き受けることになり、ハンナはすぐにヘリコプターで掘削所に向かいます。彼女が看護するジョセフは、一時的に失明状態に陥っています。ジョセフとのことが原因で、妻との不倫を知った親友に目の前で死なれた男です。周りを海に囲まれた海底油田掘削所は、心を閉ざしているハンナにとっても好都合の場所です。耳が不自由な彼女は、ライスと鶏肉、半分に切ったリンゴの食事を一人孤独に続けます。


油田掘削所には、皆の食べたいものを創意工夫で作り出す料理人のサイモンや、マッチョな採掘人からバカにされる海洋学者など、他にもそれぞれに孤独を抱え込んだ男たちがいます。ハンナは黙々とジョセフを看護します。ジョセフはハンナには、自らの苦い過去を語りながら、ハンナ自身のことを聞き出そうとします。そして互いに心を開き合い、ジョセフは彼女を少しずつ再生させていきます。

何も語らず、何も感じていないかのようなハンナの反応は、実は過去の人に言えない強烈な体験から来ているものでした。ハンナは、ボスニア内戦中の民族浄化という政策の被害者でもあるのです。今から僅か10数年前の出来事です。過去の出来事と葬り去ってはいけない問題です。序盤では少女の語りでハンナを紹介するという構成をとっています。イザベル・コイシェ監督の手腕が光ります。


以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。


チェック:心に深い傷を負い、誰にも言えない秘密を抱えて生きる孤独な女性の再生のドラマ。『死ぬまでにしたい10のこと』で演技に開眼したサラ・ポーリーとイサベル・コイシェ監督が再び手を組み、ただ黙々と生きていた女性が少しずつ生きる喜びを思い出していくまでを丁寧につづる。ほとんどをベッドに寝たきり状態のキャラクターを演じた、オスカー俳優ティム・ロビンスによる迫真の演技は一見の価値あり。過酷な現実の中に見える一条の光に胸を揺さぶられる。

ストーリー:工場で働くハンナ(サラ・ポーリー)は、ある日、働き過ぎを理由に工場長から強引に1か月の休暇を言い渡される。小旅行に出かけた彼女は看護師を探していた男(エディー・マーサン)に声をかけ、2週間の油田掘削所での仕事を引き受ける。彼女の仕事は事故で火傷を負い、重傷の男(ティム・ロビンス)の世話をすることだった。


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