麻布十番の商店街から六本木ヒルズへ抜ける道の途中、ちょうど「リンコス六本木ヒルズ店」の手前の左側の小さなビルの一角に、戦争を語る「ともちゃん地蔵」はあります。もう10年も前から、この「ともちゃん地蔵」があるのは知っていました。通るたびに、マンションの玄関ホールにあるギャラリーをのぞいています。六本木ヒルズの土でつくったという「手ひねり地蔵」が、小さいですが素朴で素晴らしい。
終戦後間もなく、旧満州の収容所で死亡した男の子をモデルにしたもので、「お地蔵さんを見て、戦争とはどんなものだったのかと、若い人が関心を持ってくれれば」と、「語りつごう ともちゃんの会」の関係者は言う。「ともちゃん地蔵の碑」には、「遠い昔、中国の北の町に、そんな子供たちがいたことを忘れないでください。二度とこんな悲しみを、子供たちに負わせないでください」と書かれています。