建築のノーベル賞」伊東豊雄さん受賞!
【編集委員・大西若人】「建築のノーベル賞」といわれるプリツカー建築賞の今年の受賞者に、建築家の伊東豊雄さん(71)が決まった。主催する米ハイアット財団が17日(日本時間18日)、発表した。日本人では、2010年に建築ユニット「SANAA」(妹島〈せじま〉和世さんと西沢立衛〈りゅうえ〉さん)が受賞して以来、6人目。仙台市のせんだいメディアテークなどを通して建築の可能性を広げようとしたことや、作品の精神性、詩的な広がりが評価された。東日本大震災の被災者が立ち寄れる集会施設「みんなの家」(仙台市、岩手県陸前高田市など)を手がけていることも、「建築家の社会的責任の体現」とされた。賞金は10万ドル(約950万円)、授賞式は5月29日に米ボストンで開かれる。伊東さんは「建築の可能性について評価された点が一番ありがたい。被災地での経験も踏まえ、今後はさらに自然や人間と親密な建築を目指し、挑戦を続けてゆきたい」と話した。これまでに、熊本県八代市立博物館や東京都渋谷区のトッズ表参道ビル、岐阜県各務原市の瞑想の森・市営斎場を設計、台湾のオペラハウスなどが建設中だ。王立英国建築家協会ロイヤルゴールドメダル、朝日賞、世界文化賞など受賞多数。昨年のベネチア・ビエンナーレ国際建築展では、陸前高田市の「みんなの家」をテーマに日本館の展示を企画、同館は最高賞の金獅子賞を受けた。プリツカー賞は1979年に設立、丹下健三、槇文彦、安藤忠雄の各氏も受賞している。
(朝日新聞:2013年3月18日)
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