ニューオータニ美術館で「大谷コレクション展」を観てきました。つい先日「新春展」を観たので、もう次の展覧会かと、ちょっと驚きました。僕がニューオータニ美術館へ最初に観に行ったのが3年半前、2009年9月のことで、今回と同じタイトルの「大谷コレクション展」でした。なぜか「新春展」と「大谷コレクション展」は、チラシがありません。「出品作品リスト」はありますが、やはりチラシは欲しいところです。
そんなことで、もっともっと出ていない所蔵品はあるでしょうが、おおよそ一巡した感じの大谷コレクション、藤田嗣治の「仰臥裸婦」やシュザンヌ・ヴァラドンの「座る裸婦」が目玉のようで、もう何度も観ています。今回観て僕が惹かれた作品は、キース・ヴァン・ドンゲンの目の大きなきりっとした顔立ちの「白い服の婦人」と、今回ポスターになっているモーリス・ド・ヴラマンクの「花束」でした。ヴラマンクの作品は今回「花束」も含めて4点が出されていました。
高階秀爾の「近代絵画史(下)」には、フォーヴ(野獣)について、ドンゲンとヴァラマンクについて関連する箇所をあげれば、以下のような記述があります。
フォーヴの代表的な画家としては、マティス、マルケ、ルオー、ヴァラマンク、ドラン、カモワン、マンギャン、ヴァルタ、ヴァン・ドンゲン、セッソー等がいた。・・・これらの若者たちの思い切って激しい色調の作品が同じ部屋に集められたため世間の注目を引いたことと、何よりも彼らが批評家ルイ・ヴォークセルによって「フォーヴ」と命名されたこととが、この年の「秋の展覧会」を歴史上忘れがたいものとしているのである。
実際には、一般に「フォーヴ」の仲間と言われる画家たちの間に、幾つかの小グループがあった。第一のグループは、マティス、マルケを中心とするギュスターヴ・モローのアトリエの弟子たち。もう一つの核となったのはヴァラマンク、ドランの二人、この二人は絵画に関してほとんど正統な教育を受けておらず、もっぱら独学で自己の道を歩み続け、あの爆発するような激しい色彩表現に達した。さらに第三のグループとして、オットン・フリエス、デュフィ、ブラックの三人組。他にジャン・ピュイやルイ・ヴァルタ、さらにオランダからやって来てさまざまな苦労を重ねながら、やがて特異な官能性を湛えた肖像画によって社交界の寵児となるキース・ヴァン・ドンゲンなど、様々な個性の画家たちが、フォーヴィスムの運動と関係を保った。
またこの本の中で高階は、フォーヴの仲間たちのうちで「野獣」というイメージにもっともふさわしい画家はモーリス・ド・ヴァラマンクであろう、と述べています。ふと、損保ジャパンでヴラマンク展を観たことを思い出しました。その時も高階秀爾の「近代絵画史」に頼って「ヴラマンク展」の記事を書いていました。
損保ジャパン東郷青児美術館で「モーリス・ド・ヴァラマンク展」を観た!
一方のドンゲンですが、松岡美術館で二つの作品を観たことがありました。「マヨルカ島の女」と「シャム猫を抱く婦人」です。その時に「今回始めて観たものでお気に入りはと言われれば、・・・アンニュイな感じが好きですね」と書いていました。ヴラマンクの作品も二つ、「スノンシュ森の落日」と「雪の中の村」がありました。
松岡美術館で「エコール・ド・パリ展―パリのきらめく画家たち」を観た!
いただいた資料から二人の略歴を載せておきます。
キース・ヴァン・ドンゲン(1877-1968)
オランダ、ロッテルダム近郊で生まれる。12歳頃には父のモルト製造業を手伝った。付近の風景や人物のデッサンを始めたのはこの頃から。20歳でパリに出、8年後の1905年にはサロン・ドートンヌに油彩2点を出品し、フォーヴィスムの一人として名を連ねる。翌年にはバトー・ラヴォワール(洗濯船)に移り、ピカソ、マックス・ジャコブらと親交を深め制作を続けた。肖像画家としての人気を博し、個展や展覧会を開催しながら、91歳の生涯を閉じた。
モーリス・ド・ヴラマンク(1876-1958)
パリに生まれる。父はヴァイオリン教師、母はピアノ教師。17歳の頃から絵を描き初め、18歳で結婚。ヴァイオリン奏者、競輪、競艇の選手として生計を立てていたが、20歳の時にかかった腸チフスのために選手生命を絶たれる。その後、風俗小説などを手がけるが、1900年に4歳年下のアンドレ・ドランと知り合い、シャトゥーに共同のアトリエを借りて絵画制作に精力的に取り組むようになる。05年サロン・ドートンヌにマティスやドランらの作品とともに展示され、彼らはフォーヴ(野獣)と呼ばれるようになる。その後、セザンヌの影響を受け構成的画面を展開。キュビスムも一時試みるが、20年代半ばから黒、藍、白を基調とした表現主義的な厚塗り様式へと変化。55年ベルギー王室アカデミー会員に選ばれる。82歳で没。
西洋画
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日本画
「大谷コレクション展」
当館収蔵作品の中から竹内栖鳳、橋本雅邦などの日本画や、ベルナール・ビュフェやシュザンヌ・ヴァラドンなどの油彩画、江戸時代の美術工芸品など貴重な約30点を展示いたします。
「ニューオータニ美術館」ホームページ
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