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戸栗美術館で「鍋島焼展~孤高の鍋島藩窯~」を観た!

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戸栗美術館で「鍋島焼展~孤高の鍋島藩窯~」を観てきました。戸栗美術館へは、過去に2度ほど行ったことがあります。一度目は「柿右衛門展」、2度目は「鍋島展―献上の器―」でした。もちろん、それぞれが美しいとは思いましたが、なにしろ大量に展示されていて、その違いは何なのか、素人の僕にはよく分からなかった、というのが実感です。


戸栗美術館の創設者は実業家戸栗亨、当初は生活の道具である民具や文具を蒐集保存、次第に蒐集は観賞用陶磁器へと移行し、昭和62年10月に財団法人の認可を受け、渋谷区松濤の鍋島藩屋敷跡地に開館しました。収蔵品は約7000点で、伊万里焼・鍋島焼など肥前磁器、および、中国・朝鮮の東洋陶磁が主になっています。数少ない陶磁器専門の美術館として、年4回の企画展示が開催されています。


以下、ホームページやいただいた「展示解説シート」などによります。


江戸時代、佐賀の鍋島藩窯では天皇や将軍家への献上用磁器・鍋島焼が作られました江戸前期から高品質の製品を安定して生産した「藩窯」は他に類を見ず、鍋島藩窯は孤高の存在と言えるでしょう。今展示では鍋島焼の名品を中心に、その表現と技術の粋をご覧いただくと共に、鍋島焼を作り上げた鍋島藩窯についてもご紹介します(「概要の要約」による)。


鍋島焼と伊万里焼の文様の比較

鍋島焼には、植物文や幾何学文など伊万里焼と共通するモチーフが描かれています。文様や器形が規格化され、決まった形で描かれることが多い鍋島焼に対し、伊万里焼では同じ文様でも様々な表現が見られます。また、献上や贈答を目的とした鍋島焼は、線描や色の塗り分けが伊万里焼よりも全体的に丁寧に描かれているなどの違いもあります。


鍋島焼に描かれた文様

鍋島焼には、植物文、器形文、幾何学文、更紗文、動物文、風景文、気象文、人物文など、様々な文様が描かれています。それらの文様は、有田民窯の伊万里焼や中国磁器からの取材や、将軍からの注文によって生み出されたと考えられています。中には、縁起の良い吉祥文様を描き、慶祝調度品とする目的で作られたものもあります。


展示構成は、以下の通りです。


元禄の華 最盛期の鍋島焼
鍋島焼が誕生したのは17世紀の後半のことです。それまで佐賀藩は、長崎経由で輸入された中国の陶磁器などを中心に幕府へ献上していましたが、中国で内乱が起きたために貿易品の入手が困難となりました。そこで藩直営の窯を築き、藩内の産業として軌道に乗っていた伊万里焼の技術を昇華させて、新たなやきものを創り出し献上品に宛てます。これが鍋島焼です。元禄年間(1688~1703)頃には献上に適した規格性をそなえた様式を完成させ、最盛期を迎えます。そして、「日本磁器の最高峰」と言わしめる格調高い磁器が作り上げられました。


「盛期」以前の鍋島焼

近年、鍋島藩窯の位置する大川内地区にある日峰社下窯跡や、明暦3年の火災をうけている江戸城跡などから初期の特徴を有する鍋島焼の陶片が出土したことなどを受けて、「盛期」以前の鍋島焼についての研究が盛んになってきています。このコーナーでは、「松ヶ谷手」「古鍋島」「初期鍋島」「前期鍋島」など、新旧さまざまな名称で呼ばれる盛期以前の鍋島焼について、当館の所蔵品を整理しご紹介します。


鍋島藩窯(特別展示室)

磁器の製法は秘法であり、その技術の漏えいをふせぐために、鍋島藩窯は封鎖性の強い環境に築かれ、また詳細な記録も残されておらず、成立時期から発展の経緯など未だ不鮮明な部分も少なくありません。このコーナーでは、鍋島藩窯について、これまでの研究史をまとめつつ、鍋島藩窯の成立と沿革や、その組織としくみについてご紹介します。







「鍋島焼展~孤高の鍋島藩窯~」

江戸時代、各領国の藩が経営にかかわった窯のことを「藩窯」と呼びますが、設立の目的や藩の介在の仕方、製品の特徴など、その実態はさまざまです。鍋島藩窯では、佐賀藩が陣頭指揮を取り、天皇家や将軍家への公的な献上や贈答のための磁器、鍋島焼を焼造しました。江戸前期という早い段階で確立し、藩主の趣味の範囲を超え政治的な性格を帯び、高い品質の製品を安定して作り上げた藩窯は他には類をみず、鍋島藩窯は孤高の存在であったと言えるでしょう。今展示では、鍋島焼の名品を中心に、その表現と技術の粋をご覧いただくとともに、鍋島焼を作り上げた鍋島藩窯についてもご紹介します。


「戸栗美術館」ホームページ


とんとん・にっき

戸栗美術館

年間展示スケジュール

2013.4-2014.3

・4月7日(日)~6月23日(日)

 古伊万里金襴手展―元禄のきらめき―

・7月6日(土)~9月23日(月祝)

 小さな古伊万里焼展―小皿・猪口・向付―
・10月5日(土)~12月23日(月祝)

 館蔵 青磁名品展―翠・碧・青―
・2014年1月7日(火)~3月30日(日)

 鍋島焼と図案帳展





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