1月19日から始まった「エル・グレコ展」のチラシを見ていたら、マドリッドのプラド美術館でエル・グレコの作品を何点か見たことを思い出しました。2007年12月14日から21日まで8日間、スペイン各地を見て回るツアーに行ったときのことです。最終日だったか、トレドにも行きました。サント・トメ教会でエル・グレコの代表作と言われている「オルガス伯爵の埋葬」も観た記憶があります。
代表作「オルガス伯の埋葬」は、トレドのサント・トメ教会の注文で制作したもの。楯のような画面を上下に二分割し、地上界の埋葬シーンにはひそやかな動き、魂が昇天する場―天上界―には派手な動きを与え、また地上界には当時トレドに実在した名士たちをずらりと並べるユニークさによって、この絵は大きな評判を呼んだ。(中野京子著「名画で読み解くハプスブルグ家の12の物語」光文社新書:2008年8月15日初版1刷発行)
スペイン旅行の画像を見直してみたら、サント・トメ教会の画像が見当たりません。「オルガス伯爵の埋葬」は写真撮影禁止だったようですが、入口廻りや、表示版のようなものを写真に撮った記憶がありますが、画像が見当たりません。残っていたのは、スペイン・カトリックの総本山「カテドラル」の画像が10数枚だけでした。
その中にエル・グレコのキリストの衣の赤が鮮烈な「聖衣剥奪」がありました。実はこの絵の題名が分からなくて、ブログに載せるのを躊躇していましたが、宮下規久朗編著の「不朽の名画を読み解く 見ておきたい西洋絵画70選」(2010年8月1日初版発行)を見ていたら、なんとエル・グレコの「聖衣剥奪」が載っていました。ちなみに同じ宮下規久朗の「知っておきたい世界の名画」(角川ソフィア文庫:平成24年1月25日初版発行)にも載っていました。
キリストは十字架にかけられる前に刑場で身につけていた衣をはぎとられた。その衣を兵士たちは賭けをして奪い合ったという。キリストの真っ赤な衣は今まさに荒々しくはぎとられようとするところで、その赤色は隣の男の甲冑に反映している。キリストは胸に手をあて、天を見上げている。画面下には、十字架が準備されており、それを3人のマリアが見ている。(宮下規久朗の「知っておきたい世界の名画」より)
そんなわけで、トレドの「カテドラル」と、エル・グレコの「聖衣剥奪」を以下に載せておきます。
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