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静嘉堂文庫美術館で「岩崎彌之助のまなざし」展を観た!

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静嘉堂文庫美術館で「岩崎彌之助のまなざし―古典籍と明治の美術―」展を観てきました。静嘉堂文庫創設120周年、美術館開館20周年記念「受け継がれる東洋の至宝」展の、PartⅠ「東洋絵画の精華」に続きPartⅡで、PartⅢは来年1月22日から開催される「曜変・油滴天目―茶道具名品展―」へと続きます。さて、「静嘉堂」とはなにか?岩崎彌之助とは誰か?チラシの裏に、その詳細があったので、以下に載せておきます。


静嘉堂は、岩崎彌之助(1851~1908、三菱第二代社長)が明治25年頃設立し、嗣子小彌太(1879~1945、三菱第四代社長)により拡充されました。現在、国宝7点、重要文化財83点をふくむ、凡そ20万冊の和漢の古典籍、6500点に及ぶ東洋古美術品を収蔵しています。静嘉堂の名称は中国の古典「詩経」の中の句「籩豆静嘉」に拠り、祖先の霊前に供物が立派に整うことを意味します。図書を中心とする文庫は、現在、保存・研究を主とする専門図書館として活動しています。また平成4年4月に開館した美術館は、文庫創設100年の記念事業として建設されました。庭内に広がる豊かな自然とともに、東洋の文化財をお楽しみいただけます。岩崎彌之助・小彌太の東洋文化財の散逸を防ぐとの高い志のもと、後世に伝えゆく至宝の数々をぜひご覧ください。


今回の展覧会は「岩崎彌之助のまなざし」とある通り、社会に対する使命と文化的貢献を実践し、そして多様な趣味の世界に生きた、その生涯を追っています。明治時代、海運事業を主体とする三菱を創業し、日本の海を制覇した岩崎彌太郎(1834~85)の16歳年下の弟が、三菱第2代社長にして静嘉堂の創設者・岩崎彌之助です。


豪放磊落な英雄的性格の兄とは対照的に、彌之助は温厚・沈着、守成の人と言われました。しかし一面では、幅広い視野に基づいて先見的な決断を下す大胆な経営を行って、三菱の事業を多角的に展開し、現在の三菱グループの基礎を築いた人物でもありました。42歳の若さで三菱の社長を引退し、甥で彌太郎の嫡男・久彌太に譲りました。その後は若い社長を後見しつつ、政財界で活躍し、教育・福祉の分野や美術作家の育成・支援などの文化活動を積極的に行い、静嘉堂文庫においては多くの古典籍を蒐集、多様な趣味の世界に生きました。


当時の西洋文明偏重の世相の中で、東洋の文化を守り育てたいという強い願いから、橋本雅邦や山本芳翠、J.コンドルらの同時代の芸術家を惜しみなく援助しました。「同時代作家への支援」は、彌之助の一面を如実に垣間見ることができます。「洋画家・彫刻家との交流」としては、洋画家・山本芳翠(1850~1906)、同じく洋画家・原撫松(1866~1912)との関係が、また彫刻家・大熊氏廣(1856~1934)との関係があげられます。今回初めて知り驚いたのは彌之助と「第4回内国勧業博覧会」との関係でした。


彌之助は、この博覧会の日本画作品の目玉となった屏風絵制作を東京と京都のそれぞれ7人の画家に依頼していたという。実際の出品は東京6名(野口幽谷、瀧和亭、橋本雅邦、松本楓湖、川端玉章、野口小蘋)、京都4名(望月玉泉、今尾景年、森川曾文、鈴木松年)となりました。そのうち8件が静嘉堂に現存しているという。そのうちの2件(松本楓湖筆「蒙古襲来・碧蹄館図屏風」、野口小蘋筆「春秋山水図屏風」)を今回、観ることができました。


松本楓湖(1840~1923)は、歴史画をよくしたことで知られる。「蒙古襲来」は元寇に取材したもの、「碧蹄館図」は豊臣秀吉の軍が朝鮮に出兵し明軍と戦った情景を描いたものです。当時の日清戦争をふまえた国威発揚のための制作と考えられるという。野口小蘋(1827~98)は、女性初の帝室技芸員に任じられた近代日本画を代表する女流画家です。「春秋山水図屏風」は、緑青や群青を多用し、細緻な筆致を重ねて雄大な山水景を描いた小蘋の代表作です。


展覧会の構成は、以下の通りです。


1.岩崎彌之助のまなざし

2.岩崎家の邸宅と庭園

3.岩崎彌之助の古典籍蒐集

4.同時代作家への支援

5.“岩崎男”の趣味さまざま



1.岩崎彌之助のまなざし




2.岩崎家の邸宅と庭園



3.岩崎彌之助の古典籍蒐集



4.同時代作家への支援




5.“岩崎男”の趣味さまざま





岩崎家廊堂




静嘉堂文庫創設120周年・美術館開館20周年記念

受け継がれる東洋の至宝 PartⅡ

「岩崎彌之助のまなざし―古典籍と明治の美術―」

静嘉堂の創設者、三菱第二代社長・岩﨑彌之助(1851~1908)は、創業者である兄・彌太郎の跡を継ぎ、三菱発展の基礎を築きました。日銀総裁を務めるなど、企業人・財界人として力を尽くす一方、多くの古典籍を収集し、また橋本雅邦やJ.コンドルら、同時代の芸術家を惜しみなく援助しました。そこには、当時の西洋文明偏重の世相の中で、東洋の文化を守り育てたいという強い願いがありました。本展では、貴重な和漢の古典籍をはじめ、多彩な趣味をもった彌之助を取り巻くバラエティ豊かな明治の美術品の数々を展示。彌之助の“文化への志”を幅広くご紹介します。


「静嘉堂文庫美術館」ホームページ


とんとん・にっき-iwa15 静嘉堂文庫創設120周年

美術館開館20周年記念

受け継がれる東洋の至宝

PartⅠ 東洋の精華―名品でたどる美の軌跡―

PartⅡ 岩崎彌之助のまなざし―古典籍と明治の美術―
PartⅢ 曜変・油滴天目―茶道具名品展―





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