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Channel: とんとん・にっき
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アン・ホイ監督の「桃さんのしあわせ」を観た!

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アン・ホイ監督の「桃(タオ)さんのしあわせ」を観てきました。久々に心に沁みた映画、いろいろと考えさせられる映画でした。


以前、人から薦められて太宰治の「津軽」を読んだことがありました。延々と続く津軽の紹介記事には、正直言って読み進めるのはうんざりする思いでしたが、最後の最後にクライマックスはありました。第5節「西海岸」の小泊で、幼年時代の乳母であり育ての親の「たけ」と、30年ぶりに再会する場面です。ここまで長々ともっていき、最後に感動させるという、さすがは太宰治だ、と思いました。

「修治だ」私は笑って帽子をとった。「あらあ」それだけだった。笑いもしない。まじめな表情である。・・・平和とは、こんな気持ちの事を言うのであろうか。もしそうなら、私はこのとき、生まれてはじめて心の平和を体験したと言ってもよい。


また、夏目漱石の「坊ちゃん」には、10年来召し使っている清という下女がいました。この下女はもと由緒のあるものだったが零落して、つい奉公までするようになった。清は時々台所で人のいない時に「あなたは真まっ直すぐでよいご気性だ」とほめることが時々あった。清はおれがうちでも持って独立したら、一緒になる気でいた。どうか置いて下さいと何遍も繰くり返して頼んだ。


「桃さんのしあわせ」、チラシには「いつも、あなたがいてくれた・・・。実話から生まれた、ささやかだけど、大きな愛に包まれた物語」とあります。


60年間、同じ家族に仕えてきたメイドの桃さんが、ある日脳卒中で倒れた。日々の暮らしの中で、最低限の言葉しか交わさず、ごく当たり前に身の回りの世話を任せていた雇い主の息子映画プロデューサーとして働くロジャーは、その時始めて、桃さんがかけがいのない人だったことに気づき、多忙な仕事の合間を縫い、介護に奔走することになる。迷惑をかけまいとする、穏やかだが芯の強い桃さん、老人を巡る社会環境の現実を目の当たりにしながらも、献身的に尽くすロジャー、ふたりは、やがて母と息子以上の絆で結ばれていくが・・・。


本作のプロデューサーでもあるロジャー・リーの実体験を元にした感動のストーリーが、実話の持つリアリティと説得力で、単なる美談を超えて、観る者の心に灯りを灯します。


監督は、アジアを代表する女性監督アン・ホイ。普遍的なテーマを、細やかな演出で、時にユーモアを交えながら美しく描きます。ロジャー谷國は、本作の企画に賛同し、共同プロデューサーにも名を連ね、ノーギャラで出演したアジアの大スター、アンディ・ラウ。今春、中国、香港、台湾で公開されて以来、15億円以上の興行収入をあげ、非アクション映画としては異例の大ヒットとなった本作。


そのヒットの要因は、誰にでも訪れる老いの現実を、やさしく、温かく描いたことにある、と言われています。人生の終い仕度の季節を迎えた時、そばに誰かがいてくれることの幸福、いつの世にも変わらない人と人との絆の尊さが、シンプルに、ストレートに、伝わったからに他なりません。


以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。


チェック:『女人、四十。』などで知られるアン・ホイ監督が、老いをテーマにつづる感動の人間ドラマ。いつも空気のようにそばにいた老メイドが病に倒れたことをきっかけに、やがて肉親以上の強い絆で結ばれていく主従の関係を描き切る。『サイクロンZ』などの演技派女優ディニー・イップが昔気質の使用人を演じ、介護に奔走する主人公を、香港の大スターアンディ・ラウが熱演する。ユーモアと優しさを交えて描かれる人生の転機に勇気をもらう。

ストーリー:広東省生まれの桃さん(ディニー・イップ)は、13歳から60年もの間梁家の使用人として4世代の家族の世話をしてきた。今は、生まれたときから面倒を見てきたロジャー(アンディ・ラウ)が彼女の雇い主で、彼は映画プロデューサーとして中国本土と香港を往復する多忙な日々を送っていた。そんなある日、桃さんが脳卒中を起こして倒れ……。


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「桃さんのしあわせ」公式サイト




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