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「ジョルジュ・ルオー アイ・ラブ・サーカス」展のご案内

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とんとん・にっき-rou4


「ジョルジュ・ルオー アイ・ラブ・サーカス」展の案内がきました。この展覧会、行こうと思っていただいた割引券を、忘れることがないように壁に貼っておきました。そこへ届いたのが今回の案内。ルオーの作品を数多く所蔵していることで知られている「パナソニック汐留ミュージアム」で、10月6日(土)から開催されます。なんとタイトルが「ジョルジュ・ルオー アイ・ラブ・サーカス」で、チラシには「享楽のパリで、サーカスを愛した男」とあります。


ルオーといえば、道化師やキリストをモチーフにして悩める人びとの姿を、黒の輪郭線や濃厚に塗り重ねられた絵の具などで、数多く描いたことがよく知られています。美術史家の柳宗玄によれば、最初にルオーに関心を示した日本人は梅原龍三郎であり、ルオーと早くから親交を結び、その傑作を日本にもたらしたのは福島繁太郎で、その収集はブリヂストン美術館に入り、ルオーの傑作を数多く集めてきた清春白樺美術館や、「キリストの受難」の油絵の連作その他を所蔵する出光美術館があるという。そして、今まで日本で開催されたルオー展は30回を下らないという。


僕の「ルオー体験」を調べてみると、ブログを書き始めてからは2008年の出光美術館で観た「没後50年ルオー大回顧展」があり、また、2011年のパナソニック電工汐留ミュージアムの「ルオーと風景 パリ、自然、詩情のヴィジョン」がありました。それらを読んでみると、当時の「松下電工NAISミュージアム」の開館記念展「ジョルジュ・ルオー――未完の旅路」の図録もあり、観ていたことがわかりました。2003年4月から2003年6月にかけて開催されてました。開館第2弾は「建築と風景の関わり 西澤文隆実測図展」で、観に行った記憶があります。


ここで告白すれば、ルオーは僕の中では一番苦手な画家の一人でした。ブリヂストン美術館の「郊外のキリスト」(1920-24年)や「ピエロ」(1925年)を観て、少し理解できるようになりました。出光美術館で「没後50年 ルオー大回顧展」を観ても、まだ理解できたとは言えませんでした。でもその頃からです、少しずつルオーの作品を理解できるようになったのは・・・。なにがって、ルオーの作品の多様性がわかりつつあったからです。絵の具の厚塗りの、黒い輪郭線のキリストの顔だけではないのです。


「未完の旅路」の図録をみると、「流れる星のサーカス」と題したルオー自身の詩文にルオー自らが挿絵をつけた詩画集が出ていました。サーカスの主題はルオーが最も好んだもので、道化師や踊り子を30代の始めから繰り返し描いてきたという。図録で解説をしている高野禎子は、「道化師―それは私だ、我々だ。ほとんどすべての人間が多少なりとも道化師である。豊かな金箔つきの衣裳をまとう私たちも、もし誰かが本当の姿を知ったなら、丁度私があの老いた道化師を見たように憐憫の情を抱くだろう」と、ルオーは言ったという。今回、道化師、芝居の呼び込み、曲芸師、踊り子、女曲馬師などサーカスを着想源としたルオーの作品が観ることで、ルオー絵画の本質を見ることができそうで、今から楽しみでもあります。


展覧会概要
ジョルジュ・ルオーの絵画作品の中で、サーカスのテーマは全体の3分の1を占めています。美術史全体においても、一人の画業の中でサーカスがこれほど大きな割合で取り扱われたことはないでしょう。ルオーは道化師を中心にサーカスにまつわる多様な人物像を描き、誰よりも優れた「道化師の画家」と呼ばれました。ロートレックやピカソなど近代画家の誰もがこの主題を取り上げるなか、ルオーがこのテーマを追及した理由は彼らとは全く異なります。彼は場末の市にかかる安サーカスや、うら哀しい旅回りのサーカスの特別に心を寄せ、その哀切さを通して人間本来の姿を暴き出そうとしました。「われわれは皆、道化師なのです」と自身が語るように、彼らは罪深い社会で苦悩する人間を象徴する存在であり、彼らを描くことは人間の背負う苦悩や絶望を問いただし、またそうした世だからこそ求められる恩寵や愛を描き出すことだったのです。本展では、パリのルオー財団の特別協力により、サーカスを着想源にしてルオーが描いた初期から晩年までの重要な版画と絵画が一堂に終結します。また、ルオーが実際に見たサーカスのポスターやプログラム、当時の新聞や絵葉書などの貴重な資料も初公開されます。19世紀末から20世紀初頭のサーカスやキャバレー文化を老いながら、ルオーの思想とサーカスとの接点を探り、ルオーがこのテーマを繰り返し描くことでなにを表現したかったのかを解き明かす展覧会です。


展覧会の構成
第1幕 悲哀-旅回りのサーカス 1902-1910年代
第2幕 喝采-舞台を一巡り 1920-30年代
第3幕 記憶-光の道化師 1940-50年代


出品作品に一部



展覧会名:「ジョルジュ・ルオー アイ・ラブ・サーカス」展
開会期日:2012年10月6日(土)~2012年12月16日(日)
開館時間:午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
休館日:毎週水曜日
入館料一般:800円 大学生:600円 中・高校生:200円 小学生以下:無料
65歳以上の方で年齢のわかるもの提示:700円
20名以上の団体:各100円引(65歳以上は除く)
障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで:無料
会場: パナソニック汐留ミュージアム
住所: 東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
公式サイトhttp://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/12/121006/


とんとん・にっき-rou5 ルオー財団特別企画展

「ジョルジュ・ルオー アイ・ラブ・サーカス」展

割引券

















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