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Channel: とんとん・にっき
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ベトナム映画「夏至」を観た!

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「夏至」は一年中で一番昼が長い日です。ということは、夜が短い日でもあります。日本では実は梅雨の最中、鬱陶しいことこの上ないジメジメした季節です。逆に「冬至」は一年中で一番夜が長い日です。日本ではゆず湯に入り、カボチャを食べると風邪ひかないと言われています。


「あらすじ 解説 夏至 - goo 映画」

ヴェトナムの首都ハノイ。母親の命日に集まったスオン(グエン・ニュー・クイン)、カイン(レ・カイン)、リエン(トラン・ヌー・イエン・ケー)の3姉妹は、とても仲が良い。しかし実はそれぞれ、誰にも言えない秘密を抱えていた。カフェの女主人である長女スオンは、幼い息子がいるものの、夫クオック(アンクル・フン)には愛人とその子供がおり、自分も行きずりの青年トゥアン(レ・トゥアン・アイン)と逢瀬を重ねていた。次女カインは新婚で、ライターの夫キエン(チャン・マイン・クオン)は処女小説に行き詰まっている。妊娠が判ったが、今は夫と二人の秘密にしておきたい。三女リエンはまだ学生で、役者の卵の兄ハイ(ゴー・クアン・ハイ)とアパート暮らし。恋人のホア(レ・ヴー・ロン)とは最近うまくいっていない。そんな中、命日の酒宴で母の秘めた初恋の話が明かされた。貞節な理想の夫婦を両親に見ていた3姉妹は、母が父以外の男性に恋していた事実に戸惑う。そして三姉妹が抱える秘密も、少しずつ露になっていく。やがて父親の命日。彼女たちは問題を抱えつつも、家族の絆を強め、関係の調和を保っていくのだった。


早い話、上の「あらすじ」を見れば、映画「夏至」の内容はよく分かります。物語は、仲の良い3姉妹が母親の命日に集まるが、実はそれぞれに事情を抱えていて、それが少しずつ露わになってくるという展開です。日本で言えば向田邦子の「阿修羅のごとく」のような、あるいは山田太一の「岸辺のアルバム」のような、テレビドラマ向けのありふれたごくごく通俗な物語だといえます。外は雨、湿気がじわーっと伝わってきます。ついつい昼寝をしたくなります。


が、しかしこの映画は、そんなことはどうでもいい、ポイントは二つ。映像からにじみ出てくる心地よい「色彩」と、ゆったりと流れる「時間」がこの映画を作り上げています。説明的な台詞回しはほとんどありません。だから本来の意味での「映画」だと言えます。色彩は黄色、緑、青のパステルカラー、日本ではゼッタイに使わないインテリアのカラーです。時間は有り余るほどあります。誰も急いだりはしません。そして3姉妹の飾らない「美しさ」がなんと言ってもこの映画の見どころです。そして日本ではない、異国文化を楽しめます。


トラン・アン・ユン監督は、ベトナム戦争を逃れて、フランスで育ったベトナム系フランス人です。話は変わりますが、いや、まったく関係ないですが、いま読んでる大江健三郎のエッセイでは、「ベトナム」のことを「ヴィエトナム」と表記していました。大江さんは仏文科卒なので、「ヴィエトナム」が正しいフランス語読みなのでしょう。

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