昨年末、見逃していたチャン・フン監督の「義兄弟」をDVDで観ました。というのは、今年の初めのこと。書こう書こうと思っているうちに、はや半年が経過。なにしろ韓国では、2010年上半期最高の観客動員数550万人を記録した映画だという。チャン・フン監督のデビュー作品「映画は映画だ」は、このブログにも書きました。本物らしくヤクザを演じたい俳優と、映画俳優になりたかったヤクザの運命の出会いを描いた男の映画です。「サマリア」(05)の演出部でキム・ギドク監督の元で働くようになり、「うつせみ」(06)などの作品で助監督を務めたという。
ソン・ガンホの作品は、「渇き」も観ています。「青い塩」や「大統領の理髪師」はブログにも書きました。「シークレット・サンシャイン」から逆に観ているようです。イケメンでもなんでもない中年男のソン・ガンホが、なぜか好きです。相手役、カン・ドンウォンの作品は「義兄弟」が始めて。さすがはモデル出身、ソン・ガンホのずんぐりむっくりに対して、イケメンで小顔の9頭身だから、ガンホは分が悪い。そのソン・ガンホとカン・ドンウォンが、北朝鮮のスパイと彼を追う元国家情報員に扮して、対決しながらも、次第に男同士の友情、絆が芽生える、というもの。それにしてもあの身体で、ソン・ガンホはよく走ります。
壮絶な銃撃戦から6年後、ジウォン(カン・ドンウォン)は偽名を使って潜伏生活を続けています。一方、ハンギュ(ソン・ガンホ)も銃撃戦で多くの死傷者を出した責任を問われて罷免され、妻子にも逃げられ、しがない探偵まがいの仕事で毎日を送っています。ハンギュは6年前の銃撃戦で取り逃がした北の工作員のジウォンと偶然出くわします。2人はすぐに相手のことはわかりましたが、そのことはおくびにも出さずにつき合い始めます。2人とも、自分たちが属していた組織を追われていたことは知りませんでした。英語名「Secret Reunion」は、秘密を持ったままの再会。さもありなん。
それぞれに事情を抱えていた2人が、一緒に仕事をするようになり、また同居するようになります。ケツ出ししたりの、男同士の奇妙な同居生活が笑わせます。ハンギュはジウォンの人脈を辿って、北朝鮮のスパイ網を突き止めようとしますが、ジウォンは党に見捨てられて母国にも帰れず、妻子を脱北させるために金が必要だということを知ります。お互いの事情がわかってくると、宿敵であった2人の警戒心も薄れて、男同士、友として認め合うようになっていきます。「おれのこと、兄貴って呼べよ」というハンギュ。その頃になって再び、コードネーム“影”と呼ばれる暗殺者が、ジウォンと接触を図ろうと北からやって来ます。
以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。
チェック:「渇き」のソン・ガンホと「M(エム)」のカン・ドンウォンのW主演となった、男同士のきずなを描いた感動の人間ドラマ。北朝鮮のスパイと、彼を追う元国家情報員の宿命の対決と共に、彼らの間に芽生える深いきずなを描く。「映画は映画だ」でデビューを飾ったチャン・フンがメガホンを取り、敵同士でありながら次第に心を通わせていく男たちの悲しい現実に迫る。主演の二人の豪快なアクションもさることながら、その劇的な彼らの人生に胸が震える。
ストーリー:北朝鮮の工作員として韓国に潜入していたジウォン(カン・ドンウォン)は、“影”と呼ばれる暗殺者(チョン・グックァン)と共にある指令を受ける。彼らは、国家の裏切り者である金正日の身内を葬ることに成功するが、国家情報員ハンギュ(ソン・ガンホ)に計画をかぎ付けられ包囲される。ジウォンは何とか逃げ切るが、その後再び長い潜伏生活を送ることになる。
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