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ルイ・マル監督の「死刑台のエレベーター」を(再び)観た!

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「死刑台のエレベーター」は、新人監督のルイ・マルがデビューした1957年のモノクロ作品、なんとこの映画、自己資金で製作されたものだという。ジャンヌ・モローとモーリス・ロネの主演、音楽担当は、モダンジャズのトランペット奏者マイルス・デイヴィス、即興的な演奏でこの映画の中で10曲がサウンドトラックとして使われています。僕がモダンジャズをかじりだし、フランス映画を見始めた頃の作品、というと、1960年代前半の頃のことです。なにしろモダンジャスといえば、アート・ブレーキーとジャズ・メッセンジャーズ、“ナイヤガラの滝”といわれたドラムが、少年の心を躍らせました。


ちなみに最初に僕が観たアメリカ映画は「陽のあたる場所」、モンゴメリー・クリフト、エリザベス・テーラー主演の1952年の作品です。それはさておき、最初に観たフランス映画が「危険な関係」、この映画は1959年、ロジェ・ヴァデイム監督、ジャンヌ・モロー、ジェラール・フィリップ主演、音楽がセロニアス・モンクなどモダンジャズの面々、「危険な関係のブルース」という題だっかか、アート・ブレーキーが演奏しています。従って僕の場合、モダンジャズでは、アート・ブレーキー→マイルス・デイヴィス、映画では「危険な関係」→「死刑台のエレベーター」となります。どちらもジャンヌ・モローが出ていました。当時としてはかなりな「おませちゃん」でした。

「もう我慢できない。愛してる。だからやるの。愛してる。話さない、ジュリアン。心はいつも一緒よ。そばにいる」「愛してるよ。君の言葉なしでは僕は無力だ」「案外臆病ね」「愛が臆病にする」「やめて」。冒頭、フロランス・カララとジュリアン・タベルニエの電話での会話です。ちなみに最後のカララ夫人の独白はこうです。「10年20年・・・。じわじわ年をとるのね。独りで寝て、朝起きるのも独りきり、。10年20年、自分のためだけじゃなく、2人のためにやったのよ。私は年をとる。写真なら一緒ね。いつでも一緒よ。誰にも邪魔されない」。


ふと、思い出しました、僕はJUJUの歌をジムでいつも聴いているのですが、椎名林檎の「ギブス」という歌の歌詞を。「あなたはすぐに写真を撮りたがる わたしはいつもそれを厭がるの だって写真になっちゃえば わたしが古くなるじゃない」と歌っています。カララ夫人の「写真なら一緒ね。いつでも一緒よ。誰にも邪魔されない」というのとは、大きな違いです。何がそうするのか?まあ、本筋とは違う話ですけど・・・。


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「死刑台のエレベーター」は、もう何度となく観ました。たまたまテレビで放映していたのをブルーレイにとってあったので、久し振りに見直しました。2010年10月に、ルイ・マル監督のリメイク版ということで、吉瀬美智子・阿部寛主演の「死刑台のエレベーター」を観ましたが、残念ながら箸にも棒にもかからないひどい凡作でした。


ああ、これで終わった、完全犯罪だと思い、ジュリアンは、外からビルを見上げるとビルの手摺りに錨付きのロープがぶら下がっていました。これはまずい、取りに行かなきゃとビルに戻り、エレベーターで上り始めると、途中の階でエレベーターが止まってしまいます。ビルの管理人が電源スイッチを切って帰ってしまったからです。さあ、それからが大変。ジュリアンはなんとか脱出しようと試みますが、何をやってもダメ。フロランスとの約束の時間はどんどん過ぎてしまいます。一方、ジュリアンを待つフロランスの方は、次第に不安にかられて、彼を探して夜のパリの街をさまよい歩きます。


ジュリアンがロープを取りにビルに戻った一瞬の隙に、花屋の売り子ベロニックとそのボーイフレンドのルイが、ジュリアンの車を盗んで郊外へと高速道路を突っ走ります。彼らが盗んだ車の中には、ジュリアンのレインコート、小型カメラ、拳銃がありました。高速道路では、ドイツのスポーツカーとカーチェイスさながらに競い合い、前を走るスポーツカーについてモーテルに入ります。ルイには前科があったので、ジュリアン・タベルニエ夫妻という偽名でモーテルに泊まることにしました。


スポーツカーの持ち主であるドイツ人夫妻と知り合い、夜は彼らに部屋に呼ばれて夕食を共にします。あと数枚フィルムが残っていたジュリアンの小型カメラで、スナップ写真を撮ったりもします。写したフィルムはモーテルに現像を出し、引換券をもらいます。ベロニックとルイは、夜明けを待たずに、ドイツ人夫妻の車を盗んで逃げようとしますが、見つかってしまいます。やむなく拳銃で彼らを射殺して逃げます。アパートに帰った彼らは、睡眠薬で自殺をはかりますが、未遂に終わります。


ドイツ人夫妻殺しは、宿帳と、現場に残された車や拳銃からタベルニエと推定され、新聞一面にタベルニエの顔写真が大きく載ることになります。朝になってエレベーターが動き出し、やっと外に出られたジュリアンは朝食を食べにカフェーに入ります。が、しかし、身に覚えのないドイツ人夫妻殺しの犯人として、警察に逮捕されてしまいました。生き残ったルイは、モーテルに証拠品となる写真を取りに行きます。しかし、そこに張っていた警察に逮捕されます。ドイツ人夫妻と写した写真が犯罪を証明していました。後を付けて来たフロランスも、社長殺しの共犯として、そこで逮捕されます。ロランスは「写真なら一緒ね。いつでも一緒よ。誰にも邪魔されない」と独白します。


以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。


チェック:欲望の果てに運命を狂わせていくカップルの行く末を、洗練されたタッチで描いたクライム・サスペンス。ヌーベルバーグの巨匠ルイ・マルが25歳の若さで手掛けた監督デビュー作で、その斬新な演出は当時の映画界に衝撃を与えた。主演は、フランス映画界を代表するジャンヌ・モローとモーリス・ロネ。モダンジャズの帝王マイルス・デイヴィスによる即興演奏や、スタイリッシュなモノクロの映像美など、今も色あせない魅力を放つ名作をニュープリントで堪能したい。

ストーリー:大企業社長の側近ジュリアン(モーリス・ロネ)と社長夫人のフロランス(ジャンヌ・モロー)は不倫関係にあり、社長殺害を計画。完全犯罪を成し遂げたはずだったが、ミスに気付いたジュリアンは犯行現場に引き返す途中、無人となった会社のエレベーター内に閉じ込められてしまう。そのころ、彼の車を盗んだ若いカップルが別の犯罪を引き起こしていた……。

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「死刑台のエレベーター」公式サイト


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