潤いのある町づくりのために、住民が集える文化の拠点をと、小布施町が建設したミュージアムで、1992年(平成4年)10月に開館しました。日本画家・中島千波の作品を展示する常設館、企画展示室、屋台蔵があります。
常設館は「中島千波の全てが分かる展示」を目標に、院展出品の150号の大作、桜の屏風をはじめ、日本画、スケッチ、挿し絵など、収蔵する約500点の作品を、2~3カ月ごとに入れ替えて展示。企画展示室では、現在活躍する郷土ゆかりの作家、作品などを紹介する特別展を定期的に開催。僕が行った時には、開館20周年記念展「水戸岡鋭治展」が開催されていました。
別棟の2つの屋台蔵には、町内に7台ある祭り屋台のうち、中町、伊勢町、横町、福原、六川の5台を展示している。北斎館で展示する2台と同時期の、江戸後期から明治初期に造られた2階建ての屋台で、当時の繁栄と住民の心意気を見ることができる。
他に色鉛筆で描かれた「NHK趣味悠々」の日本画や、NHKBSプレミアム「極上美の饗宴」の伊藤若冲の「模写」(2011年)が出ていました。 2002年には、NHKテレビ・趣味悠々「花を描く-中島千波日本画基礎講座-」に出演しました。2004年、深川不動堂の内仏殿格天井画「大日如来蓮池図」が完成しました。2006年には小布施名誉町民に選定されています。
開館20周年記念展「水戸岡鋭治展」
2012年5月18日~6月26日
JR九州の鉄道デザインを中心に活躍するデザイナー、水戸岡鋭治(1947~)の展覧会。小布施町とは関わりが深く、新しくなった町内を走るシャトルバスのデザインや、町内にあるレストラン「OBUSE花屋」「小布施鈴花」の設計、加工品のパッケージデザインなどをしています。本店では、現在注目を集めているJR九州関連(新幹線の椅子、「極情の旅南九州キャンペーン」ポスターなど)のものから、小布施にある作品の紹介やデザイン画も展示します。一口に電車と言ってもそこから広がる世界は広大。椅子やシート、テーブルや乗務員の制服、駅弁に至るまで実に細やかにさまざまなパーツのデザインが施されています。わくわくする、どきどきする―。デザインの世界を旅するかのように、展覧会をお楽しみいただければと思います。