岩松院の沿革:開創は文明4年(1472)雁田城主の荻野備後守常倫公の開基で、開山は不琢玄珪禅師。本堂は136.5坪。その他庫裡、鐘楼、座禅堂、仁王門がある。本尊仏は宝冠をいただく釈迦牟尼仏で、江戸時代初期(慶長かその後)の作。(案内リーフレットより)
小布施の駅を下りるまで、まったく岩松院のことは知りませんでした。駅の改札口を出ると、目の前がタクシー乗り場、何人かの人が並んでいます。皆さん、予約しているらしく、タクシーが来ると「ガンショウインまで」と言います。なにも分からずにタクシー会社にスマートフォンで名前を告げて予約すると、すぐにタクシーが来ました。皆さんに倣って「岩松院まで」と運転手に告げました。
着いたところが岩松院、「北斎・正則・一茶、ゆかりの古寺」とあります。やっと気がつきました。あの北斎の天井画のあるところだと。本堂の大間天井絵「八方睨みの鳳凰図」、最晩年の北斎の作品です。間口6.3m、奥行5.5mの大画面を12分割し、床に並べて彩絵した後、天井に取り付けられたもの。鳳凰図は、朱・鉛丹・石黄・岩緑青・花紺青・べろ藍・藍などの顔料を膠水で溶いた絵具で彩色され、周囲は胡粉、下地に白土を塗重ね、金箔の砂子が蒔かれています。カラフルで、その色彩はまったく劣化していません。画面には絵皿の跡など制作時の痕跡が残っています。
他にも岩松院の見どころはあります。小布施村の豪商・高井鴻山の書、戦国武将・福島正則の霊廟、蛙合戦の池、そして俳人・小林一茶の「やせ蛙まけるな一茶これにあり」の句碑などがあります。境内の駐車場には、観光バスが何台も停車していました。
「岩松院」公式ホームページ