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茨城県立近代美術館で「常設展」を観た!

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茨城県立近代美術館で「常設展」を観てきました。「日本の近代美術と茨城の作家たち」というタイトルがついていました。「出品目録」には、以下のようにあります。


茨城県では、横山大観、菱田春草、下村観山、木村武山ら「五浦の作家」や、牛久沼のほとりに住み、自然と共に生きる人びとや動物たちを描いた小川芋銭などの日本画家、また、大正期に活躍した中村彝(つね)らの洋画家など、日本の近代美術の展開において重要な役割を果たした作家を多く生み出しております。現在、茨城県近代美術館では、このように歴史に名を刻んだ郷土作家をはじめ、国内の近現代美術を中心に所蔵しております。当館ではまた、中村彝をはじめとする日本の多くの画家たちに大きな影響を与えた印象派など、ヨーロッパの美術作品も所蔵しております。日本の近代美術とともに、それらの西洋美術を鑑賞することにより、影響関係なども楽しんでいただけるものと思います。


西洋絵画は、エドゥアール・マネ「腕白小僧・犬と少年」1867-68年、ウジェーヌ・カリエール「『習作』または『絵画』」1899年、ポール・シニャック「パリのシテ島」1927年、「ポン・ヌフ」1927年が出されていました。


日本画は、大御所の名前が多く観られました。奥原晴湖の「富貴飛燕」明治28年、小川芋銭の「老子」昭和3年頃、「江村楽民」昭和9年、「菟玖波仙郷」昭和11年頃、横山大観の「瀟湘八景」大正2-3年頃、下村観山の「夕月」大正7-9年、菱田春草の「普賢菩薩」明治35年頃、木村武山の「鳥骨鶏」昭和8年、前田青邨の「江島詣」昭和10-12年頃、等々。


油彩画は、藤島武二「ポンペイの廃墟」明治41年頃、辻永「飼はたれる山羊」明治43年、中村彝「信州穂高村風景」大正3年、「静物」大正8年、「男の顔」大正9年、「カルピスの包み紙のある静物」大正12年、安井曾太郎「フランス風景」明治44年-大正1年、岸田劉生「窓外夏景」大正10年、等々。


やはり圧巻は横山大観の「瀟湘八景」です。以下、いただいた資料による。

瀟湘八景とは、中国湖南省を流れる瀟水と湘水という2本の川が合流して、洞庭湖に注ぐ周辺の景勝地を指します。「平沙落雁=飛ぶ雁」、「遠浦帰帆=帆掛け船」、「山市晴嵐=山村(酒屋を表す旗が描かれることが多い)」、「江天暮雪=雪景色」、「洞庭秋月=秋の月」、「瀟湘夜雨=雨の光景」、「烟(遠)寺晩鐘=山寺(鐘楼)」、「漁村夕照=漁港」というy0おうに、八つある景勝地には、必ず描かれる対象があり、これらを一つの画面にすべて収めてしまう物から、本作品のようにそれぞれ八つの画面に分けて描くものまであります。


中国の宋(10-13世紀)の時代から始まり、日本でも室町時代(15、6世紀)から描き続けられてきた伝統的な画題ですが、大観の場合、「遠浦帰帆」を「遠浦雲帆」、「漁村夕照」を「漁村返照」としたり、人々の生活の場面に焦点を当てるなど、伝統にとらわれない自由な発想で描いています。大観は、明治43年、寺崎広業らとともに中国を旅行して洞庭湖布巾にも足を伸ばし、大正元年の文展では二人そろって「瀟湘八景」を出品しています。本作品は、出品作をふまえながら大正2年から3年頃描かれたものと考えられています。


出品作品






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