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「没後20年 画家・福沢一郎の歩みⅠ」展を観た!

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富岡製糸場を見学するため、高崎から上州富岡まで上信電鉄に乗りました。上州富岡の駅前で、富岡製糸場までの案内地図を見ていたら、「富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館」があることが分かりました。つい先日、祖師ヶ谷大蔵にある「福沢一郎記念館」から平成24年前期展示「福沢一郎のニッポン」の案内はがきが届きました。ニッポンということで、葉書には「題不詳(人ならば浮き名や立たむさ夜ふけて我た枕に通ふ梅ヶ香)」の絵が載っていました。そちらには残念ながら行けなかったので、富岡の「福沢一郎記念美術館」には、是非とも立ち寄りたいと思ったわけです。



去年の12月に、福沢一郎記念館で「福沢一郎は《何を》《如何》に描いたか」を観ました。その時に福沢一郎記念館の人から(たぶん、福沢一郎の娘さんか?)、「富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館」の案内チラシをいただいていたので、この印象的な建物にも興味が湧き起こり、建築としても是非とも観たいと思ったわけです。設計は柳沢孝彦+TAK建築・都市計画研究所です。実は福沢一郎記念館へ行くまでは、福沢一郎がどんな人なのか、どんな作品があるのか、まったく知りませんでした。その時親しく話を聞いて、日本にシュールレアリスムを紹介した人で、文化勲章受章者であることも分かりました。



今年の初めに板橋区立美術館で「池袋モンパルナス展」を観た時に、第3章アトリエ村に暮らした美術文化協会の画家たち、があり、この美術文化協会とは福沢一郎が結成したものでした。板橋区立美術館では、2010年11月に「福沢一郎絵画研究所展」を開催していました。僕はその時の図録を、福沢一郎記念館で購入してあります。福沢一郎とその周辺の画家たちについては、調べれば調べるほど、興味の尽きない「運動」だったようです。福沢一郎記念館からいただいたものに、以下のようにありました。略歴とあわせて載せておきます。


福沢一郎とは

福沢一郎(1898~1994)は、一貫して主題(画題)を如何に表現するかということを追究し続けた、日本の絵画史に異彩を放つ作家です。また、昭和初期における所謂「シュルレアリスム絵画」の紹介者としても広く知られています。大正末期から平成へと至る画業において、彼はさまざまに主題と作風を変えながら制作に取り組みました。彼の作品には、同時代の美術、社会、そして人間のすがたが見え隠れします。それは、彼が生涯抱き続けたドライな批判精神により生み出されたものです。また、彼の量感あふれる人体表現や独特な色彩感覚は、日本の洋画史において他に類を見ない特長といえます。


福沢一郎の略歴

1898(明治31年) 群馬県富岡に生まれる。

1918(大正 7年) 第二高等学校を卒業、東京大学文学部に入学。

1924(大正13年) 渡仏。油絵を描き始める。

1931(昭和 6年) 独立美術協会の結成に参加。

            第1回展にパリから作品を送り特別陳列。

            日本にシュールレアリスムを紹介する。

1933(昭和14年) 独立美術協会を退会。美術文化協会を結成。

1952(昭和27年) 文化自由委員会の日本代表として渡仏。

            その後ブラジル、メキシコを2年間にわたって旅行。

1957(昭和32年) 芸術選奨文部大臣賞受賞。

1958(昭和33年) 第4回国際美術展に出品の「埋葬」が毎日美術商受賞。

1965(昭和40年) ニューヨーク、スペインを歴遊。

            翌年「黒人有情」展を白木屋にて開催。

1970(昭和45年) ギリシャ旅行。「石は語る―ギリシャの旅」展を開催。

1973(昭和48年) 地獄絵による「地獄への誘い」展をセントラル美術館出開催。

1981(昭和56年) レオナルド・ダ・ヴィンチをモチーフにした個展をギャラリー・ジェイコにて開催。

1983(昭和58年) 群馬県立近代美術館、世田谷美術館との共同企画による「福沢一郎展」開催。

1990(平成 2年) 多摩ニュータウンに建てられた東京国際美術館に「福沢一郎記念室」が設けられる。

1991(平成 3年) 文化勲章受章。

1992(平成 4年) 没。享年94歳。

福沢一郎の作品








「没後20年 画家・福沢一郎の歩みⅠ」

富岡市出身の画家福沢一郎は1992(平成4)年94歳で没しました。今年は没後20年にあたります。当館ではこれまで、さまざまな角度から画家福沢一郎を取り上げてきましたが、今改めて福沢一郎の画業を振り返ってみたいと思います。今回の展示の目的は「福沢一郎は何を遺したのか」を考えることにあります。福沢一郎は何を描き、それはどのように受け止められたのか、作品発表時の評論などを手掛かりにたどってみましょう。


「富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館」ホームページ


「福沢一郎記念館」ホームページ


とんとん・にっき-zuroku 20世紀検証シリーズNo.2

福沢一郎絵画研究所

進め!日本のシュルレアリスム

2010年11月20日~2011年1月10日

図録

発行日:2010年11月20日

発行:板橋区立美術館






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