吉村順三の「軽井沢の山荘」を観てきました。この山荘は、吉村順三自身の設計によるもので、1962年の作品です。1階部分はRC造、2階と屋根裏は片流れ屋根の木造で、1階からはね出した片持ちスラブの上にのっています。 僕自身の「軽井沢の山荘」を観た印象は、思っていた以上に大きな家でした。言い伝えられた小さな空間を無駄なく有効に使うという話から、小さな別荘だとアタマから勘違いしていたようです。
吉村順三は、1908年東京市本所区緑町に生まれました。生家は呉服商でした。1926年東京美術学校(現東京芸術大学)建築科に入学。在学中よりアントニン・レーモンド建築設計事務所に勤務。以後、約10年間、レーモンド事務所のスタッフとして働きました。最後の約1年間をアメリカで過ごし、太平洋戦争直前に帰国。1941年12月8日、日米開戦の当日を選んで吉村設計事務所を開設。レーモンドから学んだ吉村の設計活動は、住宅を中心に多岐にわたりますが、なんと言っても代表作は「軽井沢の山荘」でしょう。
上のスケッチは、昭和43年10月15日発行の「都市住宅」の付録として付いていたA1版表裏のポスターです。吉村順三の「軽井沢の山荘」を描いたものです。構成・イラストレーション:添田浩、協力:矢島秀俊、平面・立面・断面作図:吉村設計事務所となっています。
以下、新建築1991年6月臨時増刊「建築20世紀PART2」より
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